レポート

TDB景気動向調査2026年1月(東海ブロック:愛知・岐阜・三重・静岡)

■東海ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.2

-0.1

2カ月ぶりの悪化

・概況

『東海』の景気DIは前月から微減。インバウンド全体は好調だが、中国人団体客の激減は観光業や輸送業に影響を与えている。食料品などの生活必需品の値上げは続き、選別消費の傾向は強くなっている。自動車生産は堅調ながら、企業により格差が広がっている。悪化した日中関係に好転はなく、米国のトランプ政権の「ドンロー主義」は、世界秩序を混乱させており、不安定な海外情勢は輸出産業の多い東海地区に及ぼす影響が大きい。人手不足による業務遂行力低下が続くなど、先行き懸念材料は多く、景況感は勢いを欠いた推移が続きそうだ。

・景気DI

景況感に勢いはみられず、『東海』の景気DIは43.2と横ばいの月を挟んで0.1ポイントの悪化となった。「愛知」は3カ月ぶりの改善、「岐阜」は横ばい、「三重」は横ばいを挟んで3カ月連続の改善となったが、「静岡」は悪化となった。一方、全国10地域中の順位は前月から2ランク上がって3位。

・規模別DI

「大企業」は前月比0.3ポイント増加し2カ月ぶりに改善となったが、「中小企業」は同0.1ポイント、「小規模企業」は同0.5ポイントそれぞれ悪化した。「大企業」と「中小企業」の格差は2カ月ぶりに拡大した

・業界別DI

改善は3業界、悪化は4業界、横ばいは3業界と、まだら模様となった。物価高による節約志向の影響がある『小売』『サービス』、人手不足による人件費高騰がある『運輸・倉庫』が悪化となった。年度末に向けて活況感がある『建設』『不動産』は改善。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は44.9(前月は45.3)と前月比0.4ポイント、「6カ月後」は45.3(同45.5)と同0.2ポイント、「1年後」は46.4(同46.9)と同0.5ポイントそれぞれ悪化となった。すべての指標が悪化となるのは2カ月ぶりで、先行き警戒感が強くなっている。

■愛知県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.9

0.2

3カ月ぶり改善

・概況

「愛知」の景気DIは、3カ月ぶりに改善した。「輸送用機械器具製造」「機械製造」などが前月から改善し、周辺にも好影響が波及した。全般的には一進一退が続いているが、「景気が良い客先、悪い客先が分かれてきている」(リース・賃貸業)のように、良いところと悪いところの格差拡大が進んでいるのは懸念材料だ。円安進行には歯止めがかかった情勢だが、物価や市中金利の動向にも注視が必要だろう。人件費上昇や人手不足などの課題は山積している状況は変わらず、「愛知」の景況感は引き続き方向感に乏しい展開が続きそうだ

・景気DI

自動車関連などが堅調な『製造』に下支えされ、「愛知」の景気DIは42.9で前月から0.2ポイント上昇し、3カ月ぶりに改善した。都道府県別の順位は前月から5ランクアップの23位だが、3カ月連続で全国を下回った。

・規模別DI

「大企業」(45.9)は2カ月連続の悪化となったのに対し、「中小企業」(42.3)は前月から0.5ポイント、「小規模企業」(39.7)は同0.1ポイントそれぞれ改善した。「大企業」と「中小企業」の格差は2カ月連続で縮小。

・業界別DI

改善が5業界、悪化が3業界、横ばいが1業界。自動車や機械関連に堅調さがうかがえる『製造』が2カ月連続、年度末に向けた受注がある『建設』は4カ月ぶりにそれぞれ改善。一方、中国からのインバウンド需要減少との声もある『運輸・倉庫』は2カ月連続、『サービス』は3カ月連続で悪化となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は44.4(前月44.9)で前月比0.5ポイント、「6カ月後」は44.8(同45.1)同0.3ポイント、「1年後」は45.5(同46.4)で同0.9ポイントそれぞれ悪化。足元よりは改善する見込みは継続しているが、先行き不透明感もやや強まっている。

■岐阜県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.6

横ばい

前月と変わらず

・概況

「岐阜」の景気DIは前月比横ばいの42.6となった。インバウンドに加え、卸売では年末の飲食やスーパーの動きをプラスに捉える声があった。また、製造では受注が堅調との声が複数あった。一方、建設では公共工事の減少を指摘する声が依然複数聞かれたほか、地政学的リスクや昨今の日中関係から先行き不透明感を指摘する声もあった。景況感の方向性が定まらない状況下、衆院選の結果が為替相場やマーケットの動向を左右し、今後の景況感に影響する公算が大きく、選挙後の動向を注視したい。

・景気DI

岐阜県内企業の景気DIは前月と同じ42.6となった。東海4県での順位は4カ月連続最下位となり、16カ月連続で全国DIを下回ったが、全国順位は26位(前月29位、前年同月33位)となり、前月、前年同月に比べて上昇した。

