レポート

TDB景気動向調査2026年7月(南関東ブロック:埼玉・千葉・東京・神奈川)

■南関東ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

46.2

0.5

2カ月連続改善

・概況

『南関東』の景気DIは2カ月連続で改善、全国順位でもトップを維持した。「半導体製造装置、工作機械向けの需要が2025年12月から増加し、現在も需要が高止まりしている」(機械・器具卸売)など、半導体の需要増加が『製造』や『卸売』など幅広い業界に寄与した。一方で、「中東情勢が落ち着かない影響から、原料のナフサ市況の先行き不透明感により、原材料の乱降下が予想され、価格面への影響が大きい」(化学品製造)など、中東情勢の不安定さは依然として中小企業を中心に業績の悪化要因となっている。円安や金利上昇などもあり、今後は緩やかな改善にとどまるとみられる。

・景気DI

『南関東』の景気DIは前月から0.5ポイント増の46.2となり、2カ月連続で改善した。都県別では、「埼玉」(前月比2.6ポイント増)は2カ月ぶり、「神奈川」(同1.0ポイント増)は2カ月連続で改善。「千葉」(同0.3ポイント減)は2カ月ぶりに悪化、「東京」は横ばいとなった。全国順位は17カ月連続でトップを維持した。

・規模別DI

「大企業」は前月から0.3ポイント減となり、2カ月ぶりに50を下回った。一方で、「中小企業」「小規模企業」はともに同0.6ポイント増となり2カ月連続で改善した。規模間格差は4.3ポイントと前月から0.9ポイント縮小し、全国(4.9)を下回った。

・業界別DI

業界別では6業界で改善、4業界で悪化した。『運輸・倉庫』は前月比2.3ポイント改善し、中東情勢悪化前の水準に戻った。『製造』『卸売』は3カ月連続、『建設』は2カ月連続で改善した。一方で、金利上昇・資材高騰の影響を受けて『不動産』は悪化。物価高騰による節約志向の影響が続く『小売』は業界別で最も低く、5カ月連続で40を下回った。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は47.5(前月46.9)、「6カ月後」は47.4(同47.3)は改善したが、「1年後」は47.7(同47.9)と悪化した。業界別では、『建設』や『製造』などは3指標すべてで改善した一方で、『金融』『サービス』では3指標すべてで悪化するなど、業界ごとで先行き見通しの差異が鮮明となった。

■埼玉県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

44.8

2.6

2カ月ぶりに改善

・概況

埼玉県の景気DIは前月比2.6ポイント増の44.8となり、2カ月ぶりに改善した。値上がり前の駆け込みや、イベント・祭りの増加による需要の高まりが感じられた一方で、原材料価格や金利の上昇を背景に、買い控えや収益性の悪化が広がり、多くの企業が苦境を強いられている。「資材の高騰で採算がつかない」(建設)、「仕入先から値上げ要請が続々と来ている。価格転嫁するか悩んでいる」(小売)など中東情勢に起因する影響への対応に追われている企業が多い。全体として、現況は依然として厳しいままで、先行きが見通せない状況が続いている。

・景気DI

埼玉県の景気DIは2カ月ぶりに改善し、前月比2.6ポイント増の44.8と、2026年で最も高くなった。全国、『南関東』いずれも改善。前月の管内は、「埼玉」以外の3都県がいずれも改善したが、7月は「埼玉」の上昇幅は管内で最も大きかった。全国順位は9位となって前年同月(17位)から8ランクアップした。

・規模別DI

「大企業」は前月比2.9ポイント増の46.0、「中小企業」は同2.6ポイント増の44.6、「小規模企業」は同3.0ポイント増の44.7となり、すべてで改善した。なお、「小規模企業」は3カ月連続で改善した。「大企業」と「中小企業」の規模間格差は1.4ポイントで前月から0.3ポイント拡大した。

・業界別DI

9業界中、改善は6業界、悪化が2業界、横ばいは1業界だった。『農・林・水産』が前月比8.3ポイント増の58.3、『製造』が同4.6ポイント増の44.2と続いた。『製造』は2026年で最も高い水準となった。『サービス』は同0.2ポイント悪化したが、50に迫る状況が続いている。

・先行き見通しDI

「3カ月後」46.3(前月44.3)、「6カ月後」46.0(同45.2)、「1年後」46.7(同46.7)となり、3指標すべてで全国平均を上回ったものの管内平均を下回る結果となった。業界別で50台となっているのは、『金融』と『建設』のみで、先行き見通しは力強さを欠いた。

■千葉県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.1

-0.3

2カ月ぶりに悪化

・概況

「千葉」の景気DIは43.1となり、前月比0.3ポイント減少し2カ月ぶりに悪化した。企業からは「中東情勢の悪化で石油精製・化学・エネルギー関連の設備投資が停滞気味」(建設)、「住宅資材の高騰、納期遅延が続いている」(機械・器具卸)などの声が聞かれた一方で、「半導体関連業界の取引が好調」(機械製造)、「運賃引き上げが浸透してきた」(運輸・倉庫)などの声も聞かれた。物価上昇や円安を懸念する企業も多く、足元の景況感はまだら模様で、当面は一進一退の展開が予想される。

