レポート

TDB景気動向調査2026年2月(九州ブロック:福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)

■九州ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

45.7

0.1

2カ月ぶりに改善

・概況

『九州』の景気DIは、45.7と2カ月ぶりに改善した。企業からは「インバウンド需要と活発な不動産取引が起きている」(福岡県、不動産)などの声が聞かれる。DI50台は、県別では「沖縄」のみ。原燃料高、人件費負担増に対し、価格転嫁も十分ではないものの、引き続きインバウンド需要に加え、TSMC第二工場や経済政策への期待感もあり、当面、一進一退の推移が見込まれる。

・景気DI

『九州』(45.7、前月比0.1ポイント増)は2カ月ぶりに改善した。10業界中6業界、8県中5県で改善。『九州』8県中10位以内は4県。先行き見通しDIは「3カ月後」が3カ月ぶりに悪化したが、「6カ月後」、「1年後」は2カ月連続で改善した。ブロック別では12カ月連続で全国2位。

・規模別DI

「大企業」(49.1、前月比0.2ポイント減)は4カ月ぶりに悪化。「中小企業」(45.2、同0.1ポイント増)は2カ月ぶりに改善。35カ月連続で「大企業」が「中小企業」を上回った。「小規模企業」は43.4(同0.1ポイント減)と2カ月連続で悪化。

・業界別DI

『農・林・水産』(38.9、前月比7.4ポイント減)など4業界で悪化したものの、『金融』(47.0、同2.1ポイント増)、『不動産』(48.2、同2.9ポイント増)など10業界中6業界で改善した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」(47.7、前月比0.2ポイント減)は3カ月ぶりに悪化、「6カ月後」(48.3、同0.4ポイント増)「1年後」(48.9、同0.7ポイント増)は2カ月連続で改善した。業界別では、『農・林・水産』など2業界で全指標が悪化したが、『不動産』『小売』『その他』が全指標で改善した。

■福岡県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

46.3

0.1

3カ月連続の改善

・概況

「福岡」の景気DIは、個人消費などの伸び悩みなどがあった一方で、インバウンド需要や設備投資などの高まりもあり、3カ月連続で改善した。企業からは「公共工事の出方が鈍っていて、民間企業の工事も減っている」(建設)などのコメントがある一方、「AI産業関連の受注および売り上げが増加している」(製造)などの声があった。人件費増、物価上昇などが多くの業界にマイナスとなっているものの、インバウンド効果などによって一部の業界は好調な推移を維持しており、今後も一進一退の状況が続こう。

・景気DI

「福岡」(46.3、前月比0.1ポイント増)は、3カ月連続の改善。業界別では、『金融』『不動産』『製造』『小売』など6業界で改善した。『農・林・水産』『建設』など4業界で悪化。都道府県別順位は8位で前月(6位)からダウン。『九州』8県での順位は前月と同じ3位となった。

・規模別DI

「大企業」49.5(前月比0.8ポイント減)は2カ月ぶりの悪化。「中小企業」45.7(同0.2ポイント増)は3カ月連続の改善。「小規模企業」45.1(同0.3ポイント増)は2カ月ぶりの改善。規模間格差は「大企業」が「中小企業」を3.8ポイント上回った。

・業界別DI

『金融』(54.2、前月比4.2ポイント増)、『不動産』(53.5、同4.3ポイント増)など6業界で改善。『農・林・水産』(50.0、同5.6ポイント減)、『建設』(49.7、同1.1ポイント減)など4業界で悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」(48.7、前月比ポイント0.2ポイント減)は3カ月ぶりに悪化、「6カ月後」(50.2、同0.8ポイント増)、「1年後」(51.1、同1.5ポイント増)は2カ月連続で改善。業界別では、『建設』で3指標全てが悪化。『不動産』『卸売』『運輸・倉庫』ですべて改善。

■佐賀県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

44.4

0.5

3カ月ぶりに改善

・概況

「佐賀」の景気DIは44.4と低調な推移が続いており、決して景気が良い、また良くなっているとは言い難いが、『全国』に近似する推移を続け、都道府県別順位も10~20位を行き来している。業界別では明暗はあるものの、規模別では各規模で改善し、「佐賀」としても3カ月ぶりに改善した。また、年度末から大型連休にかけて景気回復への期待がみられるが、力強さに欠ける状況の中で動向が注目される。

