レポート

TDB景気動向調査2026年10月(北陸ブロック:新潟・富山・石川・福井)

■北陸ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

44.2

0.4

5カ月連続で改善、2023年5月以来のDI44

・概況

『北陸』の景気DIは、2023年5月以来3年5カ月ぶりに44台に到達した。「企業活動が全般的に活発化」(サービス)、「建設機械は輸出好調、前年比1~2割の増産」(鉄鋼・非鉄)、「AI、データセンター向けの投資で景況感は上昇」(機械製造)、「サイバーリスクで対象商品の契約が増加」(金融)との声があった。もっとも、「原材料費高騰で計画見直し、キャンセルが発生」(建設)、「価格転嫁が追いつかない」(精密機械)と厳しい声も。また、「若手が担っていた作業がAIに代替」(サービス)との指摘もあった。

・景気DI

『北陸』の景気DIは44.2(前月比0.4ポイント増)と5カ月連続で改善し、2023年5月以来の44台に回復。全国10ブロック中では第5位。(8月4位→9月5位)。「石川」は5カ月連続で全国第2位。「富山」が15位(前月8位)へ後退、「新潟」が32位(同34位)、「福井」が33位(同41位)へ上昇。

・規模別DI

「大企業」が48.6(前月比1.2pt減)と4カ月ぶりに悪化。2019年年初の水準に回復していただけに、騰勢に一服感が出た。一方、「中小企業」は43.4(同0.6pt増)と5カ月連続で改善し、2023年6月以来の水準に回復。「うち小規模」も41.9(同0.3pt増)と2カ月連続で改善。

・業界別DI

『建設』が48.1(前月比1.1pt増)と2カ月連続で改善し、『金融』が50.0(同1.4pt増)、『製造』が46.8(同2.6pt増)とそれぞれ2カ月ぶりに改善。『製造』は2019年2月以来、7年8カ月ぶりの高水準となっている。一方、『卸売』が36.7(同1.4pt減)と5カ月ぶりに悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が44.7(前月45.4)、「6カ月後」が45.0(同45.3)、「1年後」が46.0(同45.7)と、短・中期は前月との比較で悪化、長期は改善した。今月を基点とすると3指標いずれも改善基調を維持する見通しだ。業種別では『金融』『卸売』『小売』、規模別では中・小規模の改善基調が強い。

■新潟県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.4

0.3

コロナ禍前の水準に回復しその基調を維持

・概況

「新潟」の景気DIはコロナ禍前の水準に回復、その基調を維持した。製造業を中心に世界的なAIブーム、データセンター建設の恩恵が及んでいる。反面、今後については「AI投資の減速が懸念材料」(機械製造)との声も。また、「アパレルは国内生産縮小の一途」(繊維製品製造)、「金型の価格はむしろ下がっている」(金型製造)、「米価下落が生産者を起点に広範囲に影響」(卸売)、「労働集約型産業では10月からの最低賃金引上げが重荷」(サービス業)、「消費減税の予想がつかない」(食品製造)と、恩恵が及ばない産業も多い。

・景気DI

「新潟」の景気DIは42.4(前月比0.3ポイント増)と3カ月連続で改善。コロナ禍前、2019年半ばの水準に回復しその基調を維持している。全国順位は32位(7月35位→8月32位⇒9月34位)。首位は43カ月連続で「沖縄」、2位は5カ月連続で「石川」、3位は「長野」。最下位は4カ月連続で「宮崎」。

・規模別DI

「大企業」が50.7(前月比2.2pt減)と3カ月ぶりに悪化したが、50台は維持。依然として非常に高い水準(前月の52.9は2002年5月の調査開始以来、過去最高)にある。一方、「中小企業」は41.3(同0.5pt増)と3カ月連続で改善した。「うち小規模」は38.8(同1.1pt減)と悪化。

・業界別DI

『製造』が46.0(前月比2.8pt増)と6カ月連続で改善した。2018年12月以来、7年10カ月ぶりの高水準。昨年5月の最低値28.0からの上昇幅は18ptに達した。『建設』『小売』も小幅ながらそれぞれ3カ月連続で改善。『運輸・倉庫』も改善した。反面、『金融』『サービス』が2カ月連続で悪化。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が42.7(前月43.6)、「6カ月後」が43.9(同43.7)、「1年後」が45.0(同44.5)と、前月との比較では短期で悪化し中・長期は改善した。今月を基点とすると、今後1年緩やかな改善傾向が続くと見込まれている。業種別では『金融』『卸売』の基調が強く、規模別では中・小規模が堅調。

■富山県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

44.7

-1.3

6カ月ぶりに悪化

・概況

「富山」の景気DIは前月比1.3ポイント減の44.7に悪化し、全国順位は前月の8位から15位に低下した。一方、『北陸』は44.2に改善し、全国DIも45.0に改善した。「受注が多く追いつかない」(機械製造)、「LPガスメーター交換需要期」(精密機械)などの声が聞かれた一方、「米価の低迷」(農・林・水産)、「材料高で注文数量減少」(化学品製造)などの声もあった。いずれにせよ、富山の景気DIは楽観視できる状況になく、今後も状況を注意深く見守って行く必要があろう。

・景気DI

「富山」の景気DIは、前月比で1.3ポイント減の44.7と前月から悪化した。一方、「新潟」「石川」「福井」はともに改善し、『北陸』のDIは前月比0.4ポイント増の44.2と前月比で改善し、全国もDI45.0と前月比で改善した。「富山」の都道府県別順位は前月8位から15位へランクダウンした。

