レポート上場企業のコミットメントライン契約動向調査(2020年)

上場企業185社が締結、前年比4.6倍に急増 ~ コロナ禍で契約額は7.1倍に ~

2021/02/12

はじめに

コロナ禍を背景に、上場企業の資金調達に関連した情報開示が増えている。上場企業では、現時点において新型コロナによる重大な影響を受けていなくても、不確実要素が多いなか、手元資金に余裕をもたせようとする動きが多くなっているようだ。資金調達の手段は様々だが、近頃上場企業の適時開示情報でよく目につくのが「コミットメントライン契約」の締結。同契約の特徴は、企業が金融機関と契約を結び「あらかじめ設定された期間」かつ「融資枠内」であれば審査なしで融資を受けられる約束(コミット)をする契約で、金利とは別に手数料がかかるものの、必要に応じたスムーズな資金調達が可能になるとともに、金融機関と当該企業の関係性を判断するひとつの指標となる。

帝国データバンクでは2020年1月1日から2020年12月31日までの適時開示情報から、コミットメントライン契約の締結を公表した上場企業を集計した。


■同様の調査は2020年10月28日に続き今回が3回目

調査結果

  1. 2020年にコミットメントライン契約の締結を公表した上場企業は、185社で、前年(40社)比4.6倍と急増した。また、185社のうち新型コロナの影響への備えが理由であるとの記載があったのは108社。公表月別に社数をみると、5月(48社)が最多
  2. 185社のコミットメントライン契約の総額は3兆2605億円で前年(4610億円)比7.1倍となった。新型コロナへの備えを理由とした108社の契約金額は1兆6677億円。契約額別にみると、「100億円以上300億円未満」(5.0%→18.9%)が急増、「10億円未満」(20.0%→8.6%)が急減した
  3. 業種別に社数をみると、「サービス業」が48社(構成比25.9%)で最多。次いで「その他」41社(同22.2%)となった。契約金額は「製造業」(1兆4113億円)が最大となり、次いで「その他」(6946億円)となった
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