レポート大阪府・本社移転企業調査(2019年)

大阪府への転入企業は160社、転出企業は237社 ~ 38年連続で転出超過 ~

2020/06/19

はじめに

市場環境の変化や人手不足、後継者不足など企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いている。そのようななか、近年大阪では好調なインバウンド需要に支えられ、緩やかながらも経済の回復基調が続いていた。2019年6月にG20大阪サミット2019が開催されたほか、2025年には大阪・関西万博の開催が予定されるなど、大阪の魅力発信によりビジネスチャンスの拡大は大いに期待されている。設備投資動向は、働き方改革の進展などにより生産性向上に向けた省力化・効率化需要などが見込まれる。他方で、帝国データバンクが毎月実施している「TDB景気動向調査」(2020年4月調査)によれば、近畿ブロックの景気DIは前月比6.5ポイント減の23.9と、単月の悪化幅としては前月に引き続き過去最大を記録。海外経済の減速や新型コロナウイルスなどによる先行きの不透明感が、設備投資動向へ悪影響を及ぼす可能性が懸念される。そのようななか、政府は「2020年度税制改正大綱」における大企業を対象とした設備投資の促進策を講じるほか、中小企業には新型コロナウイルスによる対策補助事業として設備投資支援などを進めている。

帝国データバンク大阪支社では、2019年に大阪府へ本社所在地の転入が判明した企業および大阪府から転出が判明した企業(個人事業主、非営利法人等含む)を、企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録)から抽出。移転年別と転入元・転出先、業種別、年商規模別に集計・分析を行った。

■本社とは、本社機能(事務所等)の所在する事業所を指し、商業登記の本店所在地と異なるケースがある

調査結果

  1. 2020年度に設備投資を行う予定(計画)が『ある』企業は53.6%で、2019年4月に実施した前回調査(63.3%)から9.7ポイント減少。調査開始以来、増加を続けていたが、初めての前年比減少となった(2017年度:51.8%、2018年度:62.5%)。規模別では、すべての規模で前年から減少。業界別では、特に『小売』や『建設』、『卸売』、『製造』の減少幅が大きい。他方、「予定していない」は38.7%で、同9.4ポイント増加した
  2. 転入元は、兵庫県が52社(構成比32.5%)で最多。以下、東京都(28社)、京都府(19社)、奈良県(10社)、滋賀県(6社)が続く。近畿5府県からの転入が56.3%を占めた。他方、転出先は、兵庫県が74社(構成比31.2%)で最多となった
  3. 業種別では、転出・転入企業社数ともにサービス業が最多。転出超過社数は製造業が28社で最多となった
  4. 年商規模別では、転入・転出企業社数ともに年商10億円未満の企業が約8割を占めた
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