はじめに
帝国データバンクでは、毎年「周年記念」企業の実態調査を発表している。今年創業100周年を迎えた企業は全国に1011社(栃木県13社)あることが判明したが、一方で弊社情報部が執筆した「御社の寿命~あなたの将来は目利き力で決まる!(中央公論新書より出版)」の中では、日本の企業の寿命は平均で約30年であるというショッキングな事実も論じられている。時代の変遷や熾烈な生き残り競争の中で、企業として長寿を全うすることは並大抵の努力では勝ち取れない。
今回、帝国データバンク宇都宮支店では、長寿企業の特性を明らかにするために、創業時期、業種、事業規模、地域、全国との比較など様々な視点から長寿企業を分析してみた。
■分析は帝国データバンクの企業概要データベース「COSMOS2」から宗教法人や社団、財団その他の公益法人を除く栃木県内企業20,234社の中から、創業から100年以上経過した企業を「長寿企業」として取り上げた。
調査結果
- 栃木県内企業で100年以上の歴史を有する企業は485社。創業時期別で見ると、大正時代(1913~1916)の創業は73社、明治時代(1868~1912)が360社、江戸時代(1603~1867)の創業企業は51社あった。実に江戸開府前(~1602)に創業した企業も1社確認できた。長寿企業の占有率は2.40%と、全国平均をやや上回る位置づけである。
- 業種別を見ると、江戸時代以前に創業された事業で最も多かったのは「製造」32.7%であり、次いで「小売」28.8%、「卸売」21.2%と続いた。創業100年以上では、「小売」が31.8%で最も多く、「卸売」が23.5%と続いた。業種細分類で見ると、長寿企業で最も多い業種は「酒類製造業」で22社確認できた。
- 事業規模に目を向けると、売上規模では「1億円以上10億円未満」が221社、「1億円未満」が211社と続き、概ね9割の企業は売上規模10億円未満の中小企業である。従業員規模でも、「4人以下」が247社と約半数を占め、「5~9人」の97社を含めると、約7割が従業員数一桁の企業である。
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