2013年2月にオバマ米大統領の一般教書演説で取り上げられ、一気に認知度が高まった3D プリンター。複雑な立体を造形できる技術として、試作品など製造業の研究開発(R&D)の現場では不可欠だ。
株式会社JMCは、「3Dプリンター出力」から「鋳造」、「CT スキャン」まで“ものづくり”に欠かせない一連の業務を手がけ、自動車業界などから広く信頼を得ている。プロボクサー出身という異色の経歴をもち、チャレンジングな経営で準備開始から約1年7カ月で上場を果たした代表取締役社長の渡邊氏に上場の経緯を聞いた。
ー起業のきっかけをお聞かせください
スタートは、1999年に参入した3Dプリンター出力です。日本では1980年代から「光造形」「粉末造形」などと呼ばれ、R&D 分野ではよく知られた技術でした。当時、父親が経営する保険業に携わりつつ新規事業を模索するなかで、3D プリンターの出力設備を持つ企業や出力事業に特化した企業が少ないことからビジネスチャンスとみて独学で飛び込みました。2004年頃には3D/CAD の普及にともない需給が安定するようになり、その後、3Dプリンターが注目を集め一般にも用語として浸透したことは、営業面での大きなプラスになりました。