・景気DI

「佐賀」の景気DIは3カ月ぶりに改善し44.4と、前月より0.5ポイント改善した。2025年12月と同値で、前年2月と比較すると低下しているが、この1年間では11月の47.3に次いで2番目に高い水準となった。「佐賀」の都道府県別順位は前月の13位から15位に低下した。

・規模別DI

「大企業」は48.7と前月から2.3ポイントの大幅改善となった。「中小企業」のうち「小規模企業」は42.6と前月比2.0ポイント改善したが、「中小企業」全体では43.3と前月比0.1ポイントの小幅な改善にとどまり、規模間格差は5.4と4カ月連続で拡大した。

・業界別DI

ここまで停滞してきた半導体業界の稼働向上がみられ、『製造』は大きく改善したが、値上げや業界不振で『卸売』は悪化、『小売』も消費抑制感がみられ大幅に悪化した。『建設』では住宅は悪いものの、先々の建築案件の受注を確保していると聞かれ、堅調に推移している。

・先行き見通しDI

「3か月後」は47.9(前月46.3)、「6か月後」は48.1(同46.3)、「1年後」は47.4(同46.0)と、各指標で改善した。業界によって改善を見込む時期に違いが生じているが、景気や為替、資材動向を考慮すれば、見通しづらい状況である。

■長崎県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.2

-1.0

2カ月連続で悪化

・概況

「長崎」の景気DIは前月比1.0ポイント減と2カ月連続で悪化した。「物価高で売上は増加しているが人件費増で利益が圧迫されている」(卸売)など物価高騰による価格転嫁が十分にされていないという指摘が複数企業で聞かれた。他方で「新入学で学校販売が好調」(小売)の声も聞かれた。消費税減税や「高市政権の投資政策効果が長崎に及ぶのは一年半後ぐらいか」(建設)という見通しもあり、「長崎」の景況感は前向きな見通しがありながらも、引き続き一進一退の状況が続くことが見込まれる。

・景気DI

「長崎」の景気DIは前月比1.0ポイント減の42.2と2カ月連続で悪化した。『九州』8県中、本県を含めて3県が悪化し、九州ブロック内順位は、前月から1つ落として7位となった。都道府県別順位は、前月の19位から9つ落として28位となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比0.9ポイント減の42.2、「中小企業」は同1.0ポイント減の42.2、「中小企業」のうち「小規模企業」は同0.9ポイント増の40.5となった。「大企業」「中小企業」とも悪化したが、規模間格差はゼロとなった。

・業界別DI

前月から改善した業界は『金融』『建設』『卸売』『サービス』の4業界となった。悪化した業界は『農・林・水産』『不動産』『製造』『小売』『運輸・倉庫』の5業界となった。中でも『不動産』『運輸・倉庫』は前月から大幅に悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」44.9(前月44.9、前月と同じ値)「6カ月後」45.5(同44.0、同1.5ポイント増)「1年後」46.9(同45.9、同1.0ポイント増)と先へ行くほど改善見通しなった。業界別では『製造』『卸売』『サービス』の3業種が先へ行くほど改善見通しとなった。

■熊本県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

45.5

0.3

2カ月ぶりに改善

・概況

「熊本」の景気DIは前月比0.3ポイント増の45.5と2カ月ぶりに改善した。「数年前と比較すると相当数の取引が成立している状況にあり、景況感はやや良いと感じる」(不動産)など明るい話題が見られた一方で、「出荷が前年と比較しても減少しており、公共工事の発注も少なくなっている」(卸売)と不安を示す声は多い。不安定な国際情勢への懸念のほか、日中関係の悪化などにより今後も景気は一進一退の状況が続くとみられる。

・景気DI

「熊本」の景気DIは45.5で前月比0.3ポイント増と2カ月ぶりに改善した。また、『九州』(45.7)も前月比0.1ポイント増となり、「全国」(44.3)も同0.5ポイント増となった。なお、「熊本」の都道府県別順位は第10位(前月第7位、前年同月第2位)と前月から3ランク下がった。

・規模別DI

「大企業」の景気DIは54.2と前月から5.6ポイント増となり、「中小企業」は44.5と同0.3ポイント減となった。31カ月連続で「大企業」が「中小企業」の景気DIを上回り、規模間格差(大企業-中小企業)に関しては「中小企業」が悪化し「大企業」の数値が改善したため、差は9.7ポイントに拡大した。

