はじめに
3月10日に弊社が発表した「人手不足に対する栃木県内企業の動向調査(2023年1月)」によれば、県内の58.3%の企業が正社員不足と回答しており、この占有率はアベノミクス当時に匹敵する過去最高水準であった。3月31日に発表された厚生労働省栃木労働局の「労働市場のようす(令和5年2月分)」では、県内の有効求人倍率は1.19倍となだらかな上昇傾向が続き、「求職者の希望職種」と「求人側の必要な職種」のアンバランスがひときわ目立つ形となっており、労働市場も平穏な状態とは言いにくい環境だ。その意味で、今年度の企業の雇用動向がどう展開するのか非常に興味深いところである。
帝国データバンク宇都宮支店では、2023年度の県内企業の雇用動向を捉え、人手不足の実情に迫るデータを集約し分析した。なお、栃木県内の雇用動向調査は2016年3月以降毎年実施しており、今回が8回目である。
■調査期間は2023年2月14日~28日、調査対象は栃木県内企業367社に対して行い、133社から有効回答を得た(回答率36.2%)
調査結果
- 2023年度に正社員の『採用予定がある』と回答した企業の割合は63.2%、前年度比では5.1 pt増加し、数値的にはアベノミクス当時の状況まで上昇していることが分かった。規模別では「大企業」が87.0%(前年度比+12.0pt)と大半が採用予定であり、「中小企業」も58.2%(同+4.0pt)と過半数に達した。業界別では『運輸・倉庫』80.0%、『製造』71.4%、『建設』66.7%などで採用に積極的と見受けられる。社会経済活動の正常化による受注の回復が見込まれ、各業界で人員確保の動きが活発化している
- 非正社員については、46.6%の企業が採用を予定しており、前年度同様高い求人ニーズが確認できた。特に『サービス』75.0%、『製造』61.9%など現場での人員不足が見込まれている業界での求人が旺盛となるようだ
- 県内企業が求める職種を尋ねると、「専門的・技術的職業(開発・製造技術者、医療技術者など)」が38.3%で最多、以下、「販売の職業(販売、営業職など)」36.8%、「生産工程の職業(生産設備、金属材料製造など)」25.6%などでニーズが高い。求職者の人気が高い「事務的職業(一般事務員、会計事務員など)」は19.5%で下位にとどまっている
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