レポート

後継者不在に関する栃木県内企業の実態調査(2022年)

後継者不在企業58.0%、過去最低 ~「同族承継」減少、「内部昇格」が増加 ~

はじめに

栃木県内企業の大半が中小企業である。大企業と比較すれば一社一社の経営基盤は脆弱である。しかし、こういった企業の努力によってマクロ経済が保たれ、納税や雇用の維持・創出、そして市場の活性化が図られ、地域経済に大きな貢献があると考える。昨今の県内経済の実情は、コロナ禍による活動の制限や原材料の高騰、サプライチェーンの寸断などに始まり、物価高、円安、ロシアのウクライナ侵攻など様々な阻害要因を受けて、事業環境は悪化の一途を辿っている。この状況が続けば、企業の休廃業・倒産が増加し、経済のシュリンクという大きな問題につながる。その意味では、県内企業の事業継続は、極めて重要なファクターと言えるだろう。

そこで帝国データバンク宇都宮支店では、「後継者不在」にスポットを当てて、栃木県内企業の実態をレポートにまとめた。


■2022年10月時点の信用調査報告書ファイル(約190万社収録)をもとに、2020年10月~2022年10月の3年を対象として、事業承継の実態について分析可能な栃木県内企業3160社(全業種)の後継者の決定状況と事業承継動向について調査を行った。栃木県内企業に関する調査は2021年11月に続き7回目である

調査結果

  1.   県内企業で分析可能な3160社について、後継者の有無について調査したところ、「後継者不在」は1833社(構成比58.0%)、「後継者あり」は1327社(同42.0%)であった
  2.   県内企業の後継者不在状況について、経営者の年代別では「70代」は32.1%、「80代以上」は31.2%であり、引き続き高比率である。業種別では「サービス業」が64.3%で最も高く、以下、「建設業」63.0%、「小売業」62.4%、「運輸・通信業」61.9%と不在率が高く、「製造業」51.4%、「卸売業」53.4%などでは低い
  3.   2022年に事業承継が確認できた県内企業94社のなかで、最も高い属性は「同族承継」で48.9%だが、構成比は2018年比で17.5ポイントも減少しており、脱・同族化が進んでいるようだ。これに対し「内部昇格」は27.7%、「M&Aほか」13.8%、「外部招聘」4.3%などとなっており、特に「内部昇格」は2018年比で10.9ポイントも増加していた
  4.   事業承継候補が決まっている企業の属性を見ると、「子供」が46.8%で最多、次いで「非同族」が28.1%と続いた。現社長が「創業者」や「同族承継」で就任した場合、後継候補に「子供」を指名するケースが多く、「内部昇格」や「外部招聘」で就任した場合は、「非同族」とするケースが多い。総体として「脱ファミリー」が進んでいることは鮮明だ
詳細はPDFをご確認ください

Contact Usお問い合わせ先

担当部署

お問い合わせ先 株式会社帝国データバンク 宇都宮支店 TEL:028-636-0222 FAX:028-633-5639