レポート価格転嫁に関する熊本県内企業の実態調査(2023年7月)

コスト100円上昇の売価反映は35.7円 ~ 「全く価格転嫁できない」企業は19.5% 2割近い水準に ~

2023/09/19
物価・価格  アンケート

はじめに

5月8日に新型コロナウイルス感染症が「5類」に分類され、4年ぶりに行動制限のない夏季シーズンに突入した。飲食店や旅館・ホテル、旅客輸送、イベント関係といったBtoC業種では、人出の増加やインバウンド需要の拡大により景況感は回復し始めた。また、半導体を含めた各種資材の不足も解消され始めたことで、生産活動を本格化させて、業績が持ち直した企業も増えつつある。
一方で、昨年から続く電気代やガソリン・軽油を含むエネルギー価格の高騰は、収益を圧迫するなど企業経営に陰を落としている。また、令和5年度の最低賃金が熊本県においては昨年度から45円引き上がり「898円」となることが公示され、販売やサービスの値上げがなければ、中小企業へのさらなる負担増が予想される。帝国データバンクの集計では、価格転嫁を取引先から拒絶されたり、僅かな値上げしか認めてもらえず結果的に経営破綻を余儀なくされた「値上げ難型」の物価高倒産は全国で少なくとも23件(2023年1-7月)判明し、前年同期(2022年1-7月)の12件に比べて倍増ペースで推移しているなど、価格転嫁が厳しい企業の倒産が目立っている。
そこで、帝国データバンク熊本支店は現在の価格転嫁に関する県内企業の見解を調査した。本調査は、TDB景気動向調査2023年7月調査とともに行った。


■調査期間は2023年7月18日~7月31日、調査対象は熊本県345社で、有効回答企業は113社(回答率32.8%)

調査結果

  1. 価格転嫁率1は35.7% 昨年12月から3.7ポイントの低下
  2. 「全く価格転嫁できない」企業は19.5% 2割近い水準
詳細はPDFをご確認ください

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