レポート

TDB景気動向調査2026年6月(南関東ブロック:埼玉・千葉・東京・神奈川)

■南関東ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

45.7

0.9

4カ月ぶりに改善

・概況

『南関東』の景気DIは4カ月ぶりに改善、全国順位でもトップを維持した。「石油由来の工事資材・材料がストップし、工程が滞っている」(建設業)など中東情勢の影響は引き続きみられるが、停戦合意による収束期待がプラス材料となったほか、「半導体製造装置やデータセンター向けが異常なほど活発」(機械製造)との声にみられるように、『製造』の改善も全体を牽引した。ただし、「大企業」と「中小企業」の規模間格差は今年に入って最大となるなど、規模によって改善の度合いに差もみられ、力強さには欠ける状態となっている。

・景気DI

『南関東』の景気DIは前月から0.9ポイント増の45.7となり、4カ月ぶりに改善した。都県別では、「埼玉」(前月比0.8ポイント減)を除く、3都県で改善。「東京」「千葉」は4カ月ぶりの、「神奈川」は3カ月ぶりの改善となった。全国順位は16カ月連続でトップを維持した。

・規模別DI

「大企業」は2カ月連続の、「中小企業」「小規模企業」は4カ月ぶりの改善となった。すべての規模で改善するのは今年2月以来、4カ月ぶり。ただし、「大企業」が前月比1.3ポイント増となったのに対し、「中小企業」は同0.8ポイント増にとどまり、規模間格差は5.2ポイントと前月から0.5ポイント拡大した。

・業界別DI

業界別では『運輸・倉庫』を除く9業界で改善、『建設』『不動産』『サービス』は4カ月ぶりの改善となった。政策金利の引き上げなどを背景として『金融』は前月比2.1ポイント増の51.5となり、業界別で最も高くなった。一方で、物価高騰による節約志向の影響が続く『小売』は業界別で最も低く、唯一40を下回った。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は46.9(前月44.5)、「6カ月後」は47.3(同44.8)、「1年後」は47.9(同46.3)と、3指標とも前月に続いて改善、改善幅も拡大した。業界別では、今後1年間すべての業界で50.0以下となったが、『建設』と『サービス』は50に迫る水準となっている。

■埼玉県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.2

-0.8

2カ月ぶりに悪化

・概況

埼玉県の景気DIは前月比0.8ポイント減の42.2となり、2カ月ぶりに悪化した。ヒト、モノ、金利、いずれも上昇しており、業界や法人・個人を問わず、買い控えやマインドの減退で多くの企業が苦労を強いられている。中東情勢の影響を受け、石油由来製品をはじめ各種原材料は価格高騰と入手遅れが続き、利益率の低下に加え仕事の進捗に支障が生じている。金利は足下で徐々に上がっているだけでなく、先高観への警戒から不動産市況は軟調となり、資材高で販売価格を高くしたいところ、下げざるを得ず収益性の悪化を招いている。

・景気DI

景気DIは42.2となり、前月比0.8ポイント減で2カ月ぶりに悪化した。全国、『南関東』、さらに、「埼玉」を除く管内都県はいずれも改善。前月の管内は、「埼玉」以外の3都県がいずれも悪化していたものの、6月はその逆で「埼玉」のみが悪化した。全国順位は15位となって前月(7位)から8ランク後退した。

・規模別DI

「大企業」は前月比3.7ポイント減の43.1、「中小企業」は同0.5ポイント減の42.0、「小規模企業」は同0.5ポイント増の41.7となった。「大企業」の悪化幅が「中小企業」のそれを上回り、規模間格差は1.1ポイントとなり前月から3.2ポイント縮小。「大企業」は前月の大幅プラスからの反動とみられる。

・業界別DI

前月と比較可能な9業界中、改善は3業界、悪化が6業界。大幅増の『農・林・水産』と『金融』はサンプルが少なく、全体へのプラス影響は軽微。『卸売』は前月比2.9ポイント減でマイナス幅が最大。ここ1年の動きをみると、『卸売』『小売』は30台がほとんどで、これまで好調の『サービス』は3カ月連続で40台。

・先行き見通しDI

「3カ月後」44.3(前月42.1)、「6カ月後」45.2(同42.9)、「1年後」46.7(同45.2)となり、2カ月連続して3指標ともに前月を上回った。先へ行くほど上昇傾向で、全国、『南関東』(管内都県)も同様の見通し。ただし、「埼玉」の先行き見通しは力強さに欠け、50台を付ける業界はわずかだった。

■千葉県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.4

0.9

4カ月ぶりに改善

・概況

「千葉」の景気DIは43.4となり、前月比0.9ポイント増加し4カ月ぶりに改善。また、先行き見通しDIも3指標そろって改善した。米国とイランの停戦合意による収束期待がプラス材料となったものの、企業からは「ナフサ由来商品の入荷遅れと価格上昇により建設工事の着工が遅れている」(機械卸)、「樹脂や建材関係の荷動きが低調」(運輸)などの声も聞かれた。物価高騰、為替動向、消費の減退などの懸念材料を抱え、先行きの不透明感は残る。

