レポート

TDB景気動向調査2026年2月(東北ブロック:青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)

■東北ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.9

1.1

2カ月ぶりに改善

・概況

景気DI(39.9)は、前月比1.1ポイント増で2カ月ぶりに改善した。インバウンド集客や価格転嫁の有無、地域の需要動向など企業間で好不況にバラツキがあり、2025年9月以降、改善と悪化を繰り返し不安定な状況が続いている。さらに今年に入ってからは、日本海側を中心に豪雪の影響も受注・消費に影響を及ぼしている。第二次高市内閣での物価高対策への期待感から先行きの見通しは改善がみられるものの、不透明感も漂い、しばらく一進一退の状況が続くと思われる。

・景気DI

景気DI(39.9)は前月比1.1ポイント増加し、2カ月ぶりに改善した。『全国』(44.3)との格差は4.4で前月比0.6ポイント縮小した。県別では、改善5県(「岩手」「宮城」「秋田」「山形」「福島」)、悪化1県(「青森」)となった。

・規模別DI

「大企業」(44.2)が前月比0.8ポイント、「中小企業」(39.5)が同1.2ポイントそれぞれ増加した。その結果、「大企業」と「中小企業」の格差は4.7となり、同0.4ポイント縮小した。

・業界別DI

改善が『運輸・倉庫』『製造』『小売』などの6業界、悪化が『不動産』『農・林・水産』『建設』の3業界、横ばいが『その他』の1業界となった。『その他』を除く9業界では『農・林・水産』(52.2)が最も高く、『卸売』(35.6)が最も低かった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は42.6(当月比2.7ポイント増)、「6カ月後」は43.7(同3.8ポイント増)、「1年後」は43.9(同4.0ポイント増)となった。前月との比較では3指標すべてで改善した。

■青森県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.7

-2.5

2カ月ぶりに悪化

・概況

「青森」の景気DIは前月から2.5ポイント減の39.7となり、2カ月ぶりに悪化した。例年を上回る積雪により、来店客数が減少した『小売』が悪化したほか、2025年12月の地震による災害復旧工事も一巡したため、『建設』も悪化した。物価高のほか最低賃金の高まりなど、依然としてコスト上昇圧力が強まるなか、今後もしばらくは一進一退の足踏み状態が続く可能性が高い。

・景気DI

景気DIは39.7となり、前月から2.5ポイント悪化した。都道府県別順位は42位と前月の28位からダウン、東北6県の中でも「福島」、「秋田」、「山形」に次ぐ4位にダウンした。例年を上回る積雪量により、小売業がダウンしたほか、2025年12月に発生した青森県東方沖地震からの復旧需要の一巡もあって建設業も全体を押し下げた。

・規模別DI

「大企業」は47.6と前月から2.4ポイント悪化し、同様に「中小企業」と「小規模企業」についても悪化した。特に「小規模企業」は前月の42.8から35.7にダウンしており、「大企業」と「中小企業」の規模間格差は依然として開きがある。

・業界別DI

業界別では、例年を上回る積雪量により、来店客数が減少した『小売』全般で悪化したほか、2025年12月の地震による災害復旧工事が一巡した『建設』も悪化した。同様に、通院者や利用者減を受けた「医療・福祉・保健衛生」なども悪化している。

・先行き見通しDI

先行き見通しDIは、1年後は悪化したが、3カ月後、6カ月後はいずれも改善し、概ね改善トレンドにある。また、改善傾向にあった『運輸・倉庫』と『建設』が悪化へ転じている一方、『サービス』は改善傾向にある。

■岩手県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

37.8

0.7

2カ月ぶりに改善

・概況

景気DIは2カ月ぶりに改善したが、6カ月連続で40を下回り、都道府県順位が2カ月連続で全国47位となった。「大企業」は判断の分かれ目となる50を15カ月連続で下回り、「中小企業」は17カ月連続で40を下回った。業界別では引き続き『卸売』や『小売』の苦境が目立ち、『サービス』の悪化も注目される。先行き見通しは「3カ月後」と「6カ月後」、「1年後」の全てでブロック最低にとどまる。円安や物価高、金利上昇の影響に加え、倒産件数の増加にも留意が必要であり、当面は一進一退の景気動向が続くと見込まれる。

