レポート

TDB景気動向調査2026年7月(北陸ブロック:新潟・富山・石川・福井)

■北陸ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.2

0.7

2024年11月以来、1年8カ月ぶりの水準

・概況

『北陸』の景気DIは42.2(前月比0.7ポイント増)と、1年8カ月ぶりの水準に回復。「インフレに実質賃金が追いつかない」(建設)、「価格転嫁時期が後ズレしている」(精密機械)、「大手はともかく中小は資材の供給に滞りがある」(建材)、「資材調達が遅れている」(サービス)との声はあるものの、「建設機械の北米、欧州向け輸出が回復」(鉄鋼・非鉄)、「半導体製造装置関連、航空機部品の受注が好調」(機械製造)という声も。コストアップを円安メリットで辛うじてカバーする構図となっている。

・景気DI

『北陸』の景気DIは42.2(前月比0.7ポイント増)と2カ月連続で改善。42.2は2024年11月以来、1年8カ月ぶり。全国第2位の「石川」は48.7(同1.3pt増)と2カ月連続で改善したほか、「富山」が43.3(同1.4pt増)、「福井」が39.6(同2.0pt増)とそれぞれ3カ月連続で改善。

・規模別DI

「大企業」が45.4(前月比2.3ポイント増)と4カ月ぶりに改善。「中小企業」が41.7(同0.5pt増)と2カ月連続で改善した。「うち小規模」は39.9と前月比変わらず。「大企業」と「中小企業」の規模間格差は3.7(前月1.9)と1.8pt拡大した。

・業界別DI

5業界が改善。『建設』が47.8(前月比5.1ポイント増)と2カ月連続で改善、『製造』『卸売』『運輸・倉庫』もそれぞれ2カ月連続で改善した。特に、『製造』は前月に2023年7月以来の40台に回復し、今月も大台を維持している。反面、『金融』『サービス』が2カ月ぶりに悪化。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が43.4(前月42.7)、「6カ月後」が43.6(同43.5)、「1年後」が44.8(同44.6)と、3指標いずれも改善。業種別では、『金融』『製造』『卸売』『小売』『サービス』が今月との比較で改善の見通し。規模別では「大企業」「中小企業」「うち小規模」いずれも改善見通しとなっている。

■新潟県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.3

-0.4

2カ月ぶりに悪化も40台は維持

・概況

「新潟」の景気DIは僅かながら悪化したが、40台は維持。円安を背景に輸出が好調な製造業が下支え役となっている。「半導体製造装置やデータセンター向けの需要が増加」(鉄鋼・非鉄)、「航空機部品の受注好調」(機械製造)、「北米向けの自動車部品のスポット量産、ロボット用の減速機が伸びている」(同)という。反面、「公共工事がない」(建設)、「物価高による買い控えと中東情勢による資材・エネルギーコスト上昇のダブルパンチ」(食品製造)、「価格転嫁が到底追いつかない」(アパレル)と厳しい声が多数を占めている。

・景気DI

「新潟」の景気DIは40.3(前月比0.4ポイント減)と2カ月ぶりに悪化したが、40台は維持し、堅調さを保っている。全国順位は35位(2月45位⇒3月36位⇒4月25位⇒5月38位⇒6月27位)。首位は2023年4月以来40カ月連続で「沖縄」、2位は2カ月連続で「石川」。最下位は「宮崎」。

・規模別DI

「大企業」が45.8(前月比1.0ポイント減)、「中小企業」も39.6(同0.3pt減)とそれぞれ2カ月ぶりに悪化した。「うち小規模」も36.0(同2.2pt減)と3カ月ぶりに悪化。「大企業」と「中小企業」の規模間格差は6.2(前月6.9)と0.7pt縮小した。

・業界別DI

『小売』が32.5(前月比3.5ポイント減)と3カ月ぶりに悪化したほか、『運輸・倉庫』が44.4(同3.2pt減)、『サービス』が45.3(同3.1pt減)とそれぞれ2カ月ぶりに悪化。反面、『製造』は41.7(同4.3pt増)と3カ月連続の改善。40台の回復は2022年11月以来、3年8カ月ぶり。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が42.6(前月42.0)、「6カ月後」が43.2(同42.7)と改善、「1年後」は43.5(同44.1)と悪化した。3~6カ月では、『金融』『建設』『製造』『卸売』『小売』『サービス』が今月との比較で改善。また、規模間格差は縮小する見通し。

■富山県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.3

1.4

3カ月連続で改善

・概況

「富山」の景気DIは前月比1.4ポイント増の43.3に改善し、全国順位は前月の18位から15位に上昇した。「北陸」は42.2、全国DIは43.6と、ともに改善した。「売上は堅調」(化学品製造)、「海外客は堅調」(旅館・ホテル)などの声が聞かれた一方、「慢性的な人材・人員不足」(サービス)、「原材料価格が高騰」(精密機械製造)などの声もあった。いずれにせよ、富山の景気DIは連続改善ながら楽観視できず、今後も状況を注意深く見守って行く必要があろう。

・景気DI

「富山」の景気DIは、前月比で1.4ポイント増の43.3と改善した。「新潟」は悪化したが、「石川」「福井」はともに改善し、『北陸』のDIは前月比0.7ポイント増の42.2と前月比で改善した。全国も前月比1.0ポイント増のDI43.6と改善した。「富山」の都道府県別順位は前月18位から15位へランクアップした。

