レポート新型コロナ関連融資に関する道内企業の意識調査

コロナ関連融資、企業の56.0%が活用 ~ 融資条件通り、全額返済できるとする企業が8割超 ~

2022/04/07
資金繰り  アンケート

はじめに

新型コロナウイルスの感染拡大で業績が大きく悪化した企業を支援する公的な制度として、政府系金融機関と民間金融機関による金利や返済条件が優遇されたコロナ関連融資制度が2020年5月に設けられた。特に、民間金融機関での実質無利子・無担保・据置最大5年・保証料減免などとともに、迅速な融資の実行が進められた。

そこで帝国データバンク札幌支店は、新型コロナ関連融資に関する現在の状況や方針などに関する道内企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2022年2月調査とともに行った。


■調査期間は2022年2月14日~2022年2月28日、調査対象は道内1066社で、有効回答企業数は577社(回答率54.1%)

調査結果

  1.   新型コロナ関連融資について、「借りていない」道内企業は39.9%だった一方、「借りた・借りている」は56.0%と半数を超えた。規模別では、「中小企業」のうち「小規模企業」で「借りた・借りている」が65.7%となり、「大企業」(30.5%)を35.2ポイント上回った
  2.   借りた資金の使い道では、給与・賞与や福利厚生などを含む「人件費」が49.8%でトップ。次いで、「原材料や商品の仕入れなど」(46.1%)、「設備の修繕・更新など」(31.9%)、「新規の設備投資や事業の拡張」(15.5%)が続いた
  3.   今後、借り入れ・追加融資の予定がない理由としては、「負債を増やしたくないから」(35.6%)と「業績が回復し、借りなくても資金繰りに困らないから」(31.8%)が3割台で高かった。以下、「売上高減少などの融資要件を満たしていないから」(16.8%)が2桁台で続いた
  4.   現在の返済状況について、企業の49.2%が条件通りに返済しており、さらに37.4%は今後返済が始まる予定。今後の返済見通しでは、企業の84.3%は「融資条件通り、全額返済できる」としている。一方で、「返済が遅れる恐れがある」(2.2%)、「金利減免や返済額の減額・猶予など条件緩和を受けないと返済は難しい」(3.2%)、「返済のめどが立たないが、事業は継続できる」(1.3%)、「返済のめどが立たず、事業を継続できなくなる恐れがある」(1.0%)など、今後の返済に不安を抱いている企業が7.7%にのぼった
  5.   コロナ関連融資は先が見通せない時期に保険としての役割を果たすと同時に、企業の資金繰りを下支えしていたことが示唆される
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