レポート事業承継に関する道内企業の意識調査(2021年8月)

後継者への移行期間は半数が「3年以上」 ~ 新型コロナの影響で事業承継への意識が変化した企業は8.9% ~

はじめに

道内企業の後継者不在率は2020年時点で72.4%(帝国データバンク札幌支店「道内企業『後継者不在率』動向調査」2020年11月発表)となり、全国9地域中最も高い水準となるなど、依然として高い水準で推移している。政府は2021年度予算に事業承継支援として100億円近くを計上。事業承継とM&A支援をワンストップで行う体制を4月より始動した。政府主導で企業に対する支援を積極的に働きかけるプッシュ型のサポートを中心に、事業承継対策は一層推し進められている。

そこで、帝国データバンク札幌支店は、事業承継に関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2021年8月調査とともに行った。

■調査期間は2021年8月18日~31日、調査対象は道内1013社で、有効回答企業数は529社(回答率52.2%)。なお、事業承継に関する調査は、2021年5月に続き、今回で4回目

調査結果

  1.   事業承継を行う際にかかる後継者への移行期間を尋ねたところ、「3年以上」を要する割合は52.5%と半数超にのぼった。「3年以上」の内訳をみると「3~5年程度」が28.7%で最も高く「6~9年程度」が13.2%で続いた。また、「分からない」が28.5%にのぼっている
  2.   後継者への移行期間を規模別にみると、3年以上かかる割合では「大企業」が41.7%だった。一方で、「中小企業」は55.0%、そのうち「小規模企業」は55.5%となり、全体の割合(52.5%)を上回った
  3.   後継者への移行期間を業界別にみると、3年以上かかる割合では『建設』が63.3%で最も高かった。次いで『卸売』が53.7%、『製造』が51.8%で続いた。一方で、『運輸・倉庫』(37.6%)が8業界中唯一4割を下回った
  4.   2020年2月以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響で社会情勢が大きく変わるなか、事業承継に対する意識に変化があったか尋ねたところ、「特に変化なし」とした企業は78.6%だった。それに対して、「事業承継の時期を前倒し」(3.8%)、「事業承継の時期を延期」(4.3%)といった「意識が変化した」企業は8.9%だった
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