レポート経済ワンポイント解説(第32回)

2021年度は3年ぶりのプラス成長に転換。SDGsへの取り組みが景気回復を支える原動力に

2021/05/21
景気動向

名目成長率 2020年度-4.3%、2021年度+3.5%、2022年度+2.3%
実質成長率 2020年度-4.9%、2021年度+3.7%、2022年度+1.9%を予測

1.景気は2カ月連続で上向き

企業の景況感について、2021年3月のTDB 景気動向指数(景気DI)は2カ月連続で前月比プラス(2.2ポイント増)の38.0となった(図表1)。

3月の国内景気は、人の動きが徐々に活発化したことなどにより上向いた。在宅時間の増加にともなう自宅内消費の拡大が続いたほか、半導体関連や自動車関連などの需要増加はプラス材料となった。しかし、燃料など原材料価格の上昇は幅広い業種でマイナス要因となったほか、一部地域では営業時間の短縮による悪影響が表れた。

業種別では、『製造』が2カ月連続で改善した。特に、自動車部品などが含まれる「輸送用機械・器具製造」や半導体製造装置などを含む「機械製造」は大幅に上向いた。また、「化学品製造」もプラスチックやゴムなどの中国向け輸出が堅調であり、2カ月連続でのプラスとなった。他方、半導体工場の火災などを受け、世界的な半導体不足による影響を懸念する声も多く寄せられた。また、前年同月との仕入価格の変化を表す仕入単価DIは57.4と7カ月連続で上昇、木材や鋼材など原材料価格の高騰はマイナス要因となった。

2021年3月の国内景気は、緊急事態宣言の解除もあり経済が徐々に活発化し、2カ月連続で上向いた。

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