はじめに
アフターコロナ時代の到来を機に、景気の回復が期待されてはいたが、物価高や人手不足、地政学的リスクの高まりなど、とりわけ中小企業を取り巻く環境は依然厳しい。こうしたなか、コロナ禍を機にリモートワークが普及したことで、本社をはじめ事業所の設置や移転に関しての考え方は従前に比べ大きく変化している。各種コスト高が進む昨今、賃料など間接経費の削減を目的としたオフィス移転の動きは、今後増えていく可能性がある。
帝国データバンク大宮支店は、2014年から2023年の10年間で都道府県をまたぐ本社所在地の移転(転入・転出)状況を、企業概要データベース「COSMOS2」(147万社収録)等から抽出。本社移転増減の都道府県別ランキングを作成し、あわせて、埼玉県の転入・転出企業数の推移、および、2023年単年の転入元や転出先、さらには業種、年商規模別の分析を行った。
■本分析に用いるデータは、帝国データバンク保有の企業概要ファイルCOSMOS2(2014年~2023年)をベースに、移転について確認できた年を企業移転(転入/転出)のタイミングとして扱っている。また、ここでいう本社所在地は、本社機能を有する事業所の場所を指し、商業登記の本店所在地と異なるケースもある
調査結果
- 2014年から2023年の10年間に、他の都道府県から埼玉県へ転入した企業は2098社、埼玉県から他の都道府県に転出した企業は1560社判明。転入超過数は538社となり、全国ランキングでは神奈川県に次いで2位。2023年単年の転入超過数は埼玉県が29社で2位
- 各年でみると、埼玉県の転入超過数で最も多かったのは2021年の111社。最少は2023年の29社。ここ2年で大幅に減少
- 2023年に埼玉県へ転入した企業の転入元は東京都が159社(前年比24社減)で最多。転出先も東京都が109社(同5社増)で最多となった
- 2023年に埼玉県へ転入した企業を業種別にみると、最も多かったのはサービス業で52社(前年比12社減)。転出企業もサービス業が45社(同12社増)で最多
- 2023年に埼玉県へ転入した企業の年商規模別では、最も多かったのが「1億円未満」で86社(前年比12社減)。転出企業は「1-10億円未満」が72社(同10社増)で最多
詳細はPDFをご確認ください

Contact Usお問い合わせ先
担当部署
お問い合わせ先 株式会社帝国データバンク 大宮支店 情報部 TEL:048-643-2146 FAX:048-645-7578