レポート

TDB景気動向調査2026年2月(東海ブロック:愛知・岐阜・三重・静岡)

■東海ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.6

0.4

改善は横ばい挟んで4カ月ぶり

・概況

『東海』の景気DIは横ばいの月を挟んで4カ月ぶりに改善。「AI向けの電子材料用化学品の需要が急激に拡大している」(化学品製造)など、製造業の堅調さが当地区の景況感を下支えしている。一方で、新政権への期待の声も多くあるが、物価高対策をいつ・どの程度打ち出してくるかがこれから問われてくる。中東での戦火が拡大・長期化すれば、原油価格上昇によるコストプッシュインフレを強める恐れもある。景況感は一進一退の状況が続きそうだが、海外情勢という不確定要素に左右されるリスクへの備えは強めておくべきだろう。

・景気DI

自動車やAI向け投資の堅調さに支えられ、『東海』の景気DIは43.6と横ばいの月を挟んで4カ月ぶりの改善。「愛知」「三重」「静岡」は改善となったが、「岐阜」は4カ月ぶりに悪化。全国10地域中の順位は前月から変わらず3位だが、景気DIが全国を下回るのは12カ月連続。

・規模別DI

『建設』から厳しめの声が聞かれた「大企業」(46.8)は前月比0.5ポイント悪化となったが、「中小企業」(43.0)は同0.6ポイント、「小規模企業」(42.4)は同1.5ポイントそれぞれ改善。規模別では改善と悪化を繰り返しており、「大企業」と「中小企業」の格差は2カ月ぶりに縮小した。

・業界別DI

改善は4業界、悪化は4業界、横ばいは2業界。自動車関連やAI向けなどの設備投資に底堅さがあり横ばいを挟んで2カ月連続の改善となった『製造』(42.7)や、価格高騰で売り上げが増加している『卸売』(41.0)などが改善。一方、金利上昇への懸念の声がある『不動産』などは前月から悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は45.0(前月は44.9)と前月比0.1ポイント、「6カ月後」は45.8(同45.3)と同0.5ポイント、「1年後」は46.9(同46.4)と同0.5ポイントそれぞれ改善。ただし、すべての指標が全国を下回っており、先行き見通しには慎重さもうかがえる。

■愛知県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.3

0.4

2カ月連続の改善

・概況

「愛知」の景気DIは、2カ月連続で改善。中国人団体客は減少したがインバウンドは堅調で関連業界には明るさがみられる。一方、円安による食料品の値上げが続き、消費者の警戒感は強い。また、衆院選で大勝した高市政権の経済政策に期待がかけられているが、現段階では具体策ははっきりしない。海外では紛争が散発するなか、米国とイスラエルによるイランへの攻撃は中東情勢を混乱させ、原油価格高騰への警戒感が強まり世界経済に与える影響が懸念されている。先行きへの好材料は乏しく、「愛知」の景況感は一進一退の推移となりそうだ。

・景気DI

自動車関連やインバウンド消費などに支えられ、「愛知」の景気DIは43.3となり前月から0.4ポイント上昇し、2カ月連続で改善した。都道府県別の順位は前月から2ランクアップの21位となったが、4カ月連続で全国を下回った。

・規模別DI

「大企業」(46.7)は前月から0.8ポイント増と3カ月ぶりの改善となったほか、「中小企業」(42.6)は前月から0.3ポイント、「小規模企業」(42.2)は同2.5ポイントそれぞれ改善した。

・業界別DI

改善が7業界、悪化が1業界、横ばいが1業界。「インバウンド需要が好調である」との声がある『小売』が2カ月ぶりに改善、ガソリン価格の低下の恩恵がある『運輸・倉庫』が3カ月ぶりに改善するなど、幅広い業界が改善。一方、自動車、電機・機械以外は勢いがない『製造』は3カ月ぶりに微減。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は44.7(前月44.4)で前月比0.3ポイント、「6カ月後」は45.7(同44.8)同0.9ポイント、「1年後」は46.0(同45.5)で同0.5ポイントそれぞれ改善。しかし、全国との比較では全期間で下回っており、先行き不透明感は残っている。

■岐阜県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.5

-0.1

前月からわずかに悪化

・概況

「岐阜」の景気DIは前月比0.1ポイント減の42.5となった。インバウンドのほか、「冬場でガスの使用量が増加し、売上高が伸びている」(小売)といったプラスの声があった。一方、「トランプ関税に端を発した設備投資の様子見が継続」(製造)、「原材料や人件費の高騰で原価が逼迫する一方、販売価格への転嫁は不十分」(卸売)など、マイナス要因は改善されていない。先行きは高市政権の政策に期待する向きがあるが、不透明感は依然として根強い。イラン情勢で地政学的リスクが高まる中、景況感は厳しく推移する可能性が高い。

・景気DI

岐阜県内企業の景気DIは前月比0.1ポイント減の42.5となった。東海4県では唯一悪化し、17カ月連続で全国DIを下回った。全国順位は27位(前月26位、前年同月24位)となり、前月、前年同月より若干後退した。

