レポート

TDB景気動向調査2026年6月(中国ブロック:鳥取・島根・岡山・広島・山口)

■中国ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.7

1.4

4カ月ぶりに改善

・概況

『中国』の景気DIは、4カ月ぶりに改善し、40台に回復した。全国10ブロック別の順位は横ばいの8位。県別では「鳥取」が4カ月連続の悪化となったものの、ほか4県は改善。業界別では『不動産』が建設資材の高騰や金利上昇の懸念から4カ月連続で悪化、先行き見通しも3指標が2カ月連続で悪化した。中東情勢を懸念する声は前月に比べて減ったものの、従来の物価高や人手不足の影響もあって、景気は小幅に改善も力強さを欠く推移が見込まれる。

・景気DI

『中国』の景気DIは40.7で4カ月ぶりに改善し、40台に回復した。「島根」「岡山」「広島」「山口」は改善したものの、「鳥取」は4カ月連続の悪化となった。前月から2.7ポイント改善した「岡山」は中国ブロックで最も高かったが、「全国」(42.6)を上回った県はなかった。全国10ブロック別の順位は8位で、前月と同順位だった。

・規模別DI

「大企業」は前月比0.2ポイント減の44.0、「中小企業」は1.6ポイント増の40.2、うち「小規模企業」は1.4ポイント増の38.8となった。「小規模企業」は4カ月ぶりの改善となったが、依然として40を下回っている。「大企業」と「中小企業」の格差は3.8で、5カ月ぶりに縮小した。

・業界別DI

7業界が改善、2業界が悪化となった(その他を除く)。『製造』(40.3)、『小売』(39.9)、『運輸・倉庫』(39.1)は2カ月連続の改善となり、『サービス』は7カ月ぶりに、『建設』『卸売』はそれぞれ4カ月ぶりに改善となった。一方、『不動産』は前月比3.8ポイント減の34.2で、業界別で最も低かった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は前月比3.2ポイント増の42.7、「6カ月後」は3.6ポイント増の43.8、「1年後」は3.0ポイント増の45.2で、3指標とも改善となった。業界別では、『不動産』が3指標すべてで2カ月連続で悪化して30台となったが、ほか8業界は3指標ともに改善となった(その他を除く)。

■広島県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.1

1.8

4カ月ぶりに改善

・概況

「広島」の景気DIは、4カ月ぶりに改善し、40台に回復。全国順位も24位に上昇した。規模別の「中小企業」および、うち「小規模」の改善のほか、業界別の、『建設』『製造』『卸売』『小売』の改善が寄与した。先行き見通しも3指標ともに改善となった。中東情勢を懸念する声は前月に比べて減ったものの、従来の物価高や人手不足の影響、金利の上昇もあって、景気は小幅に改善も力強さを欠く推移が見込まれる。

・景気DI

「広島」の景気DIは前月比1.8ポイント増の41.1で、4カ月ぶりに改善して40台に回復した。前年同月比では0.1ポイント低下。「全国」(42.6)より1.5ポイント低く、6カ月連続で「全国」を下回った。中国5県では、「岡山」についで2番目。都道府県別の順位は前月の30位から24位に上昇した。

・規模別DI

「大企業」は前月比4.6ポイント減の43.4で、2カ月ぶりに悪化した。「中小企業」は同2.9ポイント増の40.8、うち「小規模企業」は同3.2ポイント増の40.2で、それぞれ4カ月ぶりに改善した。この結果、「大企業」と「中小企業」の格差は2.6となり、大幅に縮小した。格差が2ポイント台になるのは、2025年2月以来。

・業界別DI

6業界が改善、3業界が悪化した(その他を除く)。『建設』(39.3)、『製造』(42.0)、『卸売』(39.6)はそれぞれ4カ月ぶりに改善した。一方、先月改善した『金融』『不動産』『運輸・倉庫』は2カ月ぶりに悪化した。なかでも『不動産』(36.1)は、前月比11.1ポイントの大幅減となり、業界別で最も低かった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は前月比4.1ポイント増の42.9、「6カ月後」は同4.2ポイント増の43.9、「1年後」は同3.6ポイント増の45.4となり、それぞれ4カ月ぶりに改善した。各規模別でも3指標ともに改善。業界別では『不動産』の「3カ月後」が同5.5ポイント減、「1年後」が同5.6ポイント減と2指標のみ悪化した。

