レポート

TDB景気動向調査2026年9月(北陸ブロック:新潟・富山・石川・福井)

■北陸ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.8

0.2

4カ月連続で改善、2023年の水準に回復

・概況

『北陸』の景気DIは4カ月連続で改善。「AI需要で半導体、データセンター関連の受注が増加」(鉄鋼・非鉄)、「建設機械の生産、販売は前年比1割増、欧米向けの輸出が非常に好調」(同)、「景況感は長らく低迷してきたが、“底上げ”が始まっている」(食品小売)と全体的な景況感の改善についても肯定的な声がある。「金利上昇でご案内できる商品が増えてきた」(金融)とのコメントも。もっとも温度差は大きく消費不振や物価高を指摘する声は相変わらず多いほか、建設業、サービス業などで苦戦の声が目立った。

・景気DI

『北陸』の景気DIは43.8(前月比0.2ポイント増)と4カ月連続で改善、2023年半ばと同等の水準に回復している。全国10ブロック中の順位は第5位。(6月4位→7月7位→8月4位)。「石川」が4カ月連続で全国第2位となり、「富山」が8位(前月11位)、「福井」が41位(同31位)。

・規模別DI

「大企業」が49.8(前月比1.7ポイント増)と3カ月連続で改善し、2019年年初の水準に回復。「中小企業」も42.8(同0.1pt増)と4カ月連続で改善、「うち小規模」も41.6(同1.8pt増)と6カ月ぶりに40台に回復したが、規模間格差は7.0(前月5.4)に拡大した。

・業界別DI

『卸売』が38.1(前月比1.3ポイント増)と4カ月連続で改善したほか、『建設』『小売』『運輸・倉庫』などが改善した。特に『運輸・倉庫』は直近1年間の低迷から浮上している。『不動産』の改善基調も強い。『金融』『サービス』は2カ月ぶりに悪化。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が45.4(前月45.1)、「6カ月後」が45.3(同44.0)、「1年後」が45.7(同45.1)と、3指標いずれも前月比で改善。今月との比較でも3指標とも改善の見通しで、業種別では『製造』『卸売』『小売』の改善基調が強い。規模別では「大企業」~「うち小規模」のいずれも改善の見通し。

■新潟県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.1

0.5

2カ月連続で改善、コロナ禍前の水準に回復

・概況

「新潟」の景気DIはコロナ禍前の水準に回復した。「半導体製造装置やデータセンター向けの受注が増加」(鉄鋼・非鉄)、「スポット案件が複数あり、非常に多忙」(機械製造)、「売り上げは前年比増」(飲食店)と大企業・製造業の好況が全体に波及している。もっとも、「相変わらず先行き不透明感は強い」(建設)、「スーパーに対して値上げが通らなくなってきた」(食品製造)、「燃料費、電気代、あまりに補助金に左右され過ぎる」(化学)、「低迷は脱したが数年前のピークからは程遠い」(輸送機器)と弱気なコメントはなお多い。

・景気DI

「新潟」の景気DIは42.1(前月比0.5ポイント増)と2カ月連続で改善。DI42台は2019年6月以来、7年3カ月ぶり。コロナ禍前の水準に回復した。全国順位は34位(7月35位→8月32位)。首位は42カ月連続で「沖縄」、2位は4カ月連続で「石川」、3位は「大分」。最下位は3カ月連続で「宮崎」。

・規模別DI

「大企業」が52.9(前月比2.9ポイント増)と2カ月連続で大幅な改善。DI52台は2002年5月の調査開始以来、過去最高。「中小企業」は40.8(同0.4pt増)と2カ月連続の改善、「うち小規模」も39.9(同4.1pt増)と大幅に改善したが、大企業と中小企業の規模間格差は12.1に拡大。

・業界別DI

『製造』が43.2(前月比0.6pt増)と5カ月連続で改善した。DI43は2021年12月以来、5年9カ月ぶりの高水準。『建設』『卸売』『小売』もそれぞれ2カ月連続で改善した。『運輸・倉庫』は3カ月連続で横ばいの44.4。『金融』『サービス』は2カ月ぶりに悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が43.6(前月43.4)、「6カ月後」が43.7(同42.5)、「1年後」が44.5(同43.9)と3指標いずれも前月比で改善した。今月との比較でも3指標とも改善する見通し。業種別では『製造』『卸売』『小売』『運輸・倉庫』、規模別では「中小企業」「うち小規模」が改善基調。

■富山県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

46.0

0.7

5カ月連続で改善

・概況

「富山」の景気DIは前月比0.7ポイント増の46.0に改善し、全国順位は前月の11位から8位に上昇した。「北陸」は43.8に改善し、全国DIは44.6と横ばいとなった。「仕事はたくさん出ている」(建設)、「富山県全体に宿泊数が伸びている」(旅館)などの声が聞かれた一方、「慢性的な人材不足」(サービス)、「原材料価格が高騰」(精密機械製造)などの声もあった。いずれにせよ、富山の景気DIは連続改善ながら楽観視できず、今後の動向は注意深く見守って行く必要があろう。

・景気DI

「富山」の景気DIは前月比で0.7ポイント増の46.0と前月から改善した。石川、福井はともに悪化したものの、新潟は改善し、『北陸』のDIは前月比0.2ポイント増の43.8と前月比で若干改善した。全国は前月比横ばいの44.6となった。「富山」の都道府県別順位は前月11位から8位へランクアップした。

