レポート

TDB景気動向調査2026年2月(南関東ブロック:埼玉・千葉・東京・神奈川)

■南関東ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

47.2

0.4

2カ月ぶりに改善、中東情勢に懸念

・概況

『南関東』の景気DIは2カ月ぶりに改善し、全国順位でトップを維持した。「現在の円安基調で輸出が良好」との声が聞こえる一方で、好調な『不動産』においても「高くなりすぎて売れない」などの声も聞かれる。先行きは「3カ月後」「6カ月後」「1年後」すべてで前月比より改善したものの、物価高や人手不足などに対する不安の声もあがっている。加えて、米国の通商政策や中東情勢などの不透明感は『製造』『運輸・倉庫』などを中心に下振れリスクになりうる。

・景気DI

『南関東』の景気DIは前月から0.4ポイント増の47.2となり、2カ月ぶりに改善、全国順位は12カ月連続でトップを維持した。都県別では、「千葉」が3カ月連続で改善するなど3都県で改善した一方で、「神奈川」が2カ月連続で悪化した。

・規模別DI

「大企業」「中小企業」「小規模企業」の全ての規模で2カ月ぶりに改善した。「大企業」が前月比0.1ポイント改善にとどまるなか、「中小企業」は同0.5ポイント改善、「小規模企業」は同0.9ポイント改善した。規模間格差は4.3ポイントと前月より0.4ポイント縮小した。

・業界別DI

業界別では6業界で改善、4業界で悪化した。『農・林・水産』が2.4ポイント、『不動産』は1.5ポイント、『製造』が1.0ポイント改善した一方で、『運輸・倉庫』や『小売』は2カ月連続で悪化した。5業界は50以上となったが、残る5業界は30台から40台前半と低調に推移しており、業界間格差は大きい。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は48.6(前月48.0)、「6カ月後」は49.2(同48.2)、「1年後」は49.6(同48.6)とすべて改善した。「大企業」ではすべてで50を上回り、「中小企業」「小規模企業」でもすべてで前月から改善した。一方で、「1年後」のDIが当月を上回ったのは5業界にとどまった。

■埼玉県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

44.6

1.6

4カ月ぶりに改善

・概況

埼玉県の景気DIは前月比1.6ポイント増の44.6となり、4カ月ぶりに改善した。1月は前月比1.0ポイント減であったが、その反動や衆院選の結果を受け、足下だけでなく先行きまで含め改善基調が色濃く表れた。積極財政への期待から『建設』のDIがアップしたほか、前月の天候不順の影響が収まった『サービス』も改善している。ただ、企業からの声では慎重な意見も多く、物価高や人手不足、金利上昇への懸念は業界を問わず聞かれる。新政権への期待感はある一方で、中国との関係悪化や進まぬ円安対策については注文も多い。

・景気DI

景気DIは44.6となり、前月比1.6ポイント増で4カ月ぶりに改善した。全国、『南関東』はともに微増。管内都県は「神奈川」のみ悪化して他は改善。「埼玉」の改善幅は最大となり、2025年10月以来4カ月ぶりの1.0ポイント超え。「埼玉」の全国順位は14位で前月(21位)から7ランクアップ。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.0ポイント減の46.8、「中小企業」は同1.9ポイント増の44.3、「小規模企業」は同3.0ポイント増の44.9となった。「大企業」と「中小企業」の規模間格差は2.5で、前月比2.9ポイント縮小。「小規模企業」の改善幅が2.0ポイントを超えるのは2025年6月以来8カ月ぶり。

・業界別DI

前月と比較可能な9業界中、前月比改善は5業界、横ばい1業界、悪化3業界。サンプル数の少ない『農・林・水産』『金融』を除くと、改善では『建設』(前月比4.9ポイント増)、『サービス』(同3.5ポイント増)が大きい。『製造』と『小売』が40台に回復し、『サービス』は2カ月ぶりに50台に戻った。

・先行き見通しDI

「3カ月後」46.3(前月44.4)、「6カ月後」47.8(同46.1)、「1年後」48.7(同46.9)となり、3指標ともに前月を上回った。先へ行くほど上昇の傾向に変化なし。3指標ともに前月比1.0ポイント以上の改善となるのは、2023年3月以来2年11月カ月ぶり。先行きへの期待が高まっている。

■千葉県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

44.9

0.1

3カ月連続で改善

・概況

「千葉」の景気DIは44.9となり、3カ月連続で改善した。衆院選の結果を受けて、企業からは「高市政権の積極財政に期待する」「全体的に景気は上向き傾向にある」という声が聞かれた一方で、「予算成立の遅れが懸念される」という声も聞かれた。また、先行きについては、3指標とも前月比改善し、不透明感はやや薄れた。しかしこうした中、米国とイスラエルによるイラン攻撃によって中東情勢は混乱し原油価格が上昇、為替も円安が進むなど、国内景気への影響懸念が高まっている。

・景気DI

「千葉」の景気DIは44.9となり、前月比0.1ポイント増加、3カ月連続で改善した。全国は前月から0.5ポイント増の44.3となり、「千葉」は全国を0.6ポイント上回り、全国順位は12位で前月(10位)からやや後退した。

