はじめに
日本銀行のマイナス金利政策による超低金利の長期化が響き、金融機関にとって厳しい経営環境が続いている。上場地方銀行の2020年4-9月期中間決算では、発表分のうち6割で最終損益が減益・赤字となった。各金融機関ではこれまで、店舗統廃合や人員削減を推し進めるコスト圧縮や、FintechなどIT化の推進、活動基盤の拡大に伴う越境融資など、攻防含めた生き残り策を続けてきた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大という想定外の事態に直面するなか、融資先企業の業績悪化などから与信費用が増加するなど、経営環境は一段と厳しくなっている。
折しも、菅義偉首相が「地銀は多すぎる」と述べるなど金融機関の再編圧力が高まり、生き残り競争が激化している。こうしたなか、長期で安定した資金供給や経営支援を通じた成長が期待できる取引企業の確保は、金融機関にとってこれまで以上に重要となってくる。
■帝国データバンクでは、2020年10月末時点の企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録、茨城県約2万9000社、特殊法人・個人事業主含む)をもとに、企業が「メインバンク」と認識する金融機関について抽出し、集計・分析した。また、一企業に複数のメインがあるケースでは、各企業が最上位として認識している金融機関をメインバンクとして集計した
■本調査は帝国データバンクが独自に調査・保有する企業概要データベース「COSMOS2」に収録された企業データであるため、各金融機関がメインとして認識する実数と異なる場合がある
調査結果
- 2020年のメインバンク社数トップは、「常陽銀行」(1万3466社、シェア 47.83%、前年比 0.19pt減)。以下、「筑波銀行」(5256社、シェア18.67%、前年比0.02pt増)、「茨城県信組」(3018 社、同10.72%、同0.01pt減)、「水戸信金」(2149社、同7.63%、同0.02pt 減)、「結城信金」(1089 社、同3.87%、同0.04pt減)となった
- 業態別では、「地方銀行」が69.58%で約7割を占めた。前年比では0.07pt減少したものの、2位「信用金庫」(12.93%)、3位の「信用組合」(10.81%)を大きく引き離す結果となった
- 業種別では、すべての業種で「常陽銀行」が1位。なかでも、「サービス」と「卸売」の2業種で5割超と「常陽銀行」の強さが際立った
- 売上規模別では、「5000万円未満」「5000万円~1億円未満」「1億円~5億円未満」「5億円~10億円未満」「10億円~50億円未満」「50億円以上」すべてで「常陽銀行」がトップとなった
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