レポート

TDB景気動向調査2026年6月(東海ブロック:愛知・岐阜・三重・静岡)

■東海ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.2

0.7

改善は2カ月連続

・概況

『東海』の景気DIは2カ月連続で改善。「半導体関連および蓄電池関連の需要が増加している」(鉄鋼・非鉄・鉱業)などの声は数多いほか、中東情勢悪化に起因する不安心理はやや和らいでいるのも景況感の下支え要因となっている。ただし、調達難が完全に解消したわけではない。足元では再び円安傾向が強まっており、コスト高が一段と厳しくなると企業収益に影響が及ぶ。予断を許さない状況が続く中東情勢など不確定要素も多く、取り扱い商材ごとでの格差拡大も含め、景況感は引き続き一進一退の状況が続きそうだ。

・景気DI

『東海』の景気DIは41.2と前月から0.7ポイント上昇し、2カ月連続で改善となった。半導体関連に好調さが見られ、『製造』の改善は4カ月ぶり。ただし、全国10地域中の順位は前月から3ランクダウンの7位で、16カ月連続で全国を下回っている。

・規模別DI

「大企業」(44.1)は前月から0.9ポイント、「中小企業」(40.7)は同0.7ポイント、うち「小規模企業」(39.2)は同1.1ポイントそれぞれ改善した。すべての規模で改善が2カ月続くのは、2023年5月(この時は3カ月連続)以来。

・業界別DI

10業界中6業界が改善、3業界が悪化、1業界が横ばい。半導体関連を中心に好調さがうかがえる『製造』が4カ月ぶりに改善となったほか、資材不足の影響はあるものの受注は堅調との声もある『建設』は2カ月連続で改善。一方で、仕入れコスト増に苛まれている『卸売』『小売』は2カ月ぶりに悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は43.7(前月は40.4)と前月比3.3ポイント、「6カ月後」は44.7(同41.1)と同3.6ポイント、「1年後」は45.6(同43.2)と同2.4ポイントそれぞれ改善。ただし、すべての指標が全国を下回っており、厳しめの見通しとなっている。

■愛知県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.3

0.8

2カ月連続で改善

・概況

「愛知」の景気DIは、2カ月連続で改善。「半導体関連および蓄電池関連の需要が増加している」(鉄鋼・非鉄・鉱業)などAIや半導体関連の受注が好調との声があったほか、工作機械や自動車も堅調だったことから『製造』を中心に景況感には改善がみられたほか、インバウンド関連業界にも明るさがあった。しかし、物価高や原油関連素材の供給不安を抱える企業も引き続き多く、地域や規模による格差は広がっている。円安や依然として流動的な中東情勢もあり、物価高の改善は期待できず、景況感は勢いを欠いた展開を余儀なくされそうだ。

・景気DI

AI、半導体景気の恩恵もあって、「愛知」の景気DIは41.3となり、前月からは0.8ポイント上昇し2カ月連続の改善となった。しかし、全国を下回るのは8カ月連続で、本格的な回復には至っていない。

・規模別DI

「大企業」(44.2)は前月から1.6ポイント増となり4カ月ぶりに改善した。「中小企業」(40.7)は同0.7ポイント、「小規模企業」(38.6)は同0.6ポイントそれぞれ2カ月連続で改善。「大企業」の改善幅が大きかったため、「中小企業」との格差は2カ月ぶりに拡大した。

・業界別DI

主要9業界中改善が5業界、悪化が3業界、横ばいが1業界。「AIデータセンター需要増にともない、マイクロレーザ加工機部品需要が好調」などの声がある『製造』(42.3)が前月から3.0ポイント改善したほか、インバウンド需要のある『小売』(35.4)も同2.6ポイント上昇となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は43.9(前月40.5)で前月から3.4ポイント、「6カ月後」は44.4(同41.0)で同3.4ポイント、「1年後」は45.6(同43.5)で同2.1ポイントそれぞれ改善となり、先行き見通しはやや好転したが、すべての指標が全国を下回っている。

■岐阜県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.4

0.4

小幅ながら2カ月連続改善

・概況

「岐阜」の景気DIは、前月比0.4ポイント増の39.4となった。中東情勢にともなう先行き不透明感がやや和らぎ、先行きDIも全ての指標で改善している。製造コストが高止まりするなか、受注は堅調との声も複数聞かれた。一方、公共工事の発注量減少を指摘する声や、ナフサ不足を見越した事前注文の反動減を懸念する声に加え、仕入価格の高騰に対し価格転嫁が進んでいないとの指摘もみられた。日銀の政策金利引き上げや円安進行による今後の影響も懸念され、岐阜県内の景況感が持続的に上向く材料は乏しい。

・景気DI

岐阜県内企業の景気DIは前月比0.4ポイント増の39.4で、2カ月連続改善。しかし、前月同様に東海4県はいずれも前月比で改善した中、岐阜のみが3カ月連続30台にとどまった。また、全国順位は35位(前月32位、前年同月39位)に後退。21カ月連続で全国DIを下回り、東海4県では8カ月連続最下位が続く。

