はじめに
全国において地銀の経営統合が相次ぐなか、公正取引委員会の企業結合審査の行方を含めて動向が注目されているふくおかフィナンシャルグループ(FFG)と長崎県を地盤とする十八銀行の経営統合は、2017年10月に予定されていた統合が再延期され、未だ実現が見通せない状況となっている。
帝国データバンクでは、地元における金融機関の存在感を示す一つの指標として、企業側が認識している「メーンバンク」を集計し、継続して発表している。金融機関同士の貸出競争が激化し、企業ごとの取引金融機関数も増加する中、メーンバンクが変化した企業も出てきている。
帝国データバンクでは、企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録)から、九州・沖縄地区(以下、九州)に本店を置き、取引金融機関が判明した16万6330社が「メーンバンク」と認識している金融機関を、地域別、業種別などに集計・分析した。集計対象は、協同組合や特殊法人などを含む全業種全法人で、個人経営も含む(倒産・解散した企業は除く)。
なお、本調査は2017年3月に続く8回目。
■各金融機関がメーンバンクとして実際に取引している企業数とは異なる。また、複数のメーンバンクが存在する場合は、最上位の金融機関を集計の対象とした
調査結果
- 金融機関別のメーンバンク企業数は福岡銀行が2万518社(構成比12.3%)で最多。シェアは前回調査から0.2ポイント増加し、2位の西日本シティ銀行(以下、西シ銀)との差を0.3ポイントに広げた。FFGと十八銀行の合算シェアは23.3%
- 県別にみると、福岡県では福岡銀行がシェアを拡大。長崎県内におけるFFGと十八銀行の合算シェアは85.5%で前回調査と変わらず。宮崎県と鹿児島県では互いのトップシェア行が県境をまたぎシェア拡大を図っている実態が見て取れる
- 業種別にみると、建設、卸売、小売では西シ銀がトップシェアを握る。福岡銀行は不動産業でシェアを伸ばす
- 資本金額別にみると、企業規模が大きくなるほど、各県トップシェア行のシェアが高まる
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