レポート

TDB景気動向調査2026年9月(中国ブロック:鳥取・島根・岡山・広島・山口)

■中国ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.2

0.8

4カ月連続で改善

・概況

『中国』の景気DIは、4カ月連続で改善、全5県が改善したことで全国10ブロック別の順位は7位にアップした。県別では「島根」「山口」は5カ月連続、「広島」は4カ月連続で改善。業界別では観光関連で恩恵のある『サービス』『卸売』が4カ月連続で改善した。一方で原材料高や飲食料品の値上げに苦慮する声は多く、金利上昇による不動産市況への先行き不安視から、景気は力強さを欠く推移が見込まれる。

・景気DI

『中国』の景気DIは43.2で4カ月連続で改善した。「島根」「山口」は5カ月連続、「広島」は4カ月連続で改善した。「鳥取」「岡山」は2カ月ぶりに改善、「鳥取」は9カ月ぶりの40台となった。「広島」(44.2)は中国ブロックで最も高かったが、「全国」(44.6)より0.4ポイント低かった。全5県の改善もあって全国10ブロック別の順位は9位から7位にアップした。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.1ポイント減の44.5で、2カ月連続で悪化した。一方、「中小企業」は1.1ポイント増の43.0、うち「小規模企業」は1.8ポイント増の41.3で、それぞれ4カ月連続で改善した。「小規模企業」は7カ月ぶりに40台に回復。「大企業」と「中小企業」の格差は1.5で、2カ月連続で縮小した。

・業界別DI

6業界が改善、3業界が悪化となった(その他を除く)。『サービス』(48.5)、『卸売』(42.9)は4カ月連続で改善した。『運輸・倉庫』(44.6)、『製造』(42.9)は2カ月ぶりに、『農・林・水産』(39.6)は3カ月ぶりに改善した。一方、前月改善した『建設』(40.9)、『不動産』(38.9)、『小売』(38.3)は悪化に転じた。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は前月比0.4ポイント増の45.2、「6カ月後」は横ばいの45.0、「1年後」は0.1ポイント減の45.1となった。業界別では、『農・林・水産』『金融』『サービス』が3指標すべてで改善。一方、『建設』『不動産』『製造』は3指標すべてで悪化した。

■広島県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

44.2

0.1

4カ月連続で改善

・概況

「広島」の景気DIは、4カ月連続で改善し、全国順位を15位に押し上げた。規模別では「大企業」「小規模企業」が改善し、業界別では観光関連で恩恵のある『サービス』『卸売』の改善が寄与した。ただ、先行き見通しでは3指標すべてが悪化し、業界別では金利上昇による市況悪化を懸念する『建設』『不動産』が3指標すべて悪化。また、原材料高や飲食料品の値上げに苦慮する声は多く、景気は力強さを欠く推移が見込まれる。

・景気DI

「広島」の景気DIは44.2で、微増ながら前月比0.1ポイント増で4カ月連続で改善した。前年同月比では1.4ポイント高かった。9カ月連続で「全国」(44.6)を下回ったものの、差は0.4ポイントに縮小した。中国5県では最も高く、都道府県別の順位は前月の17位から15位に上昇した。

・規模別DI

「大企業」は前月比0.5ポイント増の46.1で、2カ月ぶりに改善。「中小企業」は横ばいの43.8、うち「小規模企業」は0.9ポイント増の44.1で4カ月連続で改善した。「大企業」と「中小企業」の格差は2.3となり、前月から0.5ポイント拡大。

・業界別DI

3業界が改善、4業界が悪化、2業界が横ばいとなった(その他を除く)。『サービス』(48.0)、『卸売』(45.2)はそれぞれ4カ月連続で、『運輸・倉庫』(43.9)は2カ月ぶりに改善した。一方、『建設』(38.2)は7.5ポイントの大幅減で4カ月ぶりに悪化、『不動産』(45.2)、『製造』(44.2)、『小売』(39.7)も悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は前月比0.2ポイント減の46.1、「6カ月後」は1.1ポイント減の45.9、「1年後」は1.3ポイント減の46.4となり、それぞれ4カ月ぶりに悪化した。規模別では「中小企業」が、業界別では『建設』『不動産』『製造』の3業界が3指標とも悪化した。一方、『サービス』は3指標ともに改善。

