レポート特別企画 : 熊本県企業の倒産リスクに関する分析

熊本及び九州の『倒産予備軍』は高止まり ~ 「G8~G10」企業の割合は、円滑化法施行時に比べて0.9ポイント増 ~

2016/05/31
倒産・休廃業

はじめに

2013年3月に中小企業金融円滑化法(以下、円滑化法)が終了したが、その後も金融機関には「貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めること」が求められてきた。同法の終了後、貸付条件変更等の申込件数は減少傾向にあるものの、2014年10月から2015年3月までにおける貸付条件変更等の実行率(件数ベース、審査中・取り下げを除く)は96.9%にのぼり、同法は実質的に延長された状態が依然として続いている。

他方、中小企業再生支援協議会による「暫定リスケ」の“出口”を探る動きの本格化など金融環境の変化が予想されるなか、『倒産予備軍』の増加を懸念する声も高まっている。

そこで帝国データバンク熊本支店では、独自の情報と指標をもとに1年以内に倒産する確率を算出している「倒産予測値」(定性データのみによって算出した『CCRモデル』30万3,706社(2015年12月算出)をベースに、熊本県に本社を置く企業を対象に『CCRモデル』3,159社のデータを抽出し、時系列での動きや全国、九州・沖縄地区との比較・分析を行った。

なお、同様の調査は2015年3月に続く3回目。

■ 倒産予測値とは
帝国データバンクが保有する企業財務データや信用調査報告書などの定性データを同時に取り込み、1年以内に企業が倒産する確率の予測値を0~100%の範囲で算出する個別企業ごとのリスク指標。さらに算出された倒産予測値(%)に応じてG1~G10のグレードに区分。統計上、G1は信用リスクが最も小さく、G10が最も信用リスクが大きいことを表す。

調査結果

  1. 『熊本県』に本社を置く企業で、倒産予測値算出可能企業3,159社のうち、倒産リスクがかなり高いと判断される『G8~G10」に分布する企業の構成比は13.6%(430社)。2014年12月算出分より0.3ポイント低下して、全国より2.0ポイント低い。
  2. 中小企業金融円滑化法の施行時(2009年12月時点)との比較では、「G8~G10」ゾーンに分布する企業の構成比は、0.9ポイント増加。
  3. 『G8~G10』ゾーンに分布する企業の割合を県別にみると、『熊本県』(構成比13.6%・430社)は九州・沖縄で4番目に低い。
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