・規模別DI

大企業」は前月比2.8ポイント増の45.7。「中小企業」は同0.6ポイント減の42.0。「中小企業」のうち「小規模」は同0.7ポイント減の40.4。「大企業」は一進一退ながらも8カ月振りに45を超えた。「中小企業」は3カ月ぶりに悪化し、規模間格差は同3.4ポイント増の3.7に拡大。

・業界別DI

前月と比較可能な8業界のうち、5業界で悪化、3業界で改善した。『農・林・水産』『製造』『卸売』『小売』『運輸・倉庫』が悪化し、『金融』『建設』『サービス』が改善。『建設』は30台ながら3カ月連続改善した。前月に悪化していた業界が改善し、改善していた業界が悪化するなど、動きは前月と逆となった。

・先行き見通しDI

先行きDIは、全ての指標で全国DIを下回る水準にとどまるものの、「3カ月後」44.3(前月42.5)、「6カ月後」44.2(同43.0)、「1年後」46.3(同45.8)となり、全ての指標で改善した。規模別では「大企業」が全ての指標で改善した一方、「中小企業」、特に「小規模」では厳しい見通しが続く。

■三重県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

45

0.2

2カ月連続の改善

・概況

「三重」県内企業の景況感はDI45.0に改善した。株価上昇に加え、寒冷な天候の影響を受けながらも、巣ごもり需要の拡大や燃料価格の引き下げ等が要因となった。但し、大企業に比べ中小企業および小規模企業では改善の動きは鈍く、楽観視できない状況が続く。価格転嫁が進みにくい構造的課題を抱える中小企業にとってインフレ環境の長期化と相まって金利上昇が景気の下押し要因となっている。今後は衆議院選挙後の政策運営や市場の受け止め方に左右される面が大きく、県経済は改善基調ながらも当面は緩やかな動きに留まるとみる。

・景気DI

三重県内企業の景気DIは前月比0.2ポイント増の45.0となった。DIが45以上となるのは2023年11月以来2年2か月ぶり。都道府県別順位は9位となり、前月の11位から2ランク上昇した。順位が10位以内となるのは昨年4月(8位)以来9カ月ぶりで、東海4県の中でも3カ月連続で最上位となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.1ポイント増の50.0と2カ月連続で改善。「中小企業」は同0.2ポイント増の44.4と4カ月連続で改善。一方、「小規模企業」は同0.1ポイント減の43.7と2カ月連続の悪化。規模間格差は「大企業」が「中小企業」を10カ月連続で上回り、その差は5.6ポイントに拡がった。

・業界別DI

前月と比較可能な8業界では、『建設』、『不動産』、『製造』、『小売』、『運輸・倉庫』の5業界が改善。『農・林・水産』は前月から横ばいながら業界別で最も高いDIを維持。一方『卸売』、『サービス』の2業界が悪化し、『卸売』は唯一DIが40未満にとどまった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」47.7(前月47.5)、「6カ月後」47.5(同47.1)、「1年後」48.6(同47.8)と、全期間で概ね改善傾向にある。また、業界別で『不動産』は金利上昇下でも実需の底堅さやインフレ進行による資産価値の再評価を背景に、中長期的な改善期待が高い。

■静岡県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.3

-0.8

9カ月ぶりに悪化

・概況

「静岡」の景気DIは43.3と前月比悪化した。企業からは、「AI特需により関連する材料はもうしばらく好調が続きそうだ」(製造)との明るい声もあったが、一方で「新車の販売台数が落ちている」(小売)、「インバウンド需要の減少」(サービス)など厳しい声も多くあがった。衆院選が近づく中、各党が消費税の減額や廃止を訴えていることから消費の活性化に期待がかかるが、観光地ではインバウンド需要の急激な悪化による影響が出ているほか、先行き不安要素も多いことから慎重な見方が拡がっている。

・景気DI

「静岡」は前月比0.8ポイント減の43.3となり、9カ月ぶりに悪化した。全国(43.8)との比較では0.5ポイント下回り、全国順位では第18位となり、前月の第15位より低下した。なお、東海4県のなかでは、「三重」の45.0に次いで2番目に高くなった。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.8ポイント増の50.4となり、2カ月ぶりに良否判断の分かれ目となる50以上となった。「中小企業」では同1.1ポイント減の42.1となった。「大企業」と「中小企業」の規模間格差は前月より2.9ポイント拡がり、8.3ポイント差となった。

・業界別DI

主要6業界では『建設』が前月比0.7ポイント減となったものの52.2となり、5カ月連続で最も高くなった。一方で、『小売』は同7.4ポイント減の36.7となり、3カ月ぶりに最下位となった。なお、改善した業界は『卸売』『サービス』の2業界にとどまり、悪化した業界は『小売』『製造』など4業界となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は45.1(前月46.5)、「6カ月後」は46.2(同47.0)、「1年後」は47.3(同47.9)となり、2カ月ぶりに3指標ともに前月を下回った。なお、規模別では「中小企業」「小規模企業」は3指標ともに前月を下回った。

■山梨県、長野県は、北関東エリアに含んで集計しています。

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