レポート

TDB景気動向調査2026年4月(南関東ブロック:埼玉・千葉・東京・神奈川)

■南関東ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

45.0

-1.3

2カ月連続で悪化

・概況

『南関東』の景気DIは全国順位でトップを維持したものの、2カ月連続で悪化した。規模別、業界別、先行きのほとんどが悪化し、中東情勢の影響による先行きの見通し悪化の影響が表われた形となった。「石油関連商品の入荷が出来ない恐れがあり、先行きが見通せない」(建設)、「燃料の高騰などで影響が出てくると思われる」(運輸)との声もある。長引く中東情勢による先行き懸念の声が、ますます高まっていると言える。

・景気DI

『南関東』の景気DIは前月から1.3ポイント減の45.0となり、2カ月連続で悪化したが、全国順位は14カ月連続でトップを維持した。都県別では、「神奈川」(前月比2.3ポイント減)と2カ月ぶりに悪化に転じたほか、「千葉」が同1.7ポイント、「東京」、「埼玉」ともに同1.0ポイント悪化し、全て悪化した。

・規模別DI

「大企業」「中小企業」「小規模企業」の全ての規模で2カ月連続で悪化した。「大企業」は前月比1.6ポイント低下、「中小企業」は同1.2ポイント低下、「小規模企業」は同1.2ポイント低下した。規模間格差は0.4ポイント縮小した。

・業界別DI

業界別では『小売』『その他』は改善したが、そのほか7業界は悪化、『製造』は横ばいとなった。特に、『農・林・水産』は前月比5.9ポイント、『建設 』も同4.4ポイント、『金融』も同4.0ポイント低下し、その幅が大きく、中東情勢の影響によるコスト高や材料不足などによる受注減少などを懸念する声が多かった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は44.0(前月45.1)、「6カ月後」は44.3(同45.3)、「1年後」は46.1(同46.6)と全て悪化した。規模別でも全てで50を下回った。業界別では、「1年後」のDIが前月を上回ったのは『製造』、『小売』、『サービス』、『運輸・倉庫』で、そのほかの6業界はいずれも悪化した。

■埼玉県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.2

-1.0

2カ月連続で悪化

・概況

埼玉県の景気DIは前月比1.0ポイント減の41.2となり、2カ月連続で悪化した。業界ごとでは一部に改善の動きがみられるが、規模別や先行き見通しなど、全般的に停滞感は強い。要因はやはり中東情勢の悪化で、ナフサをはじめとした原材料の供給不安が一番大きい。各種資材の仕入れで支障を来たし、納期遅れや仕事の進捗状況での悪影響が指摘され、とりわけ当月は建設業での声が多く聞かれる。また、価格高騰による収益面への影響は幅広い業界に及んでおり、例月通り懸念を示す企業は少なくない。事態長期化への不安の声も多い。

・景気DI

景気DIは41.2となり、前月比1.0ポイント減で2カ月連続して悪化した。全国、『南関東』もそれぞれ悪化。管内都県も全てが悪化で、「神奈川」は2.3ポイントの大幅なダウン。「埼玉」のDIは11カ月ぶりに41台まで低下したが、全国順位は10位となって前月(18位)から8ランクアップした。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.2ポイント減の43.6、「中小企業」は同0.9ポイント減の40.9、「小規模企業」は同0.1ポイント減の41.1となり、いずれの規模も悪化した。規模が大きくなるほど悪化幅が広がる結果に。「大企業」の大幅悪化にともない、規模間格差は前月から0.3ポイント縮小して2.7ポイントとなった。

・業界別DI

前月と比較可能な8業界中、改善は2業界、横ばい1業界、悪化が5業界。前月大幅悪化であった『小売』が盛り返して前月比3.2ポイント増。一方で、『不動産』が同3.8ポイント減となり、2021年2月以来5年2カ月ぶりの30台へ転落。好調をキープしていた『サービス』も落として3カ月ぶりに40台に。

・先行き見通しDI

「3カ月後」39.7(前月41.8)、「6カ月後」41.1(同42.9)、「1年後」44.1(同45.1)となり、3指標ともに前月を下回った。3指標いずれも前月比悪化は2カ月連続。先へ行くほど上昇の傾向に変化はないものの、見通し度合いは慎重度が強まっており、先行き不透明感の大きさが表れている。

■千葉県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.1

-1.7

2カ月連続で悪化

・概況

「千葉」の景気DIは43.1となり、前月比1.7ポイント減少し2カ月連続で悪化。イラン情勢の緊迫化により先行き見通しDIも悪化した。企業からは、「シンナーや塗料の不足で先行き不透明」(建設)、「塗装・梱包資材等の価格高騰が際立っている」(鉄鋼・非鉄製造)などの声が聞かれた。政府が原油等の調達先を拡大し必要量確保の目途を立てているとはいえ、供給の偏りや流通の目詰まりによる原材料の価格上昇、調達難が続いている。イラン情勢の先行きは不透明で、影響が懸念される。

・景気DI

「千葉」の景気DIは43.1となり、前月比1.7ポイント減少し、2カ月連続で悪化した。全国は前月から1.4ポイント減の41.5となり、「千葉」は全国を1.6ポイント上回り、全国順位は7位で前月(6位)から1つ下げた。