・規模別DI

「大企業」は前月比4.4ポイント増の41.2で2カ月連続改善。「中小企業」は同0.1ポイント減の39.2(「中小企業」のうち「小規模」は同0.3ポイント増の37.2)となり、5カ月ぶりに「大企業」が「中小企業」を上回った。

・業界別DI

前月と比較可能な8業界の中で4業界が改善、4業界が悪化。前月30台に悪化した『農・林・水産』『金融』は50台に回復。『建設』が40台に回復するのは2025年3月以来15カ月ぶり。『製造』は前月比0.5ポイント減の39.2、『小売』は同2.3ポイント減の32.5。30台は前月の6業界から2業界に減少。

・先行き見通しDI

先行きDIは、全ての指標で全国DIを下回る状態が続くものの、「3カ月後」は前月比3.8ポイント増の42.2、「6カ月後」は同3.5ポイント増の43.8、「1年後」は同4.2ポイント増の45.0となり、いずれも前月から改善した。

■三重県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.9

0.1

2カ月連続改善もほぼ足踏み

・概況

「三重」県内企業の景気DIは41.9とわずかに改善。ホルムズ海峡を巡る緊張緩和への期待が企業マインドを下支えした可能性がある。一方、地政学リスクは依然残り、エネルギー価格の再上昇や資材調達への影響に注意が必要である。県内企業からは「依然として物価高による影響が深刻」「資材が入ってこない状況が続き、客先も稼働を下げて工期が読めず、工事がストップ」との声が聞かれた。大企業の景況感悪化もあり、中小企業への波及が警戒されるほか資材不足やコスト上昇圧力が続くなか、県内経済は力強さを欠く展開が続くとみる。

・景気DI

三重県内企業の景気DIは前月比0.1ポイント増の41.9と2カ月連続で改善。ただし、改善幅は僅かで全国平均を再び下回った。都道府県別の順位は18位と前月の12位から6ランク後退。なお、東海4県の中では2カ月連続で1位を保った。

・規模別DI

「大企業」は前月比4.3ポイント減の44.4と2カ月ぶりに悪化。一方、「中小企業」は同0.7ポイント増の41.6、うち「小規模企業」は同2.6ポイント増の41.5とそれぞれ2カ月連続で改善。結果、規模間格差は「大企業」が「中小企業」を15カ月連続で上回ったが、その差は2.8ポイントに縮まった。

・業界別DI

前月と比較可能な8業界では、『建設』、『不動産』、『製造』、『サービス』の4業界が改善した。一方、各商品値上げにともなう消費の落ち込みを背景に大幅減となった『小売』をはじめ『農・林・水産』、『卸売』、『運輸・倉庫』の4業界が悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」42.4(前月40.1)、「6カ月後」45.0(同41.1)、「1年後」46.7(同44.2)と、先になるほど高い水準となり、中長期的な景気回復への期待感が強まっている。

■静岡県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.6

0.9

2カ月連続で改善

・概況

「静岡」の景気DIは41.6と前月比改善した。企業からは、「中東情勢の影響によるナフサ不足からくるリサイクル材の需要増」(卸売)との明るい声もあったが、一方で「物価上昇、材料費や燃料費の高騰、先行き不安もあって民間投資が冷え込み、公共工事も発注減の状況」(建設)など厳しい声も多くあがった。景気動向は総じて前月より改善傾向を示しているものの、中東情勢への懸念、価格転嫁の遅れ、為替動向、個人消費の低下などの要因が複合的に影響しており、本格的な回復軌道には至っていない状況にある。

・景気DI

「静岡」は前月比0.9ポイント増の41.6となり、2カ月連続で改善した。全国(42.6)との比較では1.0ポイント下回り、全国順位では第22位となり、前月の第17位より低下した。なお、東海4県のなかでは、「三重」の41.9に次いで2番目に高くなった。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.0ポイント減の44.7にとどまり、5カ月連続で良否判断の分かれ目となる50を下回った。「中小企業」では同1.3ポイント増の41.1となった。「大企業」と「中小企業」の規模間格差は同2.3ポイント縮まり、3.6ポイント差となった。

・業界別DI

主要6業界では『サービス』が前月比1.8ポイント増の44.5となり、18カ月ぶりに最も高くなった。一方で、『小売』は同4.7ポイント減の36.5にとどまり、2カ月ぶりに最下位となった。なお、改善した業界は『サービス』『製造』『卸売』の3業界、悪化した業界は『小売』など3業界となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は44.6(前月41.4)、「6カ月後」は45.7(同41.7)、「1年後」は45.6(同43.5)で3指標ともに前月を上回った。また、規模別でも「大企業」「中小企業」「小規模企業」の何れも、「3カ月後」「6カ月後」「1年後」の3指標ともに前月を上回った。

■山梨県、長野県は、北関東エリアに含んで集計しています。

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