・規模別DI

「大企業」は前月比3.2ポイント減の42.5。「中小企業」は同0.5ポイント増の42.5(「中小企業」のうち「小規模」は同0.2ポイント増の40.4)。規模間格差は同3.7ポイント減で2022年1月以来49カ月ぶりに0となった。この間「大企業」が「中小企業」を下回ったケースは4回あった。

・業界別DI

前月と比較可能な8業界のうち、4業界で悪化、3業界で改善した。悪化業界は『農・林・水産』『金融』『小売』『サービス』。『農・林・水産』は前月比12.5ポイント減の45.8で悪化が目立った。『小売』は2カ月連続悪化。改善業界は『建設』『製造』『卸売』。このうち『建設』は30台ながら4カ月連続で改善した。

・先行き見通しDI

先行きDIは、「3カ月後」は前月比1.7ポイント減の42.6、「6カ月後」は前月と同じ44.2、「1年後」は前月比0.1ポイント増の46.4となった。「1年後」が僅かに改善した程度で、全体としては厳しい見通しが続く。また、東海4県では全ての指標で最も低い水準にとどまっている。

■三重県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

45.4

0.4

3カ月連続で改善

・概況

「三重」県内企業の景気DIは45.4に改善した。衆議院選挙の結果を受け、安定政権下での景気対策への期待感に加えて設備投資や新製品開発の動きも一部の業界からプラス要素として聞かれた。一方で「仕事はあるが単価が上がらない」(保守サービス)、「コスト高や価格見直し要求、人件費高騰が消費マインドに影響」(機械卸売)等の声もあり、中小企業では高コストに応じた価格転嫁に遅れが見られ、金利上昇の進行も重なり景況感回復への足かせとなるほか、原油価格上昇への懸念も拡がり、県経済は当面は一進一退の動きが続くとみる。

・景気DI

三重県内企業の景気DIは前月比0.4ポイント増の45.4となった。全国平均を3カ月連続で上回ったが、都道府県別の順位は11位となり、前月の9位から2ランク低下した。それでも東海4県の中では4カ月連続で1位となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.4ポイント増の51.4と3カ月連続で改善。「中小企業」は同0.4ポイント増の44.8と5カ月連続で改善。うち「小規模企業」は同0.9ポイント増の44.6と3カ月ぶりに改善。規模間格差は「大企業」が「中小企業」を11カ月連続で上回り、その差は6.6ポイントに拡がった。

・業界別DI

前月と比較可能な8業界では、『不動産』、『卸売』、『運輸・倉庫』、『サービス』の4業界が改善。『建設』は前月から横ばい。一方、大幅減でDIが40未満となった『農・林・水産』をはじめ『製造』、『小売』の3業界が悪化。

・先行き見通しDI

「3カ月後」46.7(前月47.7)、「6カ月後」47.2(同47.5)、「1年後」49.4(同48.6)と、全期間で改善傾向にある。ただし、業界別で『建設』は資材価格の高騰がなお続く中、一般住宅需要の鈍化懸念が根強く、先行き不透明感が漂っている。

■静岡県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

44.0

0.7

2カ月ぶりに改善

・概況

「静岡」の景気DIは44.0と前月比改善した。企業からは、「茶生産者が漸く投資マインドになってきており、受注も一定数入ってきている」(製造)との明るい声もあったが、一方で「人員と協力会社の確保による経費増加で収益力が低下している」(建設)、「日中関係の悪化による」(サービス)など厳しい声も多くあがった。新政権への期待が高まるなか、中東情勢の悪化によってエネルギー価格の上昇や物流への影響を懸念する見方も強まっていることから、当面の景気動向については注意深く見守る必要がある。

・景気DI

「静岡」は前月比0.7ポイント増の44.0となり、2カ月ぶりに改善した。全国(44.3)との比較では0.3ポイント下回り、全国順位では第18位となり、前月横ばいとなった。なお、東海4県のなかでは、「三重」の45.4に次いで2番目に高くなった。

・規模別DI

「大企業」は前月比2.9ポイント減の47.5にとどまり、2カ月ぶりに良否判断の分かれ目となる50を下回った。「中小企業」では同1.2ポイント増の43.3となった。「大企業」と「中小企業」の規模間格差は前月より4.1ポイント縮まり、4.2ポイント差となった。

・業界別DI

主要6業界では『建設』が前月比3.6ポイント減となったものの48.6となり、6カ月連続で最も高くなった。一方で、『小売』は同3.7ポイント増の40.4となったが、2カ月連続して最下位となった。なお、改善した業界は『小売』『製造』など3業界、悪化した業界は『建設』『運輸・倉庫』の2業界となった。

・先行き見通しDI

「6カ月後」は46.1(同46.2)となり前月を下回ったが、「3カ月後」は46.2(前月45.1)、「1年後」は47.7(同47.3)となり前月を上回った。なお、規模別では「中小企業」は3指標ともに前月を上回った。

■山梨県、長野県は、北関東エリアに含んで集計しています。

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