・業界別DI

9業界中、改善した業界は『農・林・水産』『金融』『建設』『不動産』『製造』の5業界となった。一方で悪化した業界は『小売』『運輸・倉庫』『サービス』の3業界となり、『卸売』は横ばいとなった。農産物の輸出が増加したほか、インバウンド需要が好調を維持した効果により改善した業界が増加した。

・先行き見通しDI

先行き見通しDIは「3カ月後」が46.6(前月46.2)、「6カ月後」は47.1(同46.8)、「1年後」は46.9(同46.1)となった。TSMC第2工場の方向性が示されたことで「3カ月後」「6カ月後」「1年後」はいずれも改善した。

■大分県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

46.4

-1.5

4カ月ぶりに悪化

・概況

日中関係の緊張が続くなか、レアアースの輸出規制など関係悪化が懸念される。衆院選で高市政権が圧勝し、円安・株高の潮流がみられた一方、積極財政の先行きを見定めようとする意見もある。こうしたなか、全国で人手不足倒産は過去最高を更新し、中小企業の人手不足感は急速に高まっている。金利上昇による支払利息の負担増や取適法施行後の価格交渉は道半ばと聞かれ、更に、米国のイラン攻撃に伴い原油高となった場合の影響や為替・株式相場の動向には留意が求められ、県内の景気動向は年度末に向け一段と減速することが予想される。

・景気DI

「大分」の景気DIは46.4となり、4カ月ぶりに悪化した。全国順位は第7位(前月第2位・前年同月第2位)と順位を大きく下げた。判断の分かれ目となる「50」は14カ月連続で下回った。

・規模別DI

「大企業」は前月比2.4ポイント減の47.6となった。「中小企業」は同1.4ポイント減の46.3、「中小企業」のうち「小規模企業」は同5.7ポイント減の45.1となった。規模間格差は1.3となり、4カ月連続で「大企業」が「中小企業」を上回った。

・業界別DI

業界別では『製造』『卸売』が改善した。『製造』は前月比2.2ポイント増の54.8、『卸売』は同4.3ポイント増の40.7となった。一方、『小売』は同9.3ポイント減と最大の下げ幅を見せて40.7、『建設』も同3.9ポイント減の48.7、『サービス』でも同3.0ポイント減の48.1となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」47.4(前月51.3)、「6カ月後」47.4(同51.0)、「1年後」48.3(同50.8)と3指標のいずれも前月から悪化した。業界別では、『製造』『小売』の3指標がともに「50」以上となった。一方、『建設』『卸売』『運輸・倉庫』『卸売』は50を下回り、先行き見通しを不安視している。

■宮崎県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.9

1.2

2カ月連続改善

・概況

「宮崎」の景気DIは41.9で、前月比1.2ポイント増と2カ月連続で改善した。個人消費は物価高の影響を受けつつも、観光需要の持ち直しを背景に底堅く推移した。公共投資や企業の設備投資も増加傾向にあり、県内経済を下支えしている。一方、製造業などの生産活動や住宅投資には弱めの動きが出ており、先行きへの警戒感も漂う。雇用・所得環境は改善傾向にあるが、コスト増に直面する中小企業の景況感など、二極化する動きを注視する局面が続く。

・景気DI

「宮崎」の景気DIは41.9で、前月比1.2ポイント増と2カ月連続改善した。『九州』(45.7)と比較して3.8ポイント減、全国(44.3)と比較しても2.4ポイント減となった。全国順位に関しては、31位となり前月順位よりも3位上昇した。前年同月順位では同位だった。

・規模別DI

「大企業」は50.0で前月と変わらず(3カ月連続)、「中小企業」は41.3で1.4ポイント増となった。規模間格差(大企業-中小企業)は8.7となり、同1.4ポイント縮小した。「中小企業」に含む「小規模企業」は38.9で同2.4ポイント改善した。

・業界別DI

『製造』は41.7で前月比5.3ポイント増、『非製造』は41.9で同0.5ポイント増、『製造』は3カ月ぶりに改善した。『製造』は「電気機械製造」が悪化、改善した業種は「建材・家具・窯業・土石製品製造」だった。『非製造』は、「飲食料品小売」など改善する一方、「飲食料品卸売」等が悪化した。