■鳥取県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.9

2.3

ふたたび改善

・概況

「鳥取」は前月から改善したものの、全国順位は40位にとどまっている。今月も『全国』を上回ることはなく、57カ月連続で『全国』を下回っている。業界を問わず懸念の声として多いのは、物価上昇に対する価格転嫁や物価上昇と賃金上昇の差を埋められず消費が冷え込むなど、価格変動にともなうものが多い。今後も、価格変動が続くものとみられ、企業の業態や商流を変えていく必要性があるため、暫くは一進一退で推移するものと思われる。

・景気DI

「鳥取」は前月比2.3ポイント増の40.9と9カ月ぶりに40台に回復した。『中国』は4カ月連続改善し43.2となった。『全国』は前月と同じ44.6となった。「鳥取」は全国との格差が3.7ポイントに縮小したが、全国順位は前月から5ランクアップの40位となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比8.3ポイント増の50.0、「中小企業」は同1.9ポイント増の40.4となったために規模間格差は9.6に拡大した。「うち小規模」は前月同様の40.2となり、全体的に改善傾向がみられた。

・業界別DI

前月から悪化したのは『建設』、『小売』の2業界で、『金融』、『製造』、『卸売』、『サービス』の4業界で改善した。『小売』は3カ月連続の悪化となり、物価上昇による消費の減退を懸念する声が多かった。『建設』は再び30台となり材料高による受注減がみうけられる。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は前月比1.1ポイント増の43.6、「6カ月後」は同3.3ポイント増の43.6、「1年後」は同2.0ポイント増の43.9となり、3指標ともに前月から改善した。『全国』、『中国』ともに現状より先行きは改善する傾向があるものの、力強さはみられなかった。

■島根県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.2

1.4

5カ月連続で改善

・概況

「島根」の景気DIは5カ月連続で改善し、2025年11月以来10カ月ぶりに42台となった。しかし、全体の数字が上がっているため、都道府県順位は低いままである。中国5県で見ても、全県で改善したため、山陰2県の改善幅は大きいものの水準は依然として低い。先行き見通しも低さが目立っており、企業からは、「6カ月後、1年後は好材料に乏しい」、「金利の上昇によるマイナス要因が非常に大きい」と先行きに対する不安の声も聞かれる。

・景気DI

「島根」の景気DIは前月比1.4ポイント増の42.2となり、5カ月連続して改善、2026年に入って最も高い数値となった。『中国』も4カ月連続で改善し、DIは同0.8ポイント増の43.2となった。都道府県順位は前年同月から横ばい33位であった。

・規模別DI

「大企業」が前月比1.4ポイント減の37.5となり、「中小企業」が同1.5ポイント増の42.4、「うち小規模」が同2.1ポイント増の40.2となった。「中小企業」は3カ月連続の改善となったものの、「大企業」は3カ月連続の悪化となった。また、「うち小規模」は10カ月ぶりの40台となった。

・業界別DI

前月と比較可能な10業界中、4業界が改善、4業界が横ばい、2業界が悪化した。『小売』が前月比1.7ポイント減の33.3と依然として低く、『建設』が同0.3ポイント減の44.9と比較的高い水準ながら悪化した。『サービス』は同3.3ポイント増の48.9と大きく改善した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は44.3(前月42.2)、「6カ月後」は43.1(前月42.3)、「1年後」は42.7(前月42.3)となり、3指標とも前月より改善したものの、「6カ月後」「1年後」の改善幅が小さく、他県と比較しても低い水準にあり、先行きに対する見通しの悪さがうかがえる。

