レポート100年経営企業

~勝ち残る企業の条件?

2022/04/30

 2022年に入ってもコロナ禍は収束に至らず、3年目を迎えた。さらに2月にはロシアによるウクライナ侵攻が発生。ロシアに対する経済制裁や両国が産出する資源・穀物・エネルギーの供給停滞などにより、世界経済は混迷の度合いを増している。

 これまでにもバブル崩壊、阪神淡路大震災、リーマンショック、東日本大震災など、国内の企業の存続基盤を揺るがす幾多の出来事が発生してきた。しかし、現在のように国、業種、企業規模を問わず広範な企業が打撃を受けることは久しくなかった。

 そのような中注目されるのが、幾多の戦乱や災害、疫病の流行を乗り越えてきた、長寿企業の存在だ。そこで本章では業歴100年を超える「100年経営企業」にスポットを当て、その特徴や動向について述べる。第1節では、帝国データバンク保有データの中から業歴100年を超える企業を抽出し、その全体像を見てみる。

1.長寿企業大国ニッポン

―100年経営企業数は3万7,550件

日本は、世界有数の長寿企業大国である。

帝国データバンクが保有する企業概要データベース「COSMOS2」において、業種が「公務」であるものを除いた企業・団体数は146万1,265件。そのうち創業・設立年が判明している企業は146万413社で、かつ業歴が100年を超えるものは3 万7,550 件(構成比2.6%)だった(図表1)。以下、これらを「100年経営企業」と呼ぶ。

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