はじめに
2021年の埼玉県内の企業倒産(負債額1000万円以上の法的整理)は268件となり、前年(2020年)比で23.6%の減少となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響により景気は低迷、近時は緩やかな回復傾向をみせてはいるものの、この減少幅は当初の予想を大きく上回るものとなった。要因は、政府をはじめ民間金融機関も含めた企業への資金繰り支援策で、ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保)などいわゆるコロナ資金は、今のところ倒産抑制に絶大な効果を発揮している。
通常、企業倒産と景気との間には時間的なズレはあっても相関はある。しかし、近年は政策効果が与える影響でその関係が微妙に変化しており、倒産の特徴においても以前と比べやや違った一面も出始めている。
帝国データバンク大宮支店は、過去を遡って埼玉県内における企業倒産の推移を調べ、あわせて、その特徴や景気との関連性について分析を行った。
■調査は、企業倒産の集計基準を変更(2005年4月)以降、1月~12月の1年ベースで比較できる2006年から2021年までの16年間を対象としている
調査結果
- 企業倒産の集計基準を変更して以降の2006年から2021年までの16年間において、件数最多は2009年の548件、最少は2021年の268件。負債総額が最大だったのは2008年の約1585億円、最小は2020年の約320億円
- 16年間について、各年における負債規模別の件数推移をみると、一貫して1000万円~5000万未満という小規模倒産が最も多い
- 同様に、各年における業種別の件数推移をみると、建設業が最多となる年が大半。しかし、件数全体の減少基調とともに建設業の倒産件数も減少し、直近の2021年は新型コロナの影響が大きく、サービス業が最多となる
- 倒産と景気の関係をみると、景気の良し悪しによって倒産件数が減少、増加といった相関が認められる。しかし、近年は政策効果により倒産が抑え込まれる傾向がみられ、倒産と景気との相関に微妙な変化が起きている
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