レポート

TDB景気動向調査2026年2月(北陸ブロック:新潟・富山・石川・福井)

■北陸ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.8

0.5

2カ月ぶり改善、昨夏からの改善基調を維持

・概況

『北陸』の景気DIは41.8(前月比0.5ポイント増)と2カ月ぶりに改善した。もっとも、実際には厳しい声の方が圧倒的に多く、「価格転嫁が困難」(農・林・水産)、「週末ごとの大雪で客数減」(不動産)、「小さい企業にはやれることにも限界があり、どんどん尻すぼみになっている」(機械製造)など、物価高、人手不足、円安は依然として企業経営の重荷となっている。ただ、希望的観測ではあるものの、「選挙大勝による高市政権の安定、積極財政への期待感」(化学品製造)は非常に強いものとなっている。

・景気DI

『北陸』の景気DIは41.8(前月比0.5ポイント増)と2カ月ぶりに改善し、2025年7月からの改善基調を維持した。全国10ブロック中では9位で前月比変わらず。首位は12カ月連続で「南関東」(47.2)、最下位は14カ月連続で「東北」(39.9)だった。

・規模別DI

「大企業」が45.2(前月比0.6ポイント減)と2カ月ぶりに悪化。一方で、「中小企業」が41.1(同0.7ポイント増)、「うち小規模」が40.4(同0.5ポイント増)とそれぞれ2カ月ぶりに改善した。大企業と中小企業の規模間格差は4.1(前月5.4)に縮小した。

・業界別DI

『製造』が39.0(前月比1.3ポイント増)と5カ月連続で改善し、好調を維持。『小売』も41.5(同2.5ポイント増)と3カ月連続で改善した。『卸売』『運輸・倉庫』も2カ月ぶりに改善。反面、『サービス』が48.6(同0.9ポイント減)と2カ月連続で悪化、『金融』『建設』『不動産』も2カ月ぶりに悪化。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が44.9(前月44.3)、「6カ月後」が46.5(同44.6)、「1年後」が47.5(同45.4)と3指標いずれも改善した。景況感に格差はあるが、4県いずれも先行き見通しは強気を示している。規模別では「大企業」「中小企業」が改善したほか、業界別では『製造』『卸売』『小売』などが改善した。

■新潟県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.4

0.1

全国順位は45位に後退

・概況

「新潟」の景気DIは39.4(前月比0.1ポイント増)と2カ月ぶりに改善したが、全国順位は45位(前月39位)へ後退。建設業界からは引き続き原材料高騰、人件費増加、公共工事低迷の三重苦を指摘する声が多く聞かれ、製造業からは「大手自動車メーカー関連の試作品や量産品が不調」「自動車関係の受注低迷が幅広い業種に影響している」との指摘があった。ただ、「新潟県のDX投資は非常に活発」(情報サービス)という。また季節柄、「除雪は好調」(専門サービス)だった。

・景気DI

「新潟」の景気DIは39.4(前月比0.1ポイント増)とわずかながらも2カ月ぶりに改善したが、全国順位は45位と前月の39位から大幅に後退した。45位は2025年10月以来の低水準。首位は35カ月連続で「沖縄」、2位は「東京」、3位は「石川」「香川」。最下位は2カ月連続で「岩手」、46位は「徳島」。

・規模別DI

「大企業」が46.7(前月比0.9ポイント増)と3カ月連続で改善。先行き見通しも3指標いずれも50台に乗せた。「中小企業」は38.3(同0.1ポイント減)と2カ月連続で悪化。ただし「うち小規模」は37.7(同2.4ポイント増)と改善。大企業と中小企業の規模間格差は8.4(前月7.4)に拡大した。

・業界別DI

『小売』が40.5(前月比6.2ポイント増)、『建設』が44.3(同0.3ポイント増)とそれぞれ3カ月連続の改善。『運輸・倉庫』も42.6と2カ月連続で改善した。反面、改善傾向が続いていた『製造』が34.5(同0.3ポイント減)と4カ月ぶりに悪化し、『サービス』も45.4と2カ月連続の悪化。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が43.8(前月42.9)、「6カ月後」が45.9(同43.8)、「1年後」が46.9(同44.4)と3指標いずれも前月比で改善した。「大企業」「中小企業」「うち小規模企業」いずれも改善したほか、『建設』『製造』『卸売』『小売』『サービス』など主要業種がいずれも改善したことが要因。

■富山県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.3

-0.1

前月からほぼ横ばい

・概況

「富山」の景気DIは前月比0.1ポイント減の43.3とほぼ横ばいとなったが、全国順位は前月の17位から21位に下落した。「北陸」DIは41.8、全国DIは44.3と、ともに改善した。「不要不急品への支出が後回しとなっている」(製造)「販売数の低下」(農・林・水産)などの声が聞かれた一方、「インバウンドは堅調」(旅館・ホテル)などの声もあった。いずれにせよ、富山の景気DIは前月から横ばいにとどまっており、今後も状況を注意深く見守って行く必要があろう。

・景気DI

「富山」の景気DIは、43.3と前月比で0.1ポイント悪化した。福井は横ばい、新潟、石川はともに改善し「北陸」のDIは前月比0.5ポイント増の41.8と前月比で改善した。全国もDI44.3と上昇した。「富山」の都道府県別順位は前月17位から21位に下落した。

