レポート

TDB景気動向調査2026年5月(東海ブロック:愛知・岐阜・三重・静岡)

■東海ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.5

0.7

3カ月ぶりに改善

・概況

『東海』の景気DIは3カ月ぶりに改善となった。各業界内では格差が広がっており、「円安、原油高、ナフサ不足により、プラス要素がない」(卸売)など中東情勢の影響を懸念する声がある一方、「中東での戦争の影響によるリサイクル材の需要が増加している」(卸売)など目先の受注が増えていることを好感する企業もある。先行きは、中東情勢の動向次第の面があり、原油や化学製品の不足や価格高騰などの影響が懸念される。国内消費は株高による富裕層の消費が堅調だが、それ以外は節約志向が強く、景況感は一進一退の推移となりそうだ。

・景気DI

『東海』の景気DIは40.5と前月比0.7ポイントの改善。自動車や半導体関連などが堅調で3カ月ぶりに改善した。全国10地域中の順位は前月から3ランクアップの4位となったが、15カ月連続で全国を下回っている。

・規模別DI

「大企業」(43.2)は前月から0.5ポイント、「中小企業」(40.0)は同0.7ポイント、「小規模企業」(38.1)は同0.4ポイントそれぞれ改善した。すべての規模が改善となるのは2025年8月以来9カ月ぶり。

・業界別DI

10業界中7業界が改善、1業界が悪化、2業界が横ばい。中東情勢への不安はあるものの、ガソリン価格が予想ほど高騰していないことやGWの観光需要もあって『運輸・倉庫』が改善したほか、自動車部品関連の荷動きの堅調もあり、『卸売』も改善となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は40.4(前月は38.5)と前月比1.9ポイント、「6カ月後」は41.1(同40.0)と同1.1ポイントそれぞれ改善、「1年後」は43.2(同43.2)と前月から横ばい。しかし、すべての指標が全国を下回っており、先行き警戒感は強い。

■愛知県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.5

0.5

改善は3カ月ぶり

・概況

「愛知」の景気DIは、3カ月ぶりの改善となったが、3月・4月の大幅下落に対する反動という側面が強い。「中東情勢による生産機種・仕向け変更に伴う一時的な増産特需を受けている」(鉄鋼・非鉄・鉱業)との声は一部にはあるものの、資材価格高騰や調達難への懸念は強く、設備投資抑制の動きなども出始めている。補正予算案は大半がエネルギー高騰対策に充てられる内容だが、物価高はむしろ加速している現状で、中東情勢の早期解決がなければ、景況感は引き続き弱含みの展開を強いられそうだ。

・景気DI

「愛知」の景気DIは40.5となり、前月から0.5ポイントの上昇で小幅ながら改善となるのは3カ月ぶり。ただし、全国を下回るのは7カ月連続で、中東情勢悪化への懸念は根強く、本格回復には程遠い状況だ。

・規模別DI

「大企業」(42.6)は前月から0.2ポイント下落し3カ月連続の悪化。一方、「中小企業」(40.0)は同0.5ポイント、「小規模企業」(38.0)は同0.6ポイントそれぞれ3カ月ぶりに改善。「大企業」と「中小企業」の格差は2カ月ぶりに縮小した。

・業界別DI

主要9業界中改善は5業界、悪化は3業界、1業界が横ばい。ガソリン価格抑制やインバウンド需要の底堅さもあり『運輸・倉庫』(43.9)は前月から5.2ポイントの大幅改善、『サービス』(44.8)も同0.8ポイント上昇。一方、調達難や値上がりへの懸念から『製造』(39.3)、『小売』(32.8)は悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は40.5(前月38.5)で前月から2.0ポイント、「6カ月後」は41.0(同39.6)で同1.4ポイント、「1年後」は43.5(同42.7)で同0.8ポイントそれぞれ改善。先行き不透明感はやや後退したもののの、すべての指標が全国を下回った。

■岐阜県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.0

1.6

5カ月ぶりに改善も30台に留まる

・概況

「岐阜」の景気DIは、前月比1.6ポイント増の39.0となった。イラン情勢については「中東情勢はマイナス材料だが、仕入品目の値上げなど一部不具合はあるものの、特に事業継続に支障をきたすほどではない」(製造)といった声があったが、「石油製品の供給が先行き不透明である」など、石油製品の供給不安や生産活動への影響を指摘する声が散見される。日経平均株価は高水準が続くが、実体経済との乖離は否めない。さらに物価上昇や金利負担の影響も懸念され、岐阜県内の景況感は今後も厳しい推移が続くと見込まれる。

・景気DI

岐阜県内企業の景気DIは前月比1.6ポイント増の39.0で、5カ月ぶりに改善。しかし、東海4県の全てが前月比で改善した中、岐阜のみが2カ月連続で30台に留まった。全国順位は32位(前月39位、前年同月36位)に向上したが、20カ月連続で全国DIを下回ったほか、東海4県では7カ月連続最下位だった。

