レポート

温室効果ガス排出抑制に対する愛知県企業の意識調査

「2050年カーボンニュートラル」、企業の6割超が達成に懐疑的 ~温室効果ガスの排出抑制に「取り組んでいる」83%、全国上回る~

はじめに

政府は「2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロ」を目標に掲げた。2021年度税制改正大綱や総合経済対策に「脱炭素」や「カーボンニュートラル」に関する項目が盛り込まれるなど、企業への支援策などが積極的に打ち出されている。また、世界的な機運の高まりを受けて、政府や自治体のみならず民間企業においても取り組み目標を掲げる動きも現れており、それぞれの対応がこれまで以上に注目されている。

帝国データバンク名古屋支店は温室効果ガスの排出抑制や削減に対する愛知県企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2020年12月調査とともに行った。

■調査期間は2020年12月16日~2021年1月5日、調査対象は愛知県に本社を置く1402社で有効回答企業数は631社(回答率45.0%)。なお、全国2万3688社で有効回答企業数は1万1479社(回答率48.5%)

調査結果

  1.   温室効果ガスの排出抑制に取り組んでいる愛知県企業は83.0%にのぼり、全国(82.6%)を0.4ポイント上回った。具体的な取り組み内容について尋ねたところ、「クールビズの実施(ウォームビズ含む)」(40.1%)が最も高い(複数回答、以下同)。次いで「省エネ」(37.7%)や「ハイブリッド車、電気自動車の導入」(32.2%)などが続いた
  2.   温室効果ガスの排出抑制に取り組む目的では、「法令順守」が51.9%で最多(複数回答、以下同)。電気料金などの「コストの削減」も51.5%と5割を超えた。また、「CSR(企業の社会的責任)の一環」、「SDGsへの対応」、「ステークホルダーとの良好な関係の構築」といった企業としての見られ方に関する項目では大企業で割合が高くなった
  3.   温室効果ガスの排出抑制への取り組みにおける課題では、「主導する人材(部署)がいない」(27.6%)が最も高くなった(複数回答、以下同)。また、「どこまで取り組めばいいのかわからない」(26.1%)、「取り組むためのノウハウやスキルがない」(23.3%)も2割台で続いており、取り組みを進めていく上でノウハウが不足している様子が窺える結果となった
  4.   政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」目標に対して、日本全体における達成可能性を尋ねたところ、「達成可能」と考えている愛知県企業は16.3%となり、全国(15.8%)を0.5ポイント上回った。一方で、「達成は困難」とした企業は42.2%、「達成できない」は19.7%となり、6割超の企業が「2050年カーボンニュートラル」の達成は難しいと考えていることが明らかとなった
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