・規模別DI

「中小企業」(43.5)は前月比0.4ポイント増となったものの、「大企業」(42.5)は同1.9ポイント減となり、「小規模企業」(39.7)も同3.1ポイント減となった。結果、「大企業」と「中小企業」の規模間格差は-1.0ポイント(前月1.3ポイント)と、「中小企業」が上回った。

・業界別DI

10業界中、前月比改善は『製造』『卸売』『運輸・倉庫』の3業界となった一方、同悪化は『農・林・水産』『建設』『小売』『サービス』などの5業界となった。景気判断の分かれ目となるDI50以上となったのは3業界(前月4業界)であった。

・先行き見通しDI

「3ヵ月後」(当月比1.7ポイント増)、「6ヵ月」(同3.2ポイント増)、「1年後」(同4.5ポイント増)と、改善する見通しとなった。業界別では、『サービス』『小売』『製造』などは先行きに対する期待感が窺えた一方、「建設」「卸売」などは不安感を払拭できない結果となった。

■石川県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

47.7

2.5

直近1年では最も大きく改善

・概況

「石川」の景気DIは、前月比2.5ポイント改善の47.7となった。前月に大きく落ち込んだ景況感は持ち直し、先行き見通しを示す各指標も改善した。引き続きインバウンド需要による『サービス』と復興特需の『建設』が県内景況感を牽引しており、両業種ともに先行きの見通しを含め全指標で分水嶺の50.0以上となった。日中関係など地政学的なリスクや解体からインフラ整備へフェーズが移行した復興事業の見通しなど、内包する課題は大きいものの、両業界が県内の景況感を下支えする状況は当面続くものとみられる。

・景気DI

「石川」の2月の景気DIは、前月比2.5ポイント改善の47.7となった。能登半島地震発生以来、2024年7月の48.0に次ぐ高水準。直近1年間では最も大きく改善し、前年同月比では3カ月連続で上回った。都道府県別順位は前月より4ランクアップ、対前年比でも7ランクアップの3位となった。

・規模別DI

「大企業」のDIは2カ月ぶりに改善。前月比2.5ポイントの改善は、2025年5月の2.7ポイントに次ぐ改善幅。また全規模で前月より改善したのは2025年10月以来4か月ぶり。「大企業」の改善幅よりも「中小企業」の改善幅が大きく、両者の格差は前月比0.3ポイント縮小の7.7となった。

・業界別DI

8業界のうち5業界で改善、1業界で横ばい、2業界で悪化した。2カ月連続で改善したのは『小売』のみ、横ばいが続いた『建設』で改善がみられ、分水嶺の50.0を上回る業種は同業種と『サービス』の2業種となった。『運輸・倉庫』では、記録的な降雪量となった1月以降改善はなく、2カ月連続の悪化となった。

・先行き見通しDI

全指標での改善は2カ月ぶりで、「3カ月後」は5カ月連続、「1年後」は4カ月連続で改善した。「3カ月後」は能登半島発生以前の2023年8月以来の高水準で、「6か月後」は能登半島地震発生以降2番目に高かった。「1年後」は2カ月連続で大きく改善し、1年半ぶりに分水嶺の50.0を上回った。

■福井県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.0

横ばい

前月比横ばいながら、前年同月比では悪化

・概況

『福井』の景気DIは前月比横ばいながらも、前年同月比では若干悪化する結果になった。「公共・民間ともに工事量が減少」(建設)、「物価高で安価な海外製品を求める声が強い」(卸売)など、厳しい声が聞かれた。一方、「国政や県政のトップ交代により、景況感の回復を期待する」(小売)、「政府による経済対策しだいで流動的」(金融)など、先行きでは政権主導による景気浮揚に期待を寄せる意見もあった。

・景気DI

『福井』の2月景気DIは40.0となり、前月比で横ばい、前年同月比で0.9ポイント悪化した。都道府県別順位は40位で、前月(37位)や前年同月(33位)に比べて悪化した。業界別では『製造』が持ち直した一方、『建設』や『運輸・倉庫』、『サービス』の悪化が顕著であった。

・規模別DI

「大企業」の2月景気DIは38.0となり、前月比で2.7ポイント悪化。「中小企業」は40.5で0.7ポイント改善したが、「うち小規模企業は41.4で0.9ポイント悪化した。なお、「大企業」の落ち込みから『中小企業』が景気DIで上回るかたちとなっている。

・業界別DI

比較可能な8業界のうち、景気DIが改善を示した業界は2業界、悪化は4業界、横ばいは2業界となった。前月比では『製造』と『卸売』が改善を示した一方、『運輸・倉庫』が大幅に落ち込み、『建設』や『小売』も僅かに悪化する結果になった。

・先行き見通しDI

『3カ月後』は42.3、『6カ月後』は45.0、『1年後』は45.5と、先行きに対して小幅ながら改善するとの見通しになった。業界別では『製造』や『卸売』、『小売』で緩やかに持ち直すと期待されるが、長期的には『建設』や『サービス』で厳しい見通しとなった。

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