レポート

TDB景気動向調査2026年5月(北陸ブロック:新潟・富山・石川・福井)

■北陸ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.4

-0.8

全国10ブロック中の順位は7位に後退

・概況

『北陸』の景気DIは39.4(前月比0.8ポイント減)。3カ月連続で悪化し、中東情勢の不透明感から景気後退の観測が強まっている。「円安とホルムズ海峡封鎖で石油関連製品の価格が軒並み上昇」(農・林・水産)、「資材がない」(建設)、「4月以降の見積もり件数が徐々に減り、5月以降は受注が減少」(製造)、「ナフサ不足で塗料が値上がり、入手困難」(精密機械)と影響は幅広い業種に及んでいる。個人消費も一段と節約傾向が強まっており、インバウンドも「ホテル・旅館の格差が大きくなってきている」(サービス)という。

・景気DI

『北陸』の景気DIは39.4(前月比0.8ポイント減)と3カ月連続で悪化。「新潟」が38位に低下したことにより、全国順位は3位⇒7位に後退。「富山」が40.3(同0.2pt増)で19位⇒21位、「石川」が44.1(同1.2pt減)で3位⇒3位、「福井」が37.0(同0.5pt増)で44位⇒41位。

・規模別DI

「大企業」が43.6(前月比1.5ポイント減)と2カ月連続、「中小企業」が38.6(同0.7pt減)と3カ月連続でそれぞれ悪化した。一方、「うち小規模」は38.9(同0.1pt増)と小幅ながら2カ月ぶりに改善。「大企業」と「中小企業」の規模間格差は5.0(前月5.8)と0.8pt縮小した。

・業界別DI

『建設』が41.3(前月比1.5ポイント減)と4カ月連続で悪化したほか、『製造』が37.2(同0.4pt減)と3カ月連続、『サービス』も46.8(同0.3pt減)と2カ月連続で悪化した。『金融』『運輸・倉庫』の落ち込みも大きい。反面、『小売』は38.3(同1.3pt増)と3カ月ぶりに改善。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が40.5(前月40.5)、「6カ月後」が40.6(同40.5)、「1年後」が42.5(同42.9)と、長引くイラン情勢を反映して膠着感が強まっている。コスト上昇を懸念して、業種別では『建設』『製造』『運輸・倉庫』の先行き見通しが悪化している。規模別では「大企業」と「うち小規模」が悪化。

■新潟県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

38.1

-1.8

全国順位は38位に後退

・概況

「新潟」の景気DIは38.1(前月比1.8ポイント減)。「ナフサショックで受注不可、出荷日未定の品目が多い」(建材卸売)、「製造コストが大幅上昇」(食品製造)、「原油関連はまだまだ品不足で、ホルムズ海峡封鎖解除でも鎮静化するとは思えない」(化学)、「3カ月後、景気は相当悪化するのでは」(鉄鋼)「潤滑油、パーツクリーナー、タングステンが不足」(製造)と、中東情勢を懸念する声が多く聞かれた。反面、情報化投資は活発で、「補助金対象業種と対象外とで格差が拡がっている」(金融)との指摘もあった。

・景気DI

『北陸』の景気DIは39.4(前月比0.8ポイント減)と3カ月連続で悪化。「新潟」が38位に低下したことにより全国順位は3位⇒7位に後退。「富山」が40.3(同0.2pt増)で19位⇒21位、「石川」が44.1(同1.2pt減)で3位⇒3位、「福井」が37.0(同0.5pt増)で44位⇒41位。

・規模別DI

「大企業」が42.6(前月比4.3ポイント減)と2カ月連続で大幅な悪化。「中小企業」も37.5(同1.4pt減)と2カ月ぶりに悪化した。一方、「うち小規模」は38.0(同1.1pt増)と3カ月ぶりに改善。「大企業」と「中小企業」の規模間格差は5.1(前月8.0)と2.9pt縮小した。

・業界別DI

『金融』が40.0(前月比8.3ポイント減)、『運輸・倉庫』が36.1(同6.5pt減)と大幅な悪化。また、『サービス』が44.6(同2.2pt減)と2カ月連続で悪化した。反面、『小売』が35.7(同2.4pt増)と3カ月ぶりに改善、『製造』も36.4(同0.4pt増)と2カ月ぶりに改善した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が40.2(前月40.4)と僅かながら悪化したが、「6カ月後」が40.4(同39.2)、「1年後」が42.2(同42.1)と改善した。業種別では『建設』『卸売』『小売』が改善傾向にあり、『運輸・倉庫』が大幅な悪化。規模別では「中小企業」が改善している。

■富山県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.3

0.2

前月から改善も、小幅にとどまる

・概況

「富山」の景気DIは前月比0.2ポイント増の40.3に改善したものの、全国順位は前月の19位から21位に後退した。『北陸』は「新潟」と「石川」の悪化が影響し39.4と前月40.2から悪化した。全国DIは41.6と、若干の改善となった。「売上、宿泊数ともに伸びている」(旅館・ホテル)などの声が聞かれた一方、「ナフサ不足から塗料の値上がり」(精密機械製造)などの声もあった。いずれにせよ、富山の景気DIは小幅改善にとどまり、一進一退が続いていることから、今後も状況を注視していく必要があろう。

