はじめに
2016年10月1日から20日にかけて最低賃金が改定された。2016年度の最低賃金の改定は、政府の「ニッポン一億総活躍プラン」や「経済財政運営と改革の基本方針2016」(骨太の方針)、「日本再興戦略2016」などを踏まえ、最低賃金が時給で決まるようになった2002年度以降で最高額の引き上げとなり、すべての都道府県で700円を上回ることとなった 。そのため、収入増加による消費活性化などが期待される一方で、人件費上昇による企業収益の悪化などが懸念されている。
そこで、帝国データバンク山形支店では、最低賃金の引き上げに関する企業の見解について調査を実施した。なお、本調査は、TDB景気動向調査2016年9月調査とともに行った。
■調査期間は2016年9月15日~9月30日、調査対象は221社で、有効回答企業数は112社(回答率50.7%)。
調査結果
- 最低賃金の改定を受けて給与体系を「見直した(検討している)」企業は32.1%となり、ドライバー不足など環境面を反映して「運輸・倉庫」が半数を占め、非正社員を多く抱える「小売」で4割を超えた。他方、「見直していない(検討していない)」企業は56.3%となった。
- 県内で従業員を実際に採用するときの最も低い時給は、本調査においては851円。最低賃金(717円)を134円上回る。
- 今回の引き上げ額について、「妥当」と考える企業が42.9%で最多。「妥当」は「高い」(9.8%)、「低い」(17.9%)を大きく上回り、総じて企業側に受け入れられている様子がうかがえる。
- 自社の業績に対する影響では、「影響はない」が58.9%で最多。「プラスの影響がある」は0.9%にとどまった一方、「マイナスの影響がある」は21.4%と2割を超えた。
- 今後の消費回復への効果について、「ある」と考える企業は7.1%にとどまる一方、「ない」は52.7%と半数を超えており、消費回復に対しては懐疑的な見方をする企業が多数を占めた。
詳細はPDFをご確認ください

Contact Usお問い合わせ先
担当部署
お問い合わせ先 株式会社帝国データバンク 山形支店 TEL:023-622-4301 FAX:023-622-4415