・規模別DI

「小規模企業」(39.9)は前月比1.2ポイント減と低下した一方、「大企業」(42.6)は同2.2ポイント増、「中小企業」(43.5)も同1.2ポイント増となった。結果、「大企業」と「中小企業」の規模間格差は-0.9ポイント(前月-1.9ポイント)と前月よりも縮小した。

・業界別DI

10業界中、前月比悪化は「農・林・水産」「製造」「小売」の3業界となった一方、同改善は「建設」「卸売」「運輸・倉庫」「サービス」の4業界となった。景気判断の分かれ目となるDI50以上となったのは4業界(前月2業界)であった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」(前月と同ポイント)、「6カ月」(同1.4ポイント増)「1年後」(同3.5ポイント増)と、先に行くほど改善する見通しとなった。業界別では、「農・林・水産」「建設」「製造」「卸売」「小売」「運輸・倉庫」「サービス」など幅広い業界で先行きに対する期待感が窺えた。

■石川県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

48.7

1.3

2カ月連続の改善で全国2位をキープ

・概況

「石川」の景気DIは、前月比1.3ポイント改善の48.7で、直近1年間で最も高い結果となり、都道府県順位は全国2位を維持した。重機製造の関連企業での受注が堅調に推移していることや、復興特需に伴う建設業での好業績によって、「建設」や「製造」での改善が続いている。一方で、中東情勢の先行き不透明感は依然として続いているほか、全国で相次ぐ自然災害がどのように影響するかは計り知れない。中東情勢悪化が一要因となった事業停止案件も発生していることから、引き続き県内の景気動向は注意深く見守る必要があろう。

・景気DI

「石川」の景気DIは、前月比1.3ポイント改善の48.7となった。昨年12月以来2カ月連続の改善で、都道府県順位は2位を維持した。欧米からのインバウンド需要が好調に推移していることや、大手建機メーカーの今年度の生産計画が昨年度を上回っていることなどが県内企業の景況感の底上げにつながっている。

・規模別DI

「大企業」は前月比2.8ポイント改善、「中小企業」は同比1.2ポイント改善で、「大企業」と「中小企業」の格差は同比1.6ポイント拡大の4.8となった。「中小企業」は2カ月連続の改善で、そのうちの小規模事業者でも2カ月連続の改善となった。小規模事業者の2カ月連続改善は昨年10月以来9カ月ぶり。

・業界別DI

8業界のうち改善は3業界、横ばいが2業界、悪化は3業界。「建設」が大きく改善し、分水嶺となる50を大きく上回り直近1年では最高となった。「建設」と「卸売」は3カ月連続の改善。一方で、「小売」と「サービス」は3カ月連続の悪化で、特に県内の景気をけん引する「サービス」が分水嶺を2カ月連続で下回った。

・先行き見通しDI

先行き見通しは、6カ月後の指標に若干落ち込みは見られたが、概ね現状程度を維持するとみる企業が多い。前年同月比でも6カ月後までは2カ月連続で前年を上回った。一方で相次ぐ地政学リスクの顕在化、多発する自然災害など、長期的な先行きの見通しは立ちにくく、1年後は5カ月連続で同悪化となった。

■福井県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.6

2.0

3カ月連続の改善

・概況

『福井』の景気DIは、全国や北陸の平均値と比較して低調ながらも、3か月連続の改善となった。「国内のアパレル業界の不振」(製造)と地場産業の繊維業界で厳しい意見があり、「物価高で必需品も販売が鈍化」(卸売)と物価高の影響に関する意見が聞かれた。一方で「金利上昇により投資・運用に関する商品が好調」(金融)、「円安を受けて北米・欧州向けの機械輸出が好調」(製造)との声が聞かれるなど、多くの企業業績に影響を与える円安や金利上昇の恩恵を受ける業界もみられ、業種や業界による二極化の傾向が強まっている。

・景気DI

『福井』の7月景気DIは39.6となり、前月比2.0ポイント改善、前年同月比でも0.8ポイントの改善となった。都道府県別順位は40位と前月比横ばいだったが、前年同月(39位)比では上昇した。業界別では『製造』『卸売』が悪化した一方、『金融』『建設』『運輸・倉庫』などの業種で改善がみられた。

・規模別DI

『大企業』の7月景気DIは42.2で前月比7.9ポイントと大幅に改善、『中小企業』でも39.2で同0.9ポイントと小幅ながら改善がみられ、『うち小規模企業』は40.4で同4.6ポイント改善となった。なお、『大企業』と『中小企業』との格差は、『大企業』の大幅な改善から3.0となった。

・業界別DI

比較可能な8業界のうち、景気DIが改善したのは5業界、横ばいが1業界、悪化が2業界であった。『製造』『卸売』が悪化した一方、『建設』は47.2で同14.9ポイント改善、『金融』も50.0と同8.3ポイント改善し、『小売』『運輸・倉庫』『サービス』でも改善がみられた。

・先行き見通しDI

『3カ月後』は40.2に改善、『6カ月後』は39.3とやや後退を見込むが、『1年後』は42.1と長期的には改善が期待される結果になった。業界別では、今月に悪化した『製造』および『卸売』で1年後まで改善を見通す意見が聞かれたが、他の業界では横ばいもしくは悪化するとの見方が強かった。

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