・景気DI

景気DIは前月比0.7ポイント増の37.8となり、2カ月ぶりに改善した。しかし、6カ月連続でDIが40を下回り、2カ月連続で都道府県順位が全国47位となった(前年同月は全国43位)。過去1年間で40を上回ったのは2025年8月の1度のみ。

・規模別DI

「大企業」は前月比0.2ポイント増の48.3となったが、判断の分かれ目となる50を15カ月連続で下回った。「中小企業」は同0.6ポイント増の36.7となったが、17カ月連続で40を下回った。「大企業」と「中小企業」の格差(大企業-中小企業)は11.6となった(前月は12.0)。

・業界別DI

『小売』が前月比4.0ポイント増とやや持ち直したが、31.5と引き続き低水準にとどまった。『卸売』は前月から変動なく32.1で、『サービス』は同4.2ポイント減の38.9と悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が40.3、「6カ月後」が41.4、「1年後」が40.4と、いずれもブロック最低にとどまった。「3カ月後」と「6カ月後」は前月よりやや改善したが、ブロックや全国の水準には及ばなかった。

■宮城県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.5

1.9

14カ月連続で40を下回る

・概況

景気DI(39.5)は前月比1.9ポイント改善したものの、14カ月連続で40を下回った。業界別では、『小売』が6カ月ぶりに30を上回ったほか、6業界で改善した。一方で、企業からは原材料費の高騰や受注の減少など厳しい声も複数聞かれ、企業によって好不調の格差がみられる。第二次高市政権がスタートし、今後の政策に期待が高まるものの、物価高が改善しない状況が続いていることに加え、不安定な海外情勢など懸念材料もあることから、景気動向は低調に推移することが見込まれる。

・景気DI

「宮城」の景気DI(39.5)は前月比1.9ポイント増となったものの、14カ月連続で40を下回った。『全国』(44.3)との比較では4.8ポイント下回り、格差は前月から1.4ポイント縮小した。都道府県別順位は前年同月46位から43位へ改善した。

・規模別DI

「大企業」(46.5)が前月比5.8ポイント、「中小企業」(38.7)が同1.4ポイントそれぞれ増加した。その結果、「大企業」と「中小企業」の格差は7.8で同4.4ポイント拡大した。

・業界別DI

改善は『小売』『サービス』『卸売』などの6業界、悪化は『不動産』『建設』の2業界、横ばいは『農・林・水産』『金融』の2業界となった。『その他』を除く9業界では『金融』(50.0)が最も高く、『小売』(31.7)が最も低かった。『小売』は2025年8月以来、6カ月ぶりに30を上回った。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は40.7(当月比1.2ポイント増)、「6カ月後」は42.7(同3.2ポイント増)、「1年後」は44.5(同5.0ポイント増)となった。前月との比較ではすべての指標で改善した。

■秋田県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.6

2.0

5カ月ぶりにやや改善

・概況

景気DIは、『東北』が前月比1.1ポイント、『全国』は同0.5ポイントそれぞれ改善している。『東北』では、「青森」がやや悪化したものの、本県を含む5県が改善した。秋田県内では、今冬は大雪の影響による交通の混乱により荷動きが鈍ったとの声も聞かれる。依然として物価高の影響もあり消費は弱含みで推移しているほか、2月末のアメリカのイランへの軍事攻撃で燃料の高騰が懸念されており、当面は一進一退の景気動向が続くと見込まれる。

・景気DI

「秋田」の景気DIは40.6と1月から2.0ポイントアップした。『東北』6県では前月の第3位から第2位にアップし、『東北』(39.9)を0.7ポイント上回った。また都道府県順位は前月の第41位から第36位にアップしたものの『全国』(44.3)を3.7ポイント下回った。

・規模別DI

規模別では、「大企業」(45.2)は前月から2.7ポイントダウンしたものの、「中小企業」(40.2)は同2.5ポイントアップした。この結果、「大企業」と「中小企業」の格差はやや縮小した。

・業界別DI

業界別では、『農・林・水産』『建設』『その他』の3業界が前月比で悪化したものの、『不動産』の1業界が横ばい、『小売』『卸売』『製造』『サービス』の4業界が前月比で改善した。改善した中では『サービス』(44.0)の6.7ポイント増が目立った。