・規模別DI

「大企業」は45.6で前月比横ばいだったが、「中小企業」は同0.1ポイント増の44.8となり、3カ月連続で改善した。「大企業」と「中小企業」との規模間格差は0.8ポイント(前月0.9ポイント)へと0.1ポイント縮小した。

・業界別DI

『その他』を除く9業界のうち、『農・林・水産』『金融』『不動産』『製造』『卸売』『小売』の6業界は前月比改善した一方で、『建設』『運輸・倉庫』『サービス』の3業界は悪化。『建設』『運輸・倉庫』はともに4カ月ぶりの悪化で、『サービス』は3カ月ぶりに悪化したが、3カ月連続で50を超えている。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は46.8(前月46.2)、「6カ月後」は47.6(同45.3)、「1年後」は48.5(同46.8)となり、3指標とも足元のDI(44.9)を上回り、前月比改善し、先へ行くほど高くなっている。

■東京都

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

48.2

0.5

2カ月ぶりに改善

・概況

「東京」の景気DIは48.2で、7カ月ぶりに悪化した前月から改善した。企業からは「自民党圧勝でムードが良くなっている」(不動産)、「高市政権に期待」(運輸・倉庫)、「高市政権維持で景気対策に期待」(サービス)など、選挙結果を踏まえ祝福モードで期待感を込めた数値と言えるだろう。一方で、「円安、原油高で先行き不安」(小売)、「モノが売れず、先行きも見えない」(サービス)の声があるなか、アメリカによるイラン攻撃が勃発。今後の原油高騰や政情不安の高まりが懸念され、上向いた景況感に水を差す状況下にある。

・景気DI

「東京」の景気DIは48.2(前月47.7、前月比0.5ポイント増)で、2カ月ぶりに改善した。都道府県別順位は2位〈前月(3位)・前年同月(5位)〉となり、1位の沖縄(53.5、前月56.4)との差は3.4ポイント縮小した。

・規模別DI

「大企業」は51.1(前月比横ばい)。「中小企業」は47.4(前月46.8、同0.6ポイント増)で2カ月ぶりに改善した。規模間格差は3.7ポイント(同4.3ポイント、同0.6ポイント増)と縮小。なお、「小規模企業」は48.1(同1.5ポイント増)で、2カ月ぶりに改善し、改善幅も大きい。

・業界別DI

全10業界中7業界が改善、3業界が悪化した。『不動産』(56.8、前月比2.4ポイント増)、『建設(54.5、同1.0ポイント増)、『製造』(41.8、同0.7ポイント増)は改善した。『小売』(45.3、同1.3ポイント減)、金融(51.1、同0.6ポイント減)は悪化に転じた。

・先行き見通しDI

「3カ月後」(49.5、前月49.0)、「6カ月後」(49.8、同49.0)、「1年後」(50.0、同49.2)と、すべて改善した。特に「1年後」は良し悪しの判断となる基準の50に1都3県で唯一届いており、全国でも「沖縄」と「東京」のみである。

■神奈川県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

46.8

-0.5

2カ月連続の前月比悪化

・概況

「神奈川」のDIは2カ月連続の前月比悪化となった。「案件数が豊富にある」(建設)、「メモリー半導体大手からの受注が増加」(機械・器具卸)などの声が聞かれた一方で、「関税で輸出製品が減少」(鉄鋼・非鉄・鉱業)、「中国向けの製品輸出が減少」(運輸・倉庫)など、足元の厳しさを表す声も多く聞かれた。物価高や人手不足、高市政権の政策など期待と不安が混在し、「現在の社会・経済状況から予測は難しい」など、先行きへの不透明感は払拭されない状態が継続している。

・景気DI

「神奈川」の景気DIは46.8と前月(47.3)から0.5ポイント減少し、2カ月連続の前月比悪化となった。全国順位は5位で、前月から横ばい。2025年後半にかけての上昇トレンドが2026年より調整局面に入っており、年度末に向けての動向が注目される。

・規模別DI

「大企業」は52.9(前月比1.1ポイント増)と改善したのに対し、「中小企業」は46.0(同0.6ポイント減)、「小規模企業」は43.8(同0.5ポイント減)と悪化した。「大企業」はこの1年での最高値となり、「大企業」と「中小企業」の格差は6.9ポイントと2カ月連続で拡大した。

・業界別DI

9業界中、6業界で前月比悪化となった。家電や飲食料品小売などの悪化を背景として『小売』および『運輸・倉庫』が2カ月連続、『不動産』は4カ月ぶりの悪化となった。一方で、『建設』および『製造』『卸売』は2カ月ぶりの改善で、『製造』はこの1年での最高値となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は48.4(前月48.5)と悪化したのに対し、「6カ月後」は49.2(同48.6)、「1年後」は49.9(同49.0)と改善した。『金融』『建設』『サービス』は3指標ともに50.0以上となった。先行きへの不透明感は依然として払拭されないものの、「1年後」のDIは6業界で当月を上回った。

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