職人として成長するためには「親方について修業する」という徒弟制度のイメージが強い造園業界。中小企業が大半を占める同業界でいち早く社内外での研修を充実させ、若手職人の育成・定着に成功しているのが小杉造園である。国内外で技術指導に携わる小杉社長に、その取り組みを聞いた。
ー人材定着への取り組みを本格的に行うようになった背景をお聞かせください
当社は、東京都世田谷区で江戸時代から続く農家から発展し、植木・造園業を手がけるようになりました。昭和期には近隣に政財界著名人のご自宅も多く、お庭の手入れなど個人宅を中心とした地域密着型の植木屋でした。しかし、相続の問題などで個人宅の敷地が分割され小規模住宅やマンションに建て替わり、従来の需要が減少していきました。
一方で、マンションが次々と建設されて敷地内の造園や緑地管理という新しい市場が生まれ、現在、当社はこのマンション緑地管理の分野が主力です。
こうした造園業をめぐる環境変化や景気の好不調を経験するなか、国内需要が減少していくのではないかという危機感を常に感じてきました。近年は人口減少にともなう国内市場の縮小が大きな課題です。