・規模別DI

「大企業」(48.0)は前月比で2.4ポイント増、「中小企業」(45.5)は同0.3ポイント増、「小規模企業」(42.8)は同0.8ポイント増と全ての規模で改善した。「大企業」と「中小企業」の規模間格差は2.5ポイント(前月0.4ポイント)に拡大した。

・業界別DI

10業界中、前月比悪化は『農・林・水産』『製造』の2業界となった一方、同改善は『建設』『卸売』『小売』『サービス』の4業界となった。景気判断の分かれ目となるDI50以上となったのは4業界(前月4業界)であった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」(前月比2.5ポイント)、「6カ月」(同2.5ポイント増)「1年後」(同2.7ポイント増)と、改善する見通しとなった。業界別では、『建設』『製造』『卸売』『小売』『サービス』など幅広い業界で先行きに対する期待感が窺えた。一方、『農・林・水産』はやや不安感が払拭できない結果となった。

■石川県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

48.9

-0.5

4カ月連続の改善ならずも前年同月を大きく上回る

・概況

「石川」の景気DIは、前月比0.5ポイント悪化の48.9で、4カ月連続の改善とはならなかったものの、前年同月比では4カ月連続の改善で、全国2位を維持した。『サービス』が芳しくない一方、大手建機メーカーからの受注が堅調に推移しているほか、復興特需に伴う建設業の好業績に加え、昨年より米価が下がったことによる小売業への好影響も聞かれた。一方中東情勢の影響は続いており飲食料品の値上げ品目数が増加しているほか、全国で相次ぐ自然災害の影響は看過できず、県内の景気動向は注意深く見守る必要があろう。

・景気DI

「石川」の9月の景気DIは、前月比0.5ポイント悪化の48.9となった。前月まで3カ月続いた改善基調もいったん小休止。それでも都道府県順位は4カ月連続で2位となった。引き続き大手建機メーカーからの堅調な受注や復興特需の影響のほか、米価が適正価格へ下がったことによる小売業の好調があげられる。

・規模別DI

「大企業」は前月比3.1ポイント改善、「中小企業」は同比1.2ポイント悪化し、両者の格差は同比4.3ポイント拡大の6.5となった。「中小企業」、「小規模企業」ともに4カ月ぶりの悪化となったものの、ともに前年同月を大きく上回った。先行きの見通しは3カ月後が全グループで悪化した。

・業界別DI

8業界のうち改善は3業界、横ばいが2業界、悪化が3業界。『建設』『卸売』で2カ月連続の悪化となった一方、『不動産』『小売』は前月の悪化から大幅な改善となった。『製造』は4カ月連続の改善で50を上回った。全業種で最も高かったのは『運輸・倉庫』と『不動産』で、『運輸・倉庫』は2カ月連続で50を上回った。

・先行き見通しDI

先行き見通しは、前月50を上回った3カ月後で前月比1.9悪化した。6カ月後は横ばい、1年後は前月比0.6改善し、前年同月比では2カ月連続で全指標改善となった。特に直近3カ月後および6カ月後の見通しは、前年同月比がともに大幅な改善となっており、景気回復への期待が表れている。

■福井県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.5

-1.3

5カ月ぶりの悪化

・概況

「福井」の景気DIは4カ月連続して改善が続いていたが、5カ月ぶりの悪化となった。「公共工事の減少に加えて、民間の工事も伸び悩んでいる」(建設)、「金利上昇は追い風だが、業界再編の動きから先行きは不透明」(金融)など、地域や国内の情勢により各業界を取り巻く環境は一進一退となっている。また、「災害特需があるものの、商圏の需要に対してオーバーストア」(小売)、「勝ち組・負け組が混在している」(卸売)など、業界内における格差拡大を懸念する意見も多く聞かれた。

・景気DI

「福井」の9月景気DIは40.5となり、前月比で1.3ポイント悪化、前年同月比でも0.1ポイントながら悪化した。都道府県別順位は41位と前月(31位)より低下、前年同月(36位)比でも低下した。業界別では『建設』『製造』『小売』『サービス』が悪化した一方、『卸売』『運輸・倉庫』で改善がみられた。

・規模別DI

「大企業」の9月景気DIは43.9で前月比1.7ポイント悪化、「中小企業」でも39.5で同1.3ポイント悪化しており、「小規模企業」でも38.9で同0.5ポイントの悪化となった。なお、「大企業」と「中小企業」との格差は4.4で、前月比0.4ポイント縮小した。

・業界別DI

比較可能な7業界のうち、景気DIが改善したのは2業界、横ばいが1業界、悪化が4業界であった。『建設』『製造』『小売』『サービス』で悪化がみられ、なかでも『建設』は前月比5.1ポイントと大きく悪化した。一方、『運輸・倉庫』は前月比5.5ポイントと大きく改善、『卸売』も同4.2ポイント改善した。

・先行き見通しDI

『3カ月後』は42.7に改善、『6カ月後』は42.5とやや悪化する見通しながら、『1年後』は42.7と再び改善に転じるとの見方になった。業界別では、『製造』『卸売』で1年後まで改善が続くとの見方だが、他の業界では1年後の悪化を予想する見方が強かった。

「北陸ブロック(2026年9月)」の詳細(新潟・富山・石川・福井)