レポート

TDB景気動向調査2026年4月(東海ブロック:愛知・岐阜・三重・静岡)

■東海ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.8

-1.6

40割れは3年8カ月ぶり

・概況

『東海』の景気DIは2カ月連続で悪化。景気DIが40を下回るのは2022年8月以来3年8カ月ぶりで、景況感の悪化が顕著となっている。「中東情勢の影響により資材が不足し、価格が値上がりしている」(建設)など、素材の価格高騰や品薄の影響が規模・業界を問わず広がっている。中東情勢の一刻も早い収束が待たれるが、仮に正常化しても以前のような価格水準に戻るには相応の時間を要すると考えられ、価格転嫁の成否が企業業績を左右しそうだ。先行き不透明感は拭えず、景況感は下押しリスクにさらされる状況が続きそうだ。

・景気DI

中東情勢悪化による素材価格高騰などにより、『東海』の景気DIは39.8と前月比1.6ポイントの悪化。2カ月連続で4県すべてが前月から悪化となるのは2020年4月以来。全国を下回るのは14カ月連続で、全国10地域中の順位が7位まで下がるのは3年2カ月ぶり。

・規模別DI

「大企業」(42.7)は前月から0.9ポイント、「中小企業」(39.3)は同1.6ポイント、「小規模企業」(37.7)は同1.9ポイントそれぞれ悪化した。2カ月連続ですべての規模が悪化となるのは1年ぶり。

・業界別DI

10業界中7業界が悪化した。資材の価格高騰や入手困難の影響は幅広い業界に及んでおり、『建設』は3カ月連続で悪化し5年3カ月ぶりに景気DIが40を下回った。金利上昇を懸念する声がある『不動産』は前月比4.2ポイントの悪化となったほか、『サービス』『製造』などが2カ月連続で悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は38.5(前月は40.0)と前月比1.5ポイント、「6カ月後」は40.0(同41.1)と同1.1ポイント、「1年後」は43.2(同43.6)と同0.4ポイントそれぞれ悪化。すべての指標が全国を下回っており、先行き見通しも厳しさが増している。

■愛知県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.0

-1.1

2カ月連続で悪化

・概況

「愛知」の景気DIは、2カ月連続で悪化となった。米国とイスラエルによるイラン侵攻により中東情勢は緊迫化し、原油の供給不安は世界経済の悪化を招いている。企業からは「塗料および接着剤の供給が、これまで経験したことのない状況となっており、販売することが困難になっている」「中東向け輸出が止まっており、一部部品に受注停止などの影響が出ている」など、中東情勢の悪化の影響をあげる声が多い。当面、中東情勢の改善は望み薄であり、円安も続くなか、景況感の停滞は続きそうな気配だ。

・景気DI

「愛知」の景気DIは40.0となり前月から1.1ポイント悪化。2カ月連続で悪化し、6カ月連続で全国を下回った。中東情勢の悪化による原油価格の高騰や化成品の不足感が景況感に悪影響を与えている。

・規模別DI

2カ月連続で全ての規模で悪化した。「大企業」(42.8)は前月から0.4ポイント、「中小企業」(39.5)は同1.2ポイント、「小規模企業」(37.4)は同2.3ポイントそれぞれ悪化となった。「小規模企業」の悪化幅が大きかったため、格差は拡大した。

・業界別DI

主要9業界中5業界が悪化、3業界が改善、1業界が横ばい。中東情勢の悪化により資材価格の高騰や品不足の影響が出始めている『建設』(37.4)は前月比4.7ポイントの大幅悪化。ガソリン価格の値上げ幅が当初の予想より低かったことで『運輸・倉庫』(38.7)は改善。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は38.5(前月39.9)で前月から1.4ポイント、「6カ月後」は39.6(同41.0)で同1.4ポイント、「1年後」は42.7(同43.4)で同0.7ポイントそれぞれ悪化した。全国との比較でも全期間で下回っており、先行き不透明感が強い。

■岐阜県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

37.4

-3.1

3カ月連続で悪化。

・概況

「岐阜」の景気DIは、前月比3.1ポイント減の37.4となった。「エネルギー(重油)の調達に苦労しており、価格が言い値である」(製造)、「原材料価格の高騰、さらには入荷停止も懸念される」(製造)など、イラン情勢の悪影響を指摘するマイナスの声が多く見受けられ、プラスの声を上回っている。政府はナフサ由来の化学品供給の継続に注力しているが、イラン情勢の収束にメドは立たず、物価高の進行から消費マインドが一層冷え込むことが懸念される。今後も「岐阜」の景気動向は厳しい見立てが続く公算が大きい。

・景気DI

岐阜県内企業の景気DIは前月比3.1ポイント減の37.4となり、9カ月ぶりに30台に落ち込んだ。また、3カ月連続で悪化し、19カ月連続で全国DIを下回った。全国順位は39位(前月31位、前年同月36位)へと後退した。東海4県では6カ月連続最下位で、唯一30台だった。

