レポートハイグロースカンパニー2018

2018/06/28

内閣府によると2012年12月からの今回の景気回復期間は、2018年4月で65ヵ月となり、戦後2位のいざなぎ景気を超える長さとなった可能性が高い。実質GDPの変化では高度成長期と比べて今回の景気回復は穏やかな点が特徴といえる。

また、法人企業統計調査結果(財務省)によると企業収益は増収増益基調で推移しており、将来の成長を左右する設備投資も堅調に推移している。IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)など第4次産業革命などのイノベーションの進展が、今後、企業の生産性向上や新たなビジネス基盤の発展をもたらす可能性を秘めている。当節では、政府の未来投資政策のほか、設備投資状況、ハイグロースカンパニーの分析結果、支援機関・専門家や企業へのインタビューをもとに高い成長を遂げている企業の特徴を概観していきたい。

1.未来投資戦略にみる国の重点投資分野

まずは、日本の成長力について経済成長率の指標である実質GDPをもとに考察していきたい。内閣府が2018年6月に発表した2017年度の実質GDP成長率は前年度比プラス1.6%と3年連続のプラス成長となった(図表1)。

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