・先行き見通しDI

先行き見通しは、「3カ月後」は43.8で前月比1.3ポイント減、「6カ月後」は44.0で同1.1ポイント減、「1年後」は44.7で同0.6ポイント減とそれぞれ前月と比較して悪化した。『九州』と『全国』の「3か月後」、「6カ月後」、「1年後」と比較しても宮崎の先行き見通しDIはそれぞれ下回った。

■鹿児島県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

44.1

2.8

2カ月ぶり改善

・概況

「鹿児島」の景気DIは44.1と2カ月ぶりの改善となり、11カ月連続で悪化と改善が続いた。依然として「物価高」や「人手不足」のほか「原料調達難」、「金利上昇」などを懸念する声が多勢を占めており、「寒波」や「貿易摩擦」などの影響も聞かれるなど、景気の後押し要因に乏しいのが現状である。加えて、「住宅着工数の減少」などの声も上がるなど、上記を背景とした消費マインドの低下が叫ばれており、県内情勢は今しばらくの苦戦を強いられるものと推察される。

・景気DI

「鹿児島」の景気DIは44.1と前月比2.8ポイント改善した。「九州」は同0.1ポイント改善の45.7、「全国」は同0.5ポイント改善の44.3となった。全国的に改善が進んだが、「鹿児島」の改善幅が大きく、都道府県別順位は前月の31位から16位に上昇した。しかし、11カ月連続で悪化と改善を繰り返しており、未だ一進一退の状況にある。

・規模別DI

「大企業」は前月比0.3ポイント改善の52.4であったほか、「中小企業」は同3.1ポイント改善の43.4となった。ただし、「中小企業」のうち「小規模企業」は同1.7ポイント悪化の39.4と規模別で明暗が分かれる結果となった。なお、規模間隔差(大企業-中小企業)は、「中小企業」の改善幅が大きかったことで2.8ポイント縮小し9.0となった。

・業界別DI

『建設』、『不動産』、『卸売』、『小売』、『運輸・倉庫』、『サービス』の6業界で改善が見られた一方、『農・林・水産』、『金融』、『製造』の3業界が悪化した。前々月は5業界が改善、前月は17か月ぶりとなる7業界以上の悪化、今月が6業界の改善と、各業界において一進一退の状況が続いていることが見て取れる。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は45.9と前月比2.8ポイントの改善、「6カ月後」も45.5と同2.4ポイントの改善となり、「1年後」も46.8と同1.5ポイントの改善となった。前月は全項目で一定の悪化がみられたが、同程度の改善が進んだ形で、先行きについても各種DI同様に改善と悪化を繰り返す結果となっている。

■沖縄県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

53.5

-2.9

2カ月振りに悪化

・概況

「沖縄」の景気DIは、2カ月振りに悪化した。これまで同様、観光業界が順調で、防衛を含めた公共投資やホテルなど大型民間投資が続く中で仕事は多く、売り上げは順調との声がある。一方で、「人件費上昇が先行し減益となっている」などコスト増加の影響の方が大きいとの反応も多く、それが景況感を下げた可能性がある。また、同じ理由で先行き見通しDIが3指標とも悪化していると思われ、不安定さは否めないことから、景況感の状況は引き続き注視していく必要がある。

・景気DI

「沖縄」の景気DIは前月比2.9ポイント(以下、P)減の53.5となった。業種別では8業界中、4業界が悪化した。ただ、都道府県別順位は35カ月連続で全国1位となり、『全国』(44.3)、『九州』(45.7)を上回っている。

・規模別DI

「大企業」(50.0、前月比11.1P減)は2カ月連続の悪化、「中小企業」(53.7、前月比2.5P減)は2カ月振りの悪化、「中小企業」のうち「小規模企業」(51.9、前月比2.1P減)は5カ月振りの悪化となった。

・業界別DI

前月と比較可能な8業界中、『金融』(16.7P増)、『不動産』(5.0P増)、『製造』2.4P増)、『運輸・倉庫』(13.9P増)の4業界が改善したが、『建設』(6.0P減)、『卸売』(7.4P減)、『小売』(4.7P減)、『サービス』(4.0P減)の4業界が悪化した。

・先行き見通しDI

先行き見通しDIは、「3カ月後」が54.5(前月57.0)で2カ月振りの悪化、「6カ月後」は53.3(前月55.0)で5カ月振りの悪化、「1年後」は52.6(前月53.7)で4カ月振りの悪化となった。

「九州ブロック(2026年2月)」の詳細(九州ブロック:福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)