・規模別DI

「大企業」は前月比3.6ポイント減の36.1で、2カ月連続30台。「中小企業」は同3.1ポイント減の37.6(「中小企業」のうち「小規模」は同0.8ポイント増の36.4)。規模間格差は同0.5ポイント減の▲1.5。2カ月連続で「大企業」が「中小企業」を下回るのは、2022年2~3月以来49カ月ぶり。

・業界別DI

前月と比較可能な8業界のうち、改善は1業界のみで6業界で悪化。改善は『運輸・倉庫』のみで前月比10.0ポイント増の43.3。『小売』は前月比横ばい。その他6業界は全て悪化。『金融』が同8.3ポイント減の50.0ながら辛うじて50台を維持したが、DIが30台の業界は前月の3業界から4業界に増加。

・先行き見通しDI

先行きDIは、「3カ月後」は前月比3.2ポイント減の35.4、「6カ月後」は同1.8ポイント減の37.6、「1年後」は同0.7ポイント減の42.3となった。前月同様にいずれの指標も悪化し、全国DIを下回ったほか、「3カ月後」「6カ月後」は30台に留まった。

■三重県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.1

-1.2

2カ月連続で悪化

・概況

「三重」県内企業の景気DIは40.1に悪化。中東情勢の緊迫による地政学リスクを背景に、エネルギー価格や原材料供給を巡る不透明感が強まり、本県ではその影響が幅広い業種に及んでいる。原材料調達や物流面への影響が波及しやすく、県内企業から「ナフサが入らず建材が後回しにされている」「原料は週ごとに値上がりし、高くても止められない」といった声が聞かれる。化学、建設、運送など基幹産業を中心に景況感は鈍いが、物流動向や原材料供給に改善が見られれば影響が和らぐ可能性もあり、県内経済は一進一退の状況が続くとみる。

・景気DI

三重県内企業の景気DIは前月比1.2ポイント減の40.1と2カ月連続で悪化し、全国平均に対しても2カ月連続で下回った。ただ、都道府県別の順位は19位と前月の24位から4ランク上昇。また、東海4県の中では前月に続いて2位となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.6ポイント減の43.6と2カ月連続で悪化。「中小企業」は同1.1ポイント減の39.6、うち「小規模企業」は同5.0ポイント減の37.1とそれぞれ2カ月連続で悪化した。規模間格差は「大企業」が「中小企業」を13カ月連続で上回り、その差は4.0ポイントと前月から若干縮まった。

・業界別DI

前月と比較可能な8業界では、『農・林・水産』、『製造』、『小売』、『サービス』の4業界が改善した。一方、大幅な下落となった『不動産』をはじめ『建設』、『卸売』、『運輸・倉庫』の4業界が悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」37.9(前月38.2)、「6カ月後」40.7(同38.6)、「1年後」42.3(同41.2)と、前月調査と比べ短期よりも中長期で改善の期待感があらわれている。ただし、業界別で『小売』は、DIが全期間で30台にとどまっており、先行きへの警戒感が高まっている。

■静岡県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.6

-1.6

2カ月連続で悪化

・概況

「静岡」の景気DIは40.6と前月比悪化した。企業からは、「気候が良くなってきて、少し客数が増えた」(小売)との明るい声もあったが、一方で「中東情勢の影響により、資材が不足し、価格が値上がりしている」(建設)、「円安、物価高、実質賃金の低下によって、多くの国民が出費を控えている」(卸売)など厳しい声も多くあがった。静岡県は前月の先行き見通しDIが大幅に悪化していたなかで、中東情勢に大きな進展がみられず、主要6業界の全てで前月を下回り、景況感の悪化が全方位に及んでいる。

・景気DI

「静岡」は前月比1.6ポイント減の40.6となり、2カ月連続で悪化した。全国(41.5)との比較では0.9ポイント下回ったが、全国順位では第15位となり、前月の第18位より上昇した。なお、東海4県のなかでは、2カ月連続して最も高くなった。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.0ポイント減の44.7にとどまり、3カ月連続で良否判断の分かれ目となる50を下回った。「中小企業」でも同1.7ポイント減の39.8にとどまった。「大企業」と「中小企業」の規模間格差は前月比0.7ポイント拡がり、4.9ポイント差となった。

・業界別DI

主要6業界では『建設』が前月比2.5ポイント減の46.6にとどまったが、8カ月連続で最も高くなった。一方で、『小売』と『運輸・倉庫』はともに38.9にとどまり、最下位となった。なお、改善した業界はなく、主要6業界全てが前月より悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は40.5、「6カ月後」は41.7、「1年後」は44.8となり、2カ月連続で3指標ともに前月を下回った。しかし、規模別では「中小企業」は2カ月連続して3指標ともに前月を下回ったが、「大企業」では、「3カ月後」は前月横ばい、「6カ月後」は前月を上回った。

■山梨県、長野県は、北関東エリアに含んで集計しています。

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