・景気DI

「千葉」の景気DIは43.1となり、前月比0.3ポイント減少し、2カ月ぶりに悪化した。全国は前月比1.0ポイント増の43.6となり、「千葉」は全国を0.5ポイント下回り、全国順位は前月の9位から20位へと後退した。

・規模別DI

「大企業」は45.9で前月比0.9ポイント減少し、2カ月ぶりに悪化。「中小企業」は同0.2ポイント減の42.8となった。これにより、「大企業」と「中小企業」の規模間格差は3.1ポイント(前月3.8ポイント)へと縮小した。

・業界別DI

『農・林・水産』『建設』『不動産』『卸売』『小売』『サービス』の6業界は前月比悪化した一方で、『金融』『製造』『運輸・倉庫』の3業界は改善した。2カ月連続で改善したのは『製造』のみで、『サービス』は6カ月連続で悪化。そのほかの業界は一進一退となっている。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は45.1(前月44.5)、「6カ月後」は45.6(同44.7)、「1年後」は46.2(同45.9)となり、先へ行くほど高く、2カ月連続で3指標そろって前月比改善した。規模別でみても、「大企業」「中小企業」ともに先へ行くほど高くなっている。

■東京都

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

47.1

横ばい

横ばいで推移、一進一退が続く

・概況

「東京」の景気DIは47.1と前月から横ばいで推移した。企業からは「半導体関連の顧客先の需要は過去にないほど好調で、来年度もさらに需要の増加が見込まれる」(製造)など、AI関連需要が堅調に推移している。一方で、「不動産が高くなりすぎて売れない」(不動産)、「円安、イラン情勢、対中国関係など悪化の懸念材料が多く、先行きが心配となっている」(金融)といった声が聞かれ、業界間での格差が広がりつつあるなか、今後も一進一退で推移していくとみられる。

・景気DI

「東京」の景気DIは47.1(前月47.1)で、前月から横ばいで推移した。都道府県別順位も前月(3位)と横ばいで、4位「神奈川」(46.2)との差は先月の1.9ポイントから0.9ポイントまで縮まった。

・規模別DI

「大企業」は50.7(前月比0.1ポイント減)と3カ月ぶりに悪化した。「中小企業」は46.1(同横ばい)、「小規模企業」は45.0(同0.1ポイント増)となった。なお、規模間格差は4.6ポイントと3カ月ぶりに縮小した。

・業界別DI

全10業界中、5業界が改善、5業界が悪化した。半導体、データセンター案件で好調な『製造』(45.3)と、堅調な荷動きに支えられる『運輸・倉庫』(44.7)は、いずれも4カ月連続で改善した。一方で、近年高水準を維持していた『不動産』(51.6)は前月から2.7ポイント悪化したほか、『金融』(50.0)も2.4ポイント悪化するなど、政策金利の上昇を背景に不動産取引や投資マインドの停滞感が強まった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は48.1(前月48.0)と改善した。一方、「6カ月後」が47.7(同48.3)、「1年後」が48.0(同48.7)と、いずれも悪化した。業界別では、前月3指標すべてで改善していた『金融』『小売』『運輸・倉庫』『サービス』では3指標とも悪化した。

■神奈川県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

46.2

1.0

2カ月連続の前月比改善

・概況

「神奈川」のDIは2カ月連続の前月比改善となった。しかし、「半導体製造装置、ロボットなどが好調」(機械・器具卸売)などの声が聞かれる一方で、中東情勢の不安定化への警戒感はなお強い。「ナフサ、仕入れ値、人件費高騰により発注控えが発生」(建設)、「円安、材料費高止まり、ナフサ関連材料の回復見込みなし」(パルプ・紙・紙加工品製造)など、厳しい環境に直面している企業は多い。コスト上昇、人手不足も重荷となるなか、「先行きは不透明」(運輸・倉庫)との声に象徴されるように、不確実性の高い局面が継続している。

・景気DI

「神奈川」の景気DIは46.2と前月(45.2)から1.0ポイント上昇し、2カ月連続の前月比改善となった。2カ月連続の改善は今年に入って初。全国順位は4位で、前月から横ばいとなり、全国(43.6)を2.6ポイント上回った。

・規模別DI

「大企業」は48.7(前月比3.9ポイント減)と悪化した一方で、「中小企業」は45.8(同1.5ポイント増)、「小規模企業」は43.4(同1.0ポイント増)と改善した。「中小企業」「小規模企業」は2カ月連続の改善で、「大企業」と「中小企業」の格差は2.9ポイントと、乖離幅はこの1年で最小となった。

・業界別DI

9業界中、5業界で前月比改善となった。『建設』『不動産』『製造』『運輸・倉庫』はそれぞれ2カ月連続の改善となったが、すべての業界が50.0を下回った。また、『金融』は18カ月ぶりに50.0を下回り、『サービス』は6カ月連続の悪化。『小売』は2カ月ぶりに改善したが、40.0を下回る低水準が続いている。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は48.1(前月46.6)、「6カ月後」は48.3(同47.1)、「1年後」は48.3(同47.4)とそれぞれ前月比改善となった。『建設』が唯一3指標ともに50.0を上回った一方で、『不動産』の先行きは緩やかな悪化傾向を見込んでいる。

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