レポート「マイナス金利解除」と金利上昇に伴う企業の借入利息負担試算
借入金利「1%上昇」で企業の7%が「赤字」に ~ 利息は年270万円増、経常利益は9%圧縮 1社平均試算 ~
はじめに
マイナス金利政策は正式に解除となったものの、日本銀行は4月に発表する「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」までは実体経済の状況を確認していくとみられ、頻繁な利上げは当面見送られると予想される。金融機関による貸し出しでも、これまで続けてきた横並びの低金利競争を背景に、大幅な金利引き上げに突入することは考えにくい。
ただ、これまで極めて低く抑制された「超低金利の世界」が順次終了することはほぼ確実とみられ、借り換えや新規借り入れ時の返済負担増に苦慮する中小企業が増加する可能性が高まっている。今後到来する「金利のある世界」に備えた意識の変革が企業にも強く求められる。
■帝国データバンクは、保有する企業データベースのうち2023年3月-24年2月間に決算を迎えた企業財務データ(約97万社・780万期収録)を対象に、企業の借入金利引き上げに対する影響度について調査・分析を行った
■各平均値は、上下各5%、計10%のトリム平均値を使用した
分析にあたっての条件は、下記の通りと定義した
■【分析企業】長短借入金を含む「有利子負債」と、それに伴う「支払利息」が発生している企業。対象は全国約9万社(全国・全業種)
決算期末のデータに基づくため、借入金の返済・借り換え、追加での借り入れによる有利子負債の増減については考慮しない
■【用語定義】借入金利は、有利子負債(銀行等、保険、ノンバンク、個人借入等を含む借入金、社債、CP等を含む総額)に対する利息の割合
調査結果
- ・ 借入金利「1%上昇」で企業の7%が赤字へ転落 利息負担は1社平均で年270万円増

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