・先行き見通しDI

先行き見通しDIは、「3カ月後」45.8、「6カ月後」44.4、「1年後」42.4と現在よりは改善するとの見方だが、依然として低位で推移する見通しとしている。

■山形県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.0

1.7

2カ月ぶりに改善

・概況

「インバウンドもあり良い方向に向かっている。忙しいところと暇なところの差が開いている」(飲食料品小売、中小企業)、「2025年は山形新幹線が運休となり景気の下押しとなったが、今年は影響がなく景気が戻った」(その他の小売、大企業)等の前向きな声は少数にとどまった。一方「人件費や資材費の高騰」(建設、中小企業)、「消費の節約傾向、物価の割高感が影響している」(繊維製品小売、中小企業)等、物価高を訴える厳しい声が多く、地政学的な問題が発生するなど更なる物価高も懸念され、今後の地域経済の動向には留意が必要だろう。

・景気DI

「山形」の景気DIは前月比1.7ポイント改善し40.0となった。『全国』のDIは44.3と同0.5ポイントの改善を示し、『東北』のDIも同1.1ポイント改善して39.9となった。「山形」の景気DIは2カ月ぶりに40に達した。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.4ポイント悪化し38.9を示した。「中小企業」は同1.9ポイント改善して40.1となり、うち「小規模企業」は同0.2ポイント悪化して38.3となった。「中小企業」のみ改善しDIは40を上回った。

・業界別DI

業界別DIは前月比改善したのは『金融』『製造』『卸売』『小売』『サービス』の5業界。特に『製造』は4カ月連続の改善となった。『農・林・水産』『建設』『不動産』『運輸・倉庫』は前月比悪化した。うち『農・林・水産』『建設』『運輸・倉庫』は2カ月連続の前月比悪化となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は前月比1.0ポイント改善の42.1となり3カ月連続の見通しの改善を示した。「6カ月後」は同0.7ポイント悪化し43.2、「1年後」は同0.9ポイント改善して44.9となった。

■福島県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.7

1.3

2カ月ぶりに改善

・概況

4業界が改善して「福島」の景気DI(41.7)は前月比1.3ポイント上昇、2カ月ぶりに改善した。企業からは「米価の高値推移」(農・林・水産)、「特需の案件を得ている」(建設)との声がある一方、「福島県北地域の公共工事が少ない」(建設)、「案件が減少したまま改善がみられない」(製造)、「賃金値上げで経費増」(運輸・倉庫)などの声が届いた。物価高に加え、中東情勢が歴史的な緊張局面に突入し、エネルギー価格・物流への影響が日本にも直結する可能性が高く、景気動向にも大きな変化は期待しづらい状況が続く可能性が高い。

・景気DI

「福島」の景気DIは、41.7と1月を1.3ポイント上回って、2カ月ぶりに改善した。『全国』の景気DIは、前月(43.8)を0.5ポイント上回り、44.3となった。「福島」の都道府県別順位は、前月の第35位から第32位となった。

・規模別DI

「大企業」(40.5)は前月と比べ変化はなく、「中小企業」(41.8)は前月比1.4ポイント上昇、「小規模企業」(38.8)は同1.6ポイント上昇した。格差(大企業-中小企業)は▲1.3となり、2カ月ぶりに「中小企業」が「大企業」を上回った。

・業界別DI

『金融』『不動産』『農・林・水産』『サービス』は悪化したが、『運輸・倉庫』『建設』『卸売』『製造』の4業界が改善した。『建設』は10カ月連続、『卸売』は6カ月連続で40台を維持したものの、『小売』は18カ月連続で30台にとどまった。

・先行き見通しDI

「1年後」の先行き見通しDIは6業界が当月からの改善を見込んでいる。特に『金融』は当月(25.0)から16.7ポイント、『運輸・倉庫』は同(45.2)から9.6ポイントの改善を見込んでいる。一方、業界比率の突出している『建設』の「1年後」が、同(43.2)から3.1ポイント悪化を見込んでおり、やや懸念される。

「東北ブロック(2026年2月)」の詳細(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)