・規模別DI

「大企業」は48.4で前月比3.8ポイント増加した一方、「中小企業」は同2.3ポイント減の42.5となった。前月は「大企業」が「中小企業」を下回ったが再び逆転し、規模間格差は5.9ポイントとなった。

・業界別DI

『その他』を除く9業界のうち、『製造』は前月比0.1ポイント増加して改善、『農・林・水産』が横ばいとなったほか、7業界で前月比悪化した。また、『建設』『不動産』『製造』『サービス』の4業界は、「3カ月後」「6カ月後」の先行き見通しが、ともに足元のDIを下回った。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は41.6(前月43.2)、「6カ月後」は41.7(同43.5)、「1年後」は44.3(同45.5)となり、先へ行くほど高くなっているものの、3指標とも2カ月連続して悪化し、「3カ月後」「6カ月後」は足元のDIを下回った。イラン情勢の悪化が長期化する懸念があり、不透明感が広がっている。

■東京都

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

46.2

-1.0

6年ぶりに2カ月連続で1ポイント以上の悪化

・概況

「東京」の景気DIは46.2で、コロナ禍が始まった2020年4月以来6年ぶりに2カ月連続で1ポイント以上悪化した。企業からは、中東情勢による影響で「防水材料、塗料、シンナー系溶剤など石油由来製品が一気に出荷がストップし、大混乱が生じた」(建設)や「中東情勢による燃料価格の上昇及び貨物運送部門の運送数量の低下」(運輸・倉庫)といった声が聞かれた。原材料・燃料価格の高騰と供給混乱が企業の収益性を悪化させ、先行きへの慎重姿勢が強まるなかで、景況感の弱含みが鮮明となっている。

・景気DI

「東京」の景気DIは46.2(前月47.2)で、2カ月連続で悪化した。2カ月連続で1ポイント以上悪化したのはコロナ禍が始まった2020年4月以来6年ぶり。都道府県別順位は2位で前月(2位)と横ばいだった。

・規模別DI

「大企業」は48.7(前月比1.5ポイント減)、「中小企業」は45.5(同0.8ポイント減)、「小規模企業」は45.3(同0.8ポイント減)とすべての規模で2カ月連続悪化し、いずれも直近2年で最も低い数値となった。

・業界別DI

全10業界中、4業界が改善、6業界が悪化した。33カ月連続で50を超えていた『建設』(48.9)は前月から4.1ポイント悪化し、直近3年で最低値となった。円安による輸入コスト増が仕入れ価格を押し上げた『卸売』(41.4)は前月から1.8ポイント悪化。『小売』(46.1)は同4.5ポイント改善した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」(45.3、前月46.0)、「6カ月後」(45.4、同46.2)、「1年後」(46.8、同47.1)いずれも2カ月連続で悪化した。業界別では『金融』『建設』『卸売』など5業界で3指標いずれも悪化した一方で、前月3指標すべて5ポイント以上悪化した『小売』『運輸・倉庫』はいずれも改善した。

■神奈川県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

44.6

-2.3

2カ月ぶりの前月比悪化

・概況

「神奈川」のDIは2カ月ぶりの前月比悪化となった。「宇宙・航空・防衛の受注が堅調」(鉄鋼・非鉄・鉱業)、「半導体製造装置、工作機械向けで需要が増加」(機械・器具卸売)などの声が聞かれたが、とりわけ中東情勢の緊張を受けた先行きへの懸念が非常に強まっている。「中東情勢の影響による資材枯渇、価格高騰から、受注や問い合わせに停滞が生じている」(建設)など、足元で既に影響が出ている企業が増えている。長期化でさらに影響が広がることが見込まれ、目下の景況感は中東情勢の動向に左右され不確実性が高まっている。

・景気DI

「神奈川」の景気DIは44.6と前月(46.9)から2.3ポイント減少し、2カ月ぶりの前月比悪化となった。2020年度以降では、コロナ初期の2020年4月(前月比7.1ポイント減)に次ぐ悪化幅となり、2026年度も低調なスタートとなった。全国順位は5位で、前月の3位から下落した。

・規模別DI

「大企業」は47.9(前月比4.8ポイント減)、「中小企業」は44.1(同1.9ポイント減)、「小規模企業」は41.7(同2.0ポイント減)とすべてで悪化した。それぞれの減少幅はこの1年間で最大となり、なかでも「大企業」の減少幅が大きく、「中小企業」との格差は3.8ポイントと乖離幅は小さくなった。

・業界別DI

9業界中、7業界で前月比悪化となった。『建設』は3カ月ぶりの悪化で、10カ月ぶりに50.0を下回り、この1年での最低値となった。『サービス』は3カ月連続の悪化。『製造』は小幅ながらも3カ月連続の改善で、『小売』も4カ月ぶりに改善したものの、業界別では最低値と依然低調にとどまっている。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は43.8(前月45.2)、「6カ月後」は44.0(同44.8)、「1年後」は46.3(同46.6)とそれぞれ前月から悪化した。「3カ月後」「6カ月後」はそれぞれ当月(44.6)を下回り、7業界が3指標ともに50.0を下回るなど、先行きへの不透明感が増している。

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