レポート

第14回大阪府下メインバンク調査(2022年)

メガバンク離れが加速 ~ 脱コロナで問われるメインバンク力 ~

はじめに

超低金利による貸出金利の低下など金融機関は厳しい経営環境が続くなか、地方銀行を中心に再編の動きが活発化している。10月には愛知銀行と中京銀行による持ち株会社「あいちフィナンシャルグループ(FG)」が発足。11月には、ふくおかFGと福岡中央銀行が経営統合に向け基本合意に達し、同グループ最大の経営基盤となる福岡県下で勢力を拡大させた。

コロナ禍で疲弊した中小企業への支援が、資金繰りから企業再建へと移るなか、経営再建や事業承継、取引先の新規開拓など、経営の様々な場面で地域金融機関に求められる役割が増している。金融機関によってはゼロゼロ融資などで、積極的に地域密着型の経営を選択する傾向もあるなか、金利以外の魅力度を高めた金融機関が様々な課題を持つ企業から幅広い支持を得る形となり、今後メインバンクシェアに変化が訪れる可能性がある。

帝国データバンク大阪支社では、2022年10月末時点の企業概要ファイル「COSMOS2」に収録されている大阪府下企業(105,962社)がメインバンクと認識している金融機関について抽出し、集計した。なお、調査対象は全業種全法人で、個人経営も含む。同調査は2021年12月に続き14回目。


■本調査は「COSMOS2」に収録されている企業のデータであるため、各金融機関がメインとして取引している実数とは異なる。また、一企業に複数のメインがあるケースでは、企業が最上位として認識している金融機関を集計した

調査結果

  1. 大阪府下メインバンクは「三井住友銀行」が3年連続首位、「三菱UFJ銀行」が124社差で2位。メガバンクのシェアを地方銀行、信用金庫が奪取する傾向はここ数年続いており、メガバンクから地域金融機関へのシフトは今回も鮮明に表れた
  2. 地域別では「三菱UFJ銀行」が2地区、「三井住友銀行」が1地区でトップ。大阪北地区は6年連続で「北おおさか信金」が首位。大阪南地区では上位が社数を伸ばすなど激戦区となっている
  3. 業種別では、「三井住友銀行」が4業種でトップ、「三菱UFJ銀行」は3業種でトップとなり、すべての業種でこの2行が上位を独占。一方で「建設業」では「関西みらい銀行」が業種別で初の2位となった
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