レポート

TDB景気動向調査2026年8月(北陸ブロック:新潟・富山・石川・福井)

■北陸ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.6

1.4

3カ月連続で改善、3年ぶりの水準

・概況

『北陸』の景気DIは3カ月連続で改善。「資材費、農業機械は値上がり、米価は下落」(農業)、「原油高騰に円安のダブルパンチ、エネルギーコストが負担」(精密機械)と厳しい声も多いが、「幅広い業種で価格転嫁が進行」(建設)、「建設機械は欧米向けの輸出好調で前年比10%増産」(鉄鋼)、「7~8月は前月比プラス、9月の受注も好調」(機械)、「小口受注が活発化」(機械器具卸)、「夏季のインバウンド需要も概ね好調」(サービス)と明るい声が聞かれる。石川、富山、福井の豪雨災害の影響は今後出てくると思われる。

・景気DI

『北陸』の景気DIは43.6(前月比1.4ポイント増)と3カ月連続で改善。DI43台は2023年8月以来、3年ぶり。全国10ブロック中の順位は『南関東』『東海』『北関東』に次ぎ第4位。県別では「石川」が3カ月連続で改善し第2位。「富山」「福井」も4カ月連続で改善し、「新潟」も3カ月連続で40台となった。

・規模別DI

「大企業」が48.1(前月比2.7ポイント増)と2カ月連続で改善し、2019年3月以来の水準に上昇した。「中小企業」も42.7(同1.0pt増)と3カ月連続で改善したが、「うち小規模」は39.8(同0.1pt減)と4カ月ぶりに悪化し、「大企業」と「中小企業」の規模間格差は5.4(前月3.7)に拡大。

・業界別DI

『製造』が44.6(前月比3.0ポイント増)が3カ月連続で改善し、2021~2022年の水準に到達した。『卸売』も36.8(同0.9pt増)と3カ月連続で改善した。『金融』が昨年11月以来となる50台に回復。『サービス』も49.6(同2.9pt増)と好調。反面、『建設』『小売』『運輸・倉庫』は悪化。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が45.1(前月43.4)、「6カ月後」が44.0(同43.6)、「1年後」が45.1(同44.8)と、3指標いずれも前月比で改善。今月との比較では、業種別では『製造』『卸売』『小売』『運輸・倉庫』が改善、『金融』が悪化の見通しで、規模別は「大企業」~「うち小規模」いずれも改善の見通し。

■新潟県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.6

1.3

3カ月連続で40台を維持

・概況

「新潟」の景気DIは3カ月連続で40台を維持した。「資材高騰や労務費上昇で公共工事の実質的な発注量は25%減少」(建設)、「原料米在庫の削減に相応の時間を要する」(食品)、「県内のニット製造は著しい苦境にある」(アパレル)、「値上げしたら取引先が手のひら返し、注文が来なくなった」(化学)、「夜の界隈は倹約ムード」(飲食)と、全体としては引き続き厳しい声が多く聞かれるが、製造業は好調。「仕事量が全体的に増加」(機械)、「プラスチック金型はともかく、鍛造、鋳造、プレスは回復基調」(同)との声も聞かれた。

・景気DI

「新潟」の景気DIは41.6(前月比1.3ポイント増)と2カ月ぶりに改善。40台は3カ月連続。6月に2024年9月以来の40台に回復して以来、その基調を維持している。全国順位は32位(6月27位⇒7月35位)。首位は41カ月連続で「沖縄」、2位は「石川」、3位は「東京」。最下位は「宮崎」。

・規模別DI

「大企業」が50.0(前月比4.2ポイント増)と2カ月ぶりに大幅な改善となり、今年3月以来の50台に回復した。「中小企業」も40.4(同0.8pt増)と2カ月ぶりに改善し、2024年4月以来、2年4カ月ぶりに40台に回復。もっとも、「うち小規模」は35.8(同0.2pt減)と2カ月連続で悪化した。

・業界別DI

『金融』が50.0(前月比5.0ポイント増)と2カ月ぶりに大幅な改善となり、昨年4月以来の50台に回復。『サービス』も48.1(同2.8pt増)と2カ月ぶりに改善した。『製造』は42.6(同0.9pt増)と4カ月連続で改善。7月に2022年11月以来の40台に回復したが、その基調を維持している。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が43.4(前月42.6)、「1年後」が43.9(同43.5)と改善し、「6カ月後」は42.5(同43.2)と悪化した。もっとも、今月との比較では3指標とも改善する見通しで、業種別では『製造』『卸売』『運輸・倉庫』の基調が強く、規模別では「中小企業」「うち小規模」の基調が強く出ている。

■富山県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

45.3

2.0

4カ月連続で改善

・概況

「富山」の景気DIは前月比2.0ポイント増の45.3に改善し、全国順位は前月の15位から11位に上昇した。『北陸』は43.6、全国DIは44.6と、ともに改善した。「9月の受注も好調」(機械製造)、「インバウンドが引き続き好調」(旅館)などの声が聞かれた一方、「農業機械が値上げ」(農・林・水産)、「原材料の値上がり」(精密機械製造)などの声もあった。いずれにせよ、富山の景気DIは連続改善ながら楽観視できる状況にはなく、今後も注意深く見守って行く必要があろう。