・規模別DI

「大企業」は前月比0.7ポイント増の36.8で、4カ月ぶりに改善。「中小企業」は同1.7ポイント増の39.3(「中小企業」のうち「小規模」は同0.5ポイント増の36.9)で、いずれの指標も改善。規模間格差は同1.0ポイント減となったが、3カ月連続で「大企業」が「中小企業」を下回った。

・業界別DI

前月と比較可能な8業界中、6業界で改善、2業界で悪化。『農・林・水産』が前月比6.9ポイント減の37.5、『金融』が前月比16.8ポイント減の33.3。『金融』が30台になるのは2020年5月以来72カ月ぶり。30台は6業界で、全ての業界で50を下回るのは2022年8月以来45カ月ぶり。

・先行き見通しDI

先行きDIは、「3カ月後」は前月比3.0ポイント増の38.4、「6カ月後」は同2.7ポイント増の40.3、「1年後」は同1.5ポイント減の40.8となった。「3カ月後」「6カ月後」は改善した一方、「1年後」は悪化。全ての指標で全国DIを下回る状態が続く。

■三重県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.8

1.7

3カ月ぶりに改善

・概況

「三重」県内企業の景気DIは41.8に改善した。中東情勢の緊迫が続くなか、ホルムズ海峡を巡る制約は残る一方で、一部で資源供給面に持ち直しの動きがみられた。ただ、中小企業では調達の遅れやコスト上昇の影響が残り、改善幅は限定的だ。県内企業からは「一部の材料の入手が難しく、ワンストップで進まず現場が止まる場面もあった」「中東情勢の影響で今後の値上げが見込まれ影響が懸念」といった声が聞かれる。原材料コストの上昇圧力はなお残り、価格転嫁の遅れが収益を圧迫するなか、県内経済は一進一退の状況が続くとみる。

・景気DI

三重県内企業の景気DIは前月比1.7ポイント増の41.8と3カ月ぶりに改善し、全国平均も3カ月ぶりに上回った。都道府県別の順位は12位と前月の19位から7ランク上昇。また、東海4県の中では3カ月ぶりに1位となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比5.1ポイント増の48.7と3カ月ぶりに改善。「中小企業」は同1.3ポイント増の40.9、うち「小規模企業」は同1.8ポイント増の38.9とそれぞれ3カ月ぶりに改善した。規模間格差は「大企業」が「中小企業」を14カ月連続で上回り、その格差は7.8ポイントに拡大した。

・業界別DI

前月と比較可能な8業界では、唯一『サービス』が悪化し最も低いDIとなった。このほか『農・林・水産』、『建設』、『不動産』、『製造』、『卸売』、『小売』、『運輸・倉庫』の7業界が改善した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」40.1(前月37.9)、「6カ月後」41.1(同40.7)、「1年後」44.2(同42.3)と、中期的には僅かな回復にとどまるものの、総じて改善の期待感があらわれている。

■静岡県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.7

0.1

3カ月ぶりに改善

・概況

「静岡」の景気DIは40.7と前月比改善した。企業からは、「自動車業界および住宅業界の受注は伸びてきている」(サービス)との明るい声もあったが、一方で「中東情勢の影響による資材価格高騰、資材不足による工事延期など」(建設)、「円安、原油高、ナフサ不足により、プラス要素がない」(卸売)など厳しい声も多くあがった。中東情勢の悪化や円安が足かせとなって景況感は低調な推移が続いており、先行きについても慎重な見方が拡がっている。

・景気DI

「静岡」は前月比0.1ポイント増の40.7となり、3カ月ぶりに改善した。全国(41.6)との比較では0.9ポイント下回り、全国順位では第17位となり、前月の第15位より低下した。なお、東海4県のなかでは、「三重」の41.8に次いで2番目に高くなった。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.0ポイント増の45.7にとどまり、4カ月連続で良否判断の分かれ目となる50を下回った。「中小企業」では前月横ばいの39.8となった。「大企業」と「中小企業」の規模間格差は前月比1.0ポイント拡がり、5.9ポイント差となった。

・業界別DI

主要6業界では『建設』が前月比2.9ポイント減の43.7にとどまったが、9カ月連続で最も高くなった。一方で、『卸売』は38.4にとどまり、5カ月ぶりに最下位となった。なお、改善した業界は『運輸・倉庫』など3業界、悪化した業界は『建設』など3業界となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は41.4で前月より改善したが、「6カ月後」は41.7で前月横ばい、「1年後」は43.5で前月より悪化した。しかし、規模別では「大企業」が3指標全てで前月を下回り、「1年後」では「大企業」「中小企業」「小規模企業」全てで前月を下回った。

■山梨県、長野県は、北関東エリアに含んで集計しています。

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