・規模別DI

「大企業」(46.3)は前月比で1.7ポイント減、「中小企業」(44.4)は同1.1ポイント減、「小規模企業」(41.0)は同1.8ポイント減と、全ての規模で悪化した。「大企業」と「中小企業」の規模間格差は1.9ポイント(前月2.5ポイント)に縮小した。

・業界別DI

10業界中、前月比悪化は『農・林・水産』『建設』『卸売』『小売』『運輸・倉庫』『サービス』の6業界となったほか、同改善は『製造』の1業界のみにとどまった。景気判断の分かれ目となるDI50以上となったのは1業界(前月4業界)のみである。

・先行き見通しDI

「3カ月後」(前月比1.1ポイント増)、「6カ月」(同1.0ポイント増)「1年後」(同3.1ポイント増)と、改善する見通しとなった。業界別では『農・林・水産』『建設』『小売』『運輸・倉庫』『サービス』など幅広い業界で先行きに対する期待感が窺えた。一方、『卸売』はやや不安感が払拭できない結果となった。

■石川県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

50.4

1.5

2019年3月以来の50超え

・概況

「石川」の景気DIは、前月比1.5ポイント改善の50.4で、2019年3月以来7年7カ月ぶりに50を上回った。先行きの見通しを示す3指標もともに50以上で、景気は回復基調にあるとみられる。『不動産』や『小売』で悪化した一方、大手建機メーカーの増産に伴う受注増などによって『製造』が引き続き堅調に推移しているほか、復興特需に伴う『建設』の好業績が下支えしている。多少の増減はありつつも景気は回復基調とみられ、この傾向がどの程度維持されるか、県内の景気動向は注視が必要であろう。

・景気DI

「石川」の10月の景気DIは、前月比1.5ポイント改善の50.4となった。2019年4月以降低迷が続いたが、7年7カ月ぶりに分水嶺を超える水準となった。全国的にも改善傾向となったものの都道府県順位は5カ月連続の2位を維持。引き続き大手建機メーカーの増産に伴う受注の増加や復興特需の影響があげられる。

・規模別DI

「大企業」は前月比5.8ポイント悪化、「中小企業」は同比2.8ポイント改善し、両者の格差は同比8.6ポイント縮小、「中小企業」が「大企業」を2.1ポイント上回った。「中小企業」「小規模事業者」ともに2カ月ぶりの改善でともに分水嶺の50を上回った。両指標が50をともに上回るのは2018年12月以来。

・業界別DI

8業界のうち改善は5業界、悪化が3業界となった。『金融』では好決算対策の機運が高まってきているとして大きく改善。近時低迷している『サービス』で2カ月ぶりの改善となった。一方、『不動産』が前月比11.2ポイント悪化したほか、飲食料品の値上げが続く『小売』でも同比7.4ポイント悪化となった。

・先行き見通しDI

先行き見通しは、2018年6月以来8年4カ月ぶりに3指標ともに50以上となった。6カ月後では2023年7月以降長らく低迷が続いていたため久方ぶりの50超え。3カ月後をピークに1年後まで緩やかな低下傾向がみられるものの、前年同月比がともに大幅な改善で景気回復への期待が表れている。

■福井県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.9

1.4

2カ月ぶりの改善

・概況

「福井」の景気DIは2カ月ぶりの改善となり、過去1年で最も高いものとなった。「金利上昇による恩恵に加え、サイバーリスクに対する需要が発生」(金融)、「北米や欧州向けを中心に輸出が好調」(製造)など、一部業界では円高や金利上昇を歓迎する声が聞かれた。一方、「勝ち組と負け組の二極化」(卸売)、「材料高・金利上昇で計画の見直しやキャンセルが発生」(建設)をはじめ、改善がみられた建設業界でもマイナス意見が出るなど、各業界において格差が拡大している感は否めない。

・景気DI

「福井」の10月景気DIは41.9となり、前月比で1.4ポイント改善、前年同月比でも0.2ポイントの改善になった。都道府県別順位は33位と前月(41位)より上昇したが、前年同月(32位)比では低下する結果となった。業界別では『卸売』が悪化したものの、『金融』『建設』『製造』『小売』で改善がみられた。

・規模別DI

「大企業」の10月景気DIは47.8で前月比3.9ポイント改善、「中小企業」も40.6と同1.1ポイント改善しており、『うち小規模企業』は41.0で同2.1ポイントの改善になった。なお、「大企業」と「中小企業」との格差は7.2で、前月比2.8ポイント拡大した。

・業界別DI

比較可能な7業界のうち、景気DIが改善したのは4業界、横ばいが2業界、悪化が1業界であった。『金融』『建設』『製造』『小売』が改善となり、なかでも『金融』は前月比8.3ポイントと大幅に改善した一方、『卸売』は同6.7ポイントと大きく悪化した。

・先行き見通しDI

『3カ月後』は42.2に改善、『6カ月後』は41.9とやや悪化する見通しながら、『1年後』は42.6と改善に転じるとの見方になった。業界別では、『建設』『サービス』で1年後まで悪化が続く見通しであったが、他の業界では一進一退との見方を示す意見が多かった。

「北陸ブロック(2026年10月)」の詳細(新潟・富山・石川・福井)