・景気DI

「富山」の景気DIは、前月比0.2ポイント増の40.3と前月から改善した。また、福井が改善した一方、新潟と石川は悪化し、『北陸』のDIは前月比0.8ポイント減の39.4と前月比で悪化した。全国は前月比0.1ポイント増の41.6となり若干増となった。「富山」の順位は前月19位から21位へ後退した。

・規模別DI

「大企業」(42.9)は前月並み、「中小企業」(39.6)は前月比0.2ポイント増と上昇した一方、「小規模企業」(38.7)は同3.0ポイント減となった。結果、「大企業」と「中小企業」の規模間格差は3.3ポイント(前月3.5ポイント)と縮小した。

・業界別DI

10業界中、前月比改善は『不動産』『運輸・倉庫』『サービス』の3業界となった一方、同悪化は『農・林・水産』『建設』『製造』『卸売』の4業界となった。景気判断の分かれ目となるDI50以上となったのは3業界(前月1業界)であった。

・先行き見通しDI

「3ヵ月後」(前月比0.5ポイント増)、「6ヵ月」(同1.7ポイント増)「1年後」(同2.8ポイント増)と、先に行くほど改善する見通しとなった。業界別では、『農・林・水産』は不安感を払拭できない結果となった一方、『建設』『製造』『卸売』『小売』『サービス』は先行きに対する期待感が窺えた。

■石川県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

44.1

-1.2

直近1年で最低、漸減傾向続く

・概況

「石川」の景気DIは、前月比1.2ポイント悪化の44.1で、直近1年間では最低となった。3月以降、中東情勢の悪化が各指標に確実に影響を及ぼしており、中小企業を中心に先行き見通しDIをより厳しく見ている。原油高騰のほかナフサ等の供給懸念は大きく、当面、各指標は全国的に低迷が続くことも予想されるなか、石川の各指標への影響は比較的小さく、都道府県順位では前年同月比1ランク上昇の3位となった。引き続き『サービス』が県内景気をけん引しているが、同業種でもDIの悪化がみられる点には注意が必要であろう。

・景気DI

「石川」の5月の景気DIは、前月比1.2ポイント悪化の44.1となった。直近1年間では最低、今年に入ってからは増減を繰り返しながら漸減が続いている。中東情勢の影響から全国的に景気DIは低迷しているものの石川県への影響は軽微で、都道府県別順位は前月比横ばい、対前年比1ランクアップの3位となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比2.0ポイント改善だったのに対して、「中小企業」が前月比2.0ポイント悪化となったことから、「大企業」と「中小企業」の格差は前月比4.0ポイント悪化の9.6まで拡大した。今年に入って最大の格差。中東情勢への懸念から「中小企業」は半年後までの先行き見通しDIは厳しい結果となった。

・業界別DI

8業界のうち改善は2業界、2業界で横ばい、4業界で悪化した。2カ月連続で改善していた『運輸・倉庫』で大きく落ち込んだほか、県内の景気をけん引する『サービス』でも前月比2.2ポイント悪化した。2カ月連続で悪化していた『建設』では改善したものの、先行き見通しDIは低迷が続いている。

・先行き見通しDI

先行き見通しについて、各指標は前月より改善したものの、引き続き中東情勢の影響から低迷が続いている。原油価格の高騰やナフサ等の石油製品の供給懸念が払しょくできていない現状が反映されている。さらに前年同月比では3カ月連続で各指標大きく落ち込んでおり、この点は看過できない。

■福井県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

37.0

0.5

7ヶ月ぶりの改善

・概況

『福井』の景気DIは、前年同月比は悪化したものの、前月比では僅かに改善を示す結果となった。最も多く聞かれた意見は「中東情勢による影響」であり、「材料価格の上昇と納期遅れ」(建設)、「燃料価格の高騰で収益性が低下」(運輸・倉庫)などの意見が大勢を占めた。一方、「業界や地域で勝ち組・負け組がはっきりしてきた」(サービス)としながらも、「北陸新幹線の延伸効果で旅行やビジネス客が増加」(サービス)などの明るい意見もみられた。

・景気DI

「福井」の5月景気DIは37.0となり、前月比0.5ポイント改善したが、前年同月比では3.5ポイントの悪化となった。都道府県別順位は41位で、前月(44位)より上昇した一方、前年同月(32位)比では後退した。業界別では『卸売』『小売』『サービス』で改善がみられた。

・規模別DI

「大企業」の5月景気DIは37.5となり、前月比で3.7ポイント悪化したが、「中小企業」は36.9で同1.3ポイント改善、「うち小規模企業」は37.3で同1.5ポイントの改善となった。なお、「大企業」と「中小企業」との格差は0.6に縮小した。

・業界別DI

比較可能な8業界のうち、景気DIが改善を示したのは3業界、横ばいが3業界、悪化が2業界となった。『建設』が前月比4.7ポイント、『運輸・倉庫』が同11.1ポイントと大きく落ち込んだ。一方で、『卸売』が同5.6ポイント、『サービス」が同4.2ポイントの改善を示した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は36.8、「6カ月後」は35.6とやや低下が続く見通しになったが、「1年後」は38.8と小幅の改善を期待する意見が多かった。業界別では、『サービス』が消費低迷から低下が続くとの見通しになったが、『製造』や『卸売』などで「1年後」の回復を期待する意見がみられた。

「北陸ブロック(2026年5月)」の詳細(新潟・富山・石川・福井)