レポート法人税改革に対する栃木県内企業の意識調査

賃上げは35.5%、設備投資は26.2%が実施予定 ~ 税制改革に期待する政策は、「法人実効税率の引き下げ」が最多 ~

はじめに

世界的には法人税率の引き下げなど、税制から企業の競争力向上を支援する政策を打ち出している国が多い。これに対し日本政府は、「働き方改革の推進」や「生産性向上の推進」を念頭においた税制改革にあたり、賃金や先進技術の投資を増やした企業に対して、負担額の軽減を図る法人税制を検討する一方で、消極的な企業に対する優遇措置を見直す方針だ。それに基づき、与党は平成30年度税制改正大綱を公表した。企業の反応が注目されるところだ。

そこで、帝国データバンク宇都宮支店は、法人税改革に対する栃木県内企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2017年12月調査とともに行った。

■調査期間は2017年12月18日~2018年1月9日、調査対象は栃木県内企業260社で、有効回答企業数は107社(回答率41.2%)。

■本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(https://www.tdb-di.com/)に掲載している。

調査結果

  1. 法人税改革への認知度、「内容を含めて知っている」企業は3.7%。「概要のみ知っている」の64.5%と合わせると68.2%となり、県内企業の約7割が法人税改革の要旨を認知している。
  2. 今回の法人税改革を受けて、賃上げは県内企業の35.5%、設備投資は26.2%が「実施する(予定含む)」と回答。賃上げは「従業員数51~100人」の企業で55.0%が、また設備投資は「51~100人」の企業で45.0%が実施する予定で最多となった。賃上げは従業員規模で格差があるとは云えないが、設備投資については、従業員規模が大きいと実施率が上がる傾向がある。
  3. 栃木県内企業が、法人課税制度改革で政府に求める政策は、「法人実効税率の引き下げ」が47.7%で最も高い。次いで、「法人税減税」(38.3%)、「固定資産税の見直し」(34.6%)、「税制の簡素化」(29.0%)が続いた。すべての企業規模で、「法人実効税率の引き下げ」が最多であったが、特に大企業では「固定資産税の見直し」「設備投資減税」の要望が高く、中小企業では、「法人税減税」、「税制の簡素化」などが高かった。
  4. 今回の法人税改革による日本経済活性化への寄与では、「寄与する」と回答した企業が29.0%、「寄与しない」が22.4%で、「寄与する」が若干上回った。ただし、「分からない」が48.6%と半数近くにのぼり、県内企業の多くは日本経済全体に与える影響について判断しきれていない様子がうかがえる。
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