■岡山県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.9

0.6

2カ月ぶりに改善

・概況

「岡山」の景気DIは、前月比0.6ポイント増の42.9となり、横ばいを挟み2カ月ぶりに改善した。『運輸・倉庫』が3.7ポイント増の40.7と7カ月ぶりに40台を回復したほか、『サービス』が2カ月連続で50台を維持した。一方で、中東情勢の緊張緩和が見通せず、『卸売』『小売』は一進一退の状況が続いている。中東情勢は先行き不透明な状況にあるなか、値上げラッシュは今秋にピークを迎える見通しであるほか、円安、金利上昇など、地元企業の経営環境は依然として厳しいため、当面は現状程度の景況感が続くであろう。

・景気DI

「岡山」の景気DIは、前月比0.6ポイント増の42.9となり、2カ月ぶりに改善した。『全国』は同横ばいの44.6となったため、『全国』との差は2.3から1.7に縮小したが、10カ月連続で『全国』を下回った。47都道府県別の順位は前月と変わらず29位、中国5県においても同じく3位となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比4.7ポイント減の44.7となり、2カ月ぶりに悪化した。「中小企業」は同1.8ポイント増の42.6となり、2カ月ぶりに改善、うち「小規模企業」は同1.9ポイント増の39.3となり、3カ月ぶりに改善した。「大企業」の悪化幅が大きく、「中小企業」との格差は8.6から2.1に縮小した。

・業界別DI

9業界中、「改善」が4業界、「悪化」が3業界、「横ばい」が2業界だった。『運輸・倉庫』が7カ月ぶりに40台を回復したほか、半導体などが好調な『製造』が改善した。また、『サービス』は2カ月連続で50台を維持した。一進一退が続いている『卸売』『小売』は物価高による値上げを背景に2カ月ぶりに悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は前月比0.6ポイント増の45.8となり、5カ月連続で改善した。「6カ月後」は同1.0ポイント増の46.0となり、2カ月連続で改善した。「1年後」も同0.3ポイント増の45.2となり、2カ月連続で改善した。中東情勢の直接的な影響に落ち着きがみられ、3指標がそろって2カ月連続で改善した。

■山口県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.5

0.9

5カ月連続で改善

・概況

「山口」の景気DIは43.5と前月より0.9ポイント改善し、5カ月連続で前月を上回り、前年同月との比較でも7カ月ぶりに改善した。『製造』では「原材料、資材、物流費、人件費など全ての価格が上昇しているが、販売価格が追い付かず売上停滞」との声があり、各業界で中東情勢の影響やコスト上昇の影響が続き、先行きの不透明感が高まっている。また、金利上昇局面にあるなかで設備投資の抑制や個人消費の抑制を懸念する声もあり、今後も景気は一進一退が続くであろう。

・景気DI

「山口」の景気DIは、前月比0.9ポイント改善の43.5と5カ月連続で前月を上回った。都道府県順位は21位(前月は26位)ながら、『全国』44.6との比較では1.1ポイント下回った。なお、前年同月(42.7)との比較では0.8ポイント上回り、7カ月ぶりに改善した。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.0ポイント減の41.7と2カ月連続で悪化したが、「中小企業」は同1.2ポイント増の43.8と5カ月連続で改善した。「小規模企業」も同2.9ポイント増の40.6と3カ月連続で改善した。「大企業」と「中小企業」の差は-2.1ポイントと4カ月ぶりに「中小企業」が上回った。

・業界別DI

『建設』は2カ月連続、『不動産』『製造』『サービス』は2カ月ぶり、『運輸・倉庫』は3カ月ぶりに改善した。特に『不動産』は30台、『運輸・倉庫』は50台に改善した。『卸売』は5カ月ぶりに、『小売』は4カ月ぶりに悪化し、『小売』は30台になった。『農・林・水産』は3カ月連続横ばいで30台にとどまった。

・先行き見通しDI

3カ月後が44.2(前月45.0)、6カ月後は44.3(同45.9)、1年後は45.2(同45.2)と3カ月後、6カ月後の見通しは悪化しているが、1年後の見通しは横ばいとなった。規模別では中小企業、小規模で先行き改善の見通しを示し、業界別では『農・林・水産』『運輸・倉庫』で悪化の見通しを示している。

「中国ブロック(2026年9月)」の詳細(中国ブロック:鳥取・島根・岡山・広島・山口)