■鳥取県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

36.7

-1.4

4カ月連続悪化

・概況

「鳥取」の景気DIは4カ月連続悪化の36.7となった。36台になるのはコロナの影響を受けた2021年4月以来であり全国順位も43位と下位にとどまっている。悪化理由が燃料高や人件費の高騰、資材高などインフレ関連によるものが多く聞かれ、多くの業界が影響を受けていることが浮き彫りになった。特に、これらに対する価格転嫁が進んでおらず利益面で苦戦を強いられるケースが散見され、金利の負担増なども相まって、暫くは先行き不透明感が否めない。

・景気DI

「鳥取」は4カ月連続悪化で、前月比1.4ポイント減の36.7となった。『中国』は同1.4ポイント増の40.7となり、『中国』では鳥取のみが前月から悪化となった。『全国』は同1.0ポイント増の42.6となった。「鳥取」の全国順位は前月から5ランクダウンの43位となった。

・規模別DI

「大企業」は4カ月連続悪化で前月比5.5ポイント減の27.8となった。「中小企業」は3カ月連続悪化で同0.9ポイント減の37.3となったため、規模間格差の逆転現象は3カ月連続となった。「うち小規模」は43.6となり、規模が大きいほど厳しい結果となった。

・業界別DI

前月から改善したのは『製造』、『小売』、『サービス』の3業界で、『金融』、『建設』、『卸売』の3業界は前月から悪化した。業界の最低は『卸売』の26.4となり、同業界の先行き見通しにも厳しさがうかがえる。2カ月連続で改善や悪化した業界はなく一進一退で推移した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は前月比1.1ポイント増の40.7、「6カ月後」は同1.4ポイント増の42.3、「1年後」は同0.7ポイント増の43.2となり、3指標ともに前月から改善した。徐々に改善する見通しである動向に変わりはなく業界別にみても、先行きが悪化を示す業界はなかった。

■島根県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.8

0.3

2カ月連続改善

・概況

「島根」の景気DIは2カ月で改善したものの、その改善幅は小さく、3カ月連続して30台の水準となった。「中国」5県でみても、「島根」と「鳥取」の2県が30台にとどまっており、山陰地方における景況感の回復の鈍さがうかがえる。企業からは、「人件費高騰、金利上昇、物価高騰の3重苦になっている」(小売)、「燃料価格の高止まり、ドライバー不足や後継者不在による廃業も増加傾向にある」(運輸)など、先行き不安な声も聴かれる。

・景気DI

「島根」の景気DIは前月比0.3ポイント増の39.8となり、2カ月連続して改善した。『中国』は「鳥取」以外の4県が改善し、DIは同1.4ポイント改善の40.7となった。都道府県順位は前年同月の35位から31位にわずかに上昇した。

・規模別DI

「中小企業」が前月比0.2ポイント減の39.5となり、特に「うち小規模」が同0.8ポイント減の37.1で2カ月連続して悪化した。「大企業」は同8.3ポイントも改善して44.4となり、規模の大小での景況感の違いが浮き彫りとなった。

・業界別DI

前月と比較可能な10業界中、4業界が改善、2業界が横ばい、4業界が悪化した。『建設』が前月比3.9ポイント増の41.1となったものの、『サービス』が同2.1ポイント減の46.9、『製造』が同1.8ポイント減の38.9、『小売』が同1.6ポイント減の31.7と、いずれも大きく悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は42.5(前月38.9)、「6カ月後」は43.0(同38.6)、1年後は45.0(同41.2)と、3指標とも前月を大きく上回った。いずれも期待値込みの数値が含まれるものと思われ、前月より先行きに対する見通しは良くなっている。