・景気DI

「千葉」の景気DIは43.4となり、前月比0.9ポイント増加し、4カ月ぶりに改善した。全国は前月から1.0ポイント増の42.6となり、「千葉」は全国を0.8ポイント上回ったが、全国順位は前月同様9位となった。

・規模別DI

「大企業」は46.8で前月比1.0ポイント増加し、2カ月ぶりに改善。「中小企業」は同0.9ポイント増の43.0となった。これにより、「大企業」と「中小企業」の規模間格差は3.8ポイント(前月3.7ポイント)へとわずかに拡大した。

・業界別DI

『農・林・水産』『建設』『不動産』『製造』『卸売』『小売』の6業界は前月比改善した一方で、『金融』『運輸・倉庫』『サービス』の3業界は悪化した。イラン情勢の影響で悪化していた『建設』は前月比4.4ポイント増加したが、『サービス』は40台後半とはいえ5カ月連続で悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は44.5(前月42.8)、「6カ月後」は44.7(同43.3)、「1年後」は45.9(同44.3)となり、先へ行くほど高くなっており、3指標そろって前月比改善した。ただし、「大企業」の見通しは慎重で、「中小企業」との規模間格差は先へ行くほど縮小している。

■東京都

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

47.1

1.1

4カ月ぶりに改善

・概況

「東京」の景気DIは47.1と4カ月ぶりに改善した。企業からは「半導体製造装置、データセンター向けが活発である」(製造)などAI関連需要が拡大したほか、中東情勢に伴う資源高や供給制約については一段の悪化は回避されるとの見方が広がった。一方で、「売り上げは好調に推移しているが、燃料費の高騰が続いており手放しでは喜べない」(運輸・倉庫)といった声が聞かれ、コスト負担や人手不足が重しとなり、先行きは一進一退の状況が続いている。

・景気DI

「東京」の景気DIは47.1(前月46.0)で、4カ月ぶりに改善した。都道府県別順位は5カ月ぶりに3位と前月(2位)から1ランクダウンしたものの、1位「沖縄」(50.9)との差は先月から0.7ポイント縮まった。

・規模別DI

「大企業」は50.8(前月比1.8ポイント増)と2カ月連続で、「中小企業」46.1(同0.9ポイント増)、「小規模企業」44.9(同0.6ポイント増)はどちらも4カ月ぶりに改善した。なお、規模間格差は4.7ポイントに拡大した。

・業界別DI

全10業界中、9業界が改善、1業界が悪化した。半導体、データセンター案件で好調な『製造』(45.1)は、前月から1.7ポイント改善し、7年6カ月ぶりに45を上回った。再開発・インフラ案件が多い『建設』(48.5)は、同1.9ポイント改善した。一方で、『農・林・水産』(36.1)は2カ月ぶりに悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」(48.0、前月45.6)、「6カ月後」は(48.3、同45.6)、「1年後」は(48.7、同47.0)と、いずれも改善した。業界別では、8業界で3指標がいずれも改善した。特に、中東情勢を背景としたコスト上昇の影響を受けていた『小売』では3指標で4ポイント以上改善した。

■神奈川県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

45.2

1.3

3カ月ぶりの前月比改善

・概況

「神奈川」のDIは3カ月ぶりの前月比改善となった。しかし、「ナフサ調達不安の影響で、塗装色がないパネルに付ける樹脂の納期が来年6月と遅く、ベアリング内部のグリスがない」(製造)、「ナフサショックで、顧客の建設業者の工事が延期・中止となっている」(卸売)など、中東情勢による材料不足、納期遅延、価格高騰を指摘する声は多い。価格転嫁や為替動向、人手不足、消費意欲の低下などの課題も山積するなか、「先が見えない状況に変わりはないと思う」(サービス)といったように、先行きへの高い不透明感が継続している。

・景気DI

「神奈川」の景気DIは45.2と前月(43.9)から1.3ポイント上昇し、3カ月ぶりの前月比改善となった。全国順位は4位で、前月から横ばい。2026年上半期の景気DIの平均は45.8と前年同期(44.5)を上回り、6月は持ち直したものの、45前後の低水準が続いている。

・規模別DI

「大企業」は52.6(前月比2.6ポイント増)、「中小企業」は44.3(同1.3ポイント増)、「小規模企業」は42.4(同1.8ポイント増)とそれぞれ改善した。「中小企業」「小規模企業」は6カ月ぶりに改善したが、「大企業」と「中小企業」の格差は8.3ポイントとなり、乖離幅は今年最大となった。

・業界別DI

9業界中、7業界で前月比改善となった。『金融』が唯一50.0を上回り、『製造』『卸売』とともに今年の最高値となり、『建設』『不動産』『運輸・倉庫』はそれぞれ3カ月ぶりの改善となった。一方で、『サービス』は5カ月連続の悪化、「家電・情報機器小売」など『小売』は3カ月ぶりの悪化で、全業界で最低値となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は46.6(前月44.0)、「6カ月後」は47.1(同44.6)、「1年後」は47.4(同46.1)とそれぞれ前月比改善となった。『農・林・水産』『金融』『小売』『サービス』を除く5業界で3指標すべてが前月より改善したものの、『金融』を除くすべての業界が3指標ともに50.0を下回った。

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