・景気DI

「富山」の景気DIは、前月比で2.0ポイント増の45.3と前月から改善した。また「新潟」「石川」「福井」はともに改善し、「北陸」のDIは前月比1.4ポイント増の43.6と前月比で改善した。全国も前月比1.0ポイント増のDI44.6と改善した。「富山」の都道府県別順位は前月15位から11位へランクアップした。

・規模別DI

「大企業」(45.6)は前月比で3.0ポイント増、「中小企業」(45.2)は同1.7ポイント増、「小規模企業」(42.0)は同2.1ポイント増と、全ての規模で改善した。「大企業」と「中小企業」の規模間格差は0.4ポイント(前月-0.9ポイント)に拡大した。

・業界別DI

10業界中、前月比悪化は『農・林・水産』『建設』『運輸・倉庫』の3業界となった一方、同改善は『製造』『小売』『サービス』の3業界となった。景気判断の分かれ目となるDI50以上となったのは4業界(前月4業界)であった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」(前月比1.1ポイント増)、「6カ月後」(同0.5ポイント増)、「1年後」(同1.8ポイント増)と、改善する見通しとなった。業界別では、『農・林・水産』『製造』『卸売』『サービス』など幅広い業界で先行きに対する期待感が窺えた。一方、『建設』『小売』はやや不安感が払拭できない結果となった。

■石川県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

49.4

0.7

3カ月連続の改善で分水嶺の50目前まで迫る

・概況

「石川」の景気DIは、前月比0.7ポイント改善の49.4で、直近1年間の最高値を更新した。都道府県順位は3カ月連続で2位。復興特需に伴う建設業の好業績や、大手建機メーカーの増産計画に伴う取引企業の受注増加で景況感は上向いている。近時悪化傾向にあった『サービス』でも、インバウンドを中心とした観光需要の回復で分水嶺の50.0まで回復した。一方中東情勢の影響から飲食料品の値上げ品目数が増加しているほか、全国で相次ぐ自然災害の影響は計り知れず、県内の景気動向は注意深く見守る必要があろう。

・景気DI

「石川」の8月の景気DIは、前月比0.7ポイント改善の49.4となった。景気DIが49を上回るのは2023年8月以来3年ぶりの高水準。都道府県順位は3カ月連続で2位となった。復興特需や大手建機メーカーの生産計画に伴う受注増、観光需要が好調に推移していることなどが県内企業の景況感を押し上げている。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.5ポイント悪化、「中小企業」は同1.1ポイント改善で、両者の格差は同2.6ポイント縮小の2.2となった。また「中小企業」は3カ月連続の改善で、直近1年間では最高となった。先行きの見通しは、3カ月後が「大企業」「中小企業」とも50を上回った。

・業界別DI

8業界のうち改善は3業界、悪化が5業界。前月大きく改善した『建設』では前月比1.0ポイント後退したものの、全業種で最高の56.7。『サービス』は4か月ぶりの改善で50.0となった。大手建機メーカーの増産に伴い『製造』は3カ月連続の改善で、今年最低値(39.2)の1月から10ポイント以上の改善。

・先行き見通しDI

先行き見通しは、3カ月後が50.8で分水嶺の50を上回った。50を上回るのは2023年8月以来3年ぶり。1年後は前月比0.7ポイント悪化したものの、対前年同月比では全指標で改善となった。特に直近3カ月後の見通しは、前月比、前年同月比ともに大幅な改善となっており、景気回復への期待が表れている。

■福井県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.8

2.2

4カ月連続の改善

・概況

「福井」の景気DIは、令和8年4月の調査で底を打った感がみられ、以降は4か月連続の改善になった。「高級品を中心に個人消費が伸びない」「価格転嫁すれば売上鈍化が見込まれ、転嫁しなければ収益性が低下する」(小売)など、円安による物価高を懸念する声が聞かれた。一方、「輸出向けで北米および欧州など多くの地域で回復」(製造)、「仕入れ値の上昇に対して転嫁が進んでいる」(卸売)と円安や物価高を歓迎する意見も聞かれるなど、同業種であっても企業間の格差が拡大しつつある。

・景気DI

『福井』の8月景気DIは41.8となり、前月比2.2ポイント改善したが、前年同月比は0.1ポイント悪化した。都道府県別順位は31位と前月(40位)より上昇したが、前年同月(29位)比では低下した。業界別では『建設』『小売』『運輸・倉庫』が悪化した一方、『製造』『卸売』『サービス』などが改善した。

・規模別DI

「大企業」の8月景気DIは45.6で前月比3.4ポイント改善、「中小企業」でも40.8で同1.6ポイントの改善となったが、「うち小規模企業」は39.4で同1.0ポイントと悪化した。なお、「大企業」と「中小企業」との格差は4.8となり、前月比1.8ポイント拡大した。

・業界別DI

比較可能な8業界のうち、景気DIが改善したのは3業界、横ばいが2業界、悪化が3業界であった。『建設』『小売』『運輸・倉庫』で悪化がみられ、なかでも『運輸・倉庫』は前月比5.5ポイントと大きく悪化した。一方、『製造』は前月比6.1ポイントと大幅に改善、『卸売』は同2.7ポイントの改善となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は43.1に改善、「6カ月後」は42.3とやや後退する見通しながら、「1年後」は43.5と再び改善に向かうとの結果になった。業界別では、「製造」「卸売」「運輸・倉庫」で1年後まで改善を見通す意見が聞かれたが、他の業界では一進一退を予想する見方が強かった。

「北陸ブロック(2026年8月)」の詳細(新潟・富山・石川・福井)