■岡山県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.8

2.7

4カ月ぶりに改善

・概況

「岡山」の景気DIは、前月比2.7ポイント増の41.8となり、4カ月ぶりに改善した。業界別では『製造』『卸売』『小売』『サービス』が大きく改善した。中東情勢の影響が弱まることへの期待感や、本格的に暑くなる前の家電・飲料などの販売好調が要因とみられる。一方、燃料高や人材不足、金利上昇などの影響で『運輸・倉庫』『不動産』は悪化して低水準となった。依然として中東情勢は先行き不透明な状況にあるなかで、金利の上昇が企業経営にマイナスの影響を及ぼすとの声も多く聞かれ、当面は一進一退の展開が続くであろう。

・景気DI

「岡山」の景気DIは、前月比2.7ポイント増の41.8となり、4カ月ぶりに改善した。『全国』(42.6)より0.8ポイント低く、7カ月連続で『全国』を下回ったものの、中国5県の中では改善幅が最も大きく、47都道府県別の順位は前月の31位から20位に上昇し、中国5県では2カ月ぶりに1位となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比3.2ポイント増の47.4となり、2カ月連続で改善した。「中小企業」は同2.6ポイント増の40.6となり、4カ月ぶりに改善。うち「小規模企業」も同3.5ポイント増の39.2となり、4カ月ぶりに改善した。13カ月連続で「大企業」が「中小企業」を上回り、格差は6.2から6.8に拡大。

・業界別DI

9業界中、「改善」が6業界、「悪化」が2業界、「横ばい」が1業界だった。半導体関連が好調な『製造』が改善したほか、飲料を中心とした販売が伸び、『卸売』『小売』が改善した。一方で『運輸・倉庫』『不動産』は悪化して、『運輸・倉庫』は2年10カ月ぶり、『不動産』は1年10カ月ぶりに30を下回った。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は前月比3.0ポイント増の43.1となり、2カ月連続で改善した。「6カ月後」は同3.7ポイント増の44.1となり、2カ月連続で改善した。「1年後」は同3.7ポイント増の45.0となり、5カ月ぶりに改善した。3指標がそろって改善するのは5カ月ぶりとなった。

■山口県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.8

0.7

2カ月連続で改善

・概況

「山口」の景気DIは40.8と前月より0.7ポイント改善し、2カ月連続で前月を上回ったが、前年同月との比較では4カ月連続で悪化した。『小売』では「値上げによる影響から購買意欲が減退、必要なもの以外は買い控え」との声があり、各業界で中東情勢の緊迫による資材不足や物価高、コスト上昇に対して希望通りの価格改定が行えないなどのコメントがきかれた。供給不足や資材高による設備投資の先延ばしなどの先行き不透明感に加えて、金利上昇を懸念する声も増えており、今後も景気は一進一退が続くであろう。

・景気DI

「山口」の景気DIは、前月比0.7ポイント改善の40.8と2カ月連続で前月を上回った。都道府県順位は25位(前月は22位)と低下し、『全国』42.6との比較では1.8ポイント下回った。なお、前年同月(42.6)との比較では1.8ポイント下回り、4カ月連続で悪化となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比2.7ポイント改善の42.7と4カ月ぶりに改善し、「中小企業」は同0.3ポイント改善の40.5と2カ月連続で改善した。「小規模企業」は同1.6ポイント悪化の36.1と2カ月ぶりに悪化した。「大企業」と「中小企業」の差は2.2と2カ月振りに「大企業」が「中小企業」を上回った。

・業界別DI

『建設』は4カ月ぶり、『運輸・倉庫』は2カ月ぶりに改善し、特に『運輸・倉庫』は大きく改善し50台に乗せた。『不動産』『卸売』は2カ月連続で改善したものの『不動産』は30台にとどまった。『小売』は横ばいながら30台にとどまり、『サービス』『製造』は2カ月ぶりに悪化した。『農・林・水産』は2カ月連続で悪化し20台となった。

・先行き見通しDI

3カ月後は42.8(前月40.3)、6カ月後は44.5(同41.7)、1年後は46.5(同44.6)と各期間で前月より改善し、先行きについても改善の見通しにある。規模別では各規模で改善の見通しを示し、業界別では『運輸・倉庫』のみが先行き悪化の見通しにあるが、その他の業界では改善の見通しを示している。

「中国ブロック(2026年6月)」の詳細(中国ブロック:鳥取・島根・岡山・広島・山口)