はじめに
2013年以来、企業の景況感は格差の大きさを指摘されながらも回復基調をたどってきたが、2014年には転機が訪れた。4月に消費税率が引き上げられることが決まっていたため、直前に幅広い分野で駆け込み需要が発生。逆に、引き上げ後には反動減に見舞われた業界も多く、その影響は予想以上に長引いた。一方、円安の進行によるコスト高や有効求人倍率上昇に伴う人手不足など企業は新たな課題に直面。TDB景気動向調査によると、長野県の景気DIは4月に大幅に悪化。5月以降は緩やかに回復しつつあったが、8月~12月は5ヵ月連続で前月を下回る展開となった。
この間、県内主要企業の業績(売上高)はどう推移したのだろうか。帝国データバンクでは毎年2回、年(1月~12月)、年度(4月~3月)を対象とした「売上高ランキング(上位100社)」をまとめているが、今回2014年決算(2014年1月期~12月期)を対象としたランキングを作成・分析した。この集計には金融機関や事業協同組合などは含めておらず、連結決算を行っている場合でもすべて単体の売上高を採用している。なお、12月決算企業のうち、株主総会の終了していない企業の数字は決算案である。
当集計は、弊社の企業概要ファイル「COSMOS2」(県内約2万6000社収録)からの抽出及び取材により、3月11日現在で判明したデータに基づいて作成している。
調査結果
- 1上位100社の総額は4兆1644億1900万円、6年ぶりの4兆円台
2014年県内企業売上高ランキング上位100社の総額は4兆1644億1900万円となり、前年から9.6%増加した。前年を上回るのは2年連続。4兆円台突破は6年ぶり。なお、伸び率9.6%は、データ残る1990年以降で最大である。 - 2増収企業が83社、10%以上増は47社
上位100社中、増収となったのは83社に達した。前年の59社から24社、率にして40.7%増加している。10%以上増は47社、20%以上増は11社。 - 3売上高トップはセイコーエプソン、伸び率トップはエプソンダイレクト
2014年決算における売上高トップは7500億3400万円を計上したセイコーエプソン(株)(諏訪市)。また、伸び率トップは60.3%増のエプソンダイレクト(株)(松本市)だった。 - 4金額は全業種・全地区で増加
4業種・4地区別にみると、いずれの区分でも金額が増加している。業種別では「建設」(14.9%増)、地区別では「南信」(11.6%増)の伸び率が最も大きかった。
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