レポート

TDB景気動向調査2026年1月(東北ブロック:青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)

■東北ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

38.8

-1.3

6県中5県が悪化

・概況

景気DI(38.8)は、前月比1.3ポイント減となり、1ポイント以上の減少は2025年1月(前月比1.2ポイント減)以来で、再び30台に落ち込んだ。県別では「青森」を除く5県が悪化、特に「岩手」では公共工事の減少や新築工事の需要低迷により『建設』が低調で全体を押し下げた。全体的にみても資材・原材料価格の高騰などの影響がみられ、『小売』『サービス』は年末年始でも需要の勢いは乏しかったとの声が多い。内需の弱さにより景況感は頭打ち局面にあり、今後も足踏み状態が続く可能性が高い。

・景気DI

景気DI(38.8)は前月比1.3ポイント減少し、2カ月ぶりに悪化した。『全国』(43.8)との格差は5.0で前月比0.7ポイント拡大した。県別では、改善1県(「青森」)、悪化5県(「岩手」「宮城」「秋田」「山形」「福島」)となった。

・規模別DI

「大企業」(43.4)が前月比0.1ポイント増加、「中小企業」(38.3)が同1.4ポイント減少した。その結果、「大企業」と「中小企業」の格差は5.1となり、同1.5ポイント拡大した。

・業界別DI

改善が『小売』『製造』の2業界、悪化が『運輸・倉庫』『農・林・水産』『サービス』などの6業界、横ばいが『金融』『その他』の2業界となった。『その他』を除く9業界では『農・林・水産』(54.2)が最も高く、『卸売』(34.6)が最も低かった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は41.1(当月比2.3ポイント増)、「6カ月後」は42.6(同3.8ポイント増)、「1年後」は43.0(同4.2ポイント増)となった。前月との比較では3指標すべてで悪化した。

■青森県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.2

0.9

2カ月ぶりに改善

・概況

青森の景気DIは42.2となり、前月から0.9ポイントアップし、2カ月ぶりに改善した。業界別では、地震の影響により一部畜舎が被害を受けたほか、水揚げ不振により、『農・林・水産』が悪化した。一方、例年を上回る積雪量により、除排雪業務の増加のほか、地震からの復旧需要を取り込んだ『建設』が改善し、全体を押し上げた。ただし、物価高のほか最低賃金の高まりなど、依然としてコスト上昇圧力が強まるなか、今後もしばらくは一進一退の足踏み状態が続く可能性が高い。

・景気DI

景気DIは42.2となり、0.9ポイント改善した。都道府県別順位は28位と前月の36位からアップし、東北6県の中でもトップであった。例年を上回る積雪量により「除排雪業務」が増加したほか、2025年12月に発生した青森県東方沖地震からの復旧需要を得た建設業が全体を牽引した。

・規模別DI

「大企業」は、50.0ポイントと前月から6.7ポイントの大幅改善となり、同様に小幅ながら「中小企業」と「小規模企業」についても改善した。「大企業」と「中小企業」との規模間格差は依然として開きがある。

・業界別DI

業界別では、地震により一部畜舎が被害を受けたほか水揚げ不振により『農・林・水産』が悪化したが、例年を上回る積雪量により除排雪業務が増加した『建設』が全体を押し上げた。また、年末・年始を家族で過ごす家庭が増えたこともあり、「飲食料品小売」も改善した。

・先行き見通しDI

先行き見通しDIは、3カ月後、6カ月後、1年後のいずれも前月比改善した。『卸売』が悪化傾向にあるものの、『運輸・倉庫』と『小売』は改善傾向にある。

■岩手県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

37.1

-2.5

2カ月ぶりに悪化

・概況

景気DIは2カ月ぶりに悪化、5カ月連続で40を下回り、都道府県順位が全国47位に低下した。「大企業」は判断の分かれ目となる50を14カ月連続で下回り、「中小企業」は16カ月連続で40を下回った。業界別では引き続き『卸売』や『小売』の苦境が目立ち、『建設』の悪化も注目される。先行き見通しの「3カ月後」と「6カ月後」はブロック最低にとどまる。円安や物価高、金利上昇の影響に加え、倒産件数の増加にも留意が必要であり、当面は一進一退の景気動向が続くと見込まれる。

・景気DI

景気DIは前月比2.5ポイント減の37.1となり、2カ月ぶりに悪化し、5カ月連続でDIが40を下回った。過去1年間で40を上回ったのは2025年8月の1度のみ。都道府県順位は全国47位(前月は全国41位、前年同月は全国45位)。

・規模別DI

「大企業」は前月比2.6ポイント増の48.1となったが、判断の分かれ目となる50を14カ月連続で下回った。「中小企業」は同2.8ポイント減の36.1となり、16カ月連続で40を下回った。「大企業」と「中小企業」の格差(大企業-中小企業)は12.0に拡大した(前月は6.6)。

・業界別DI

『卸売』が前月比2.9ポイント増とやや持ち直したが、32.1と引き続き低水準にとどまった。『小売』は同2.1ポイント減となり、27.5にまで落ち込んだ。『建設』は同8.8ポイント減と急激に悪化し、過去1年間で最低の36.1に低下した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が40.1、「6カ月後」が40.2となり、いずれも前月より悪化しブロック最低にとどまった。「1年後」は42.0となり、前月よりやや改善したが、ブロックや全国の水準には及ばなかった。

■宮城県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

37.6

-1.0

13カ月連続で40を下回る

・概況

景気DI(37.6)は前月比1.0ポイント悪化し、13カ月連続で40を下回った。業界別では、『建設』が14カ月ぶりに40を上回ったが、企業間で好不調に格差が生じている。『小売』は、5カ月連続20台で推移しており、「消費者の節約志向が根強く、値上げがままならない」といった声が聞かれた。物価高対策に期待が高まるが、実質賃金の上昇が消費拡大には欠かせない。しかし、企業にとっても厳しい状況が続いており、景気動向は低調に推移することが見込まれる。

・景気DI

「宮城」の景気DI(37.6)は前月比1.0ポイント減となり、13カ月連続で40を下回った。『全国』(43.8)との比較では6.2ポイント下回り、格差は前月から0.4ポイント拡大した。都道府県別順位は46位と低位になっている。

・規模別DI

「大企業」(40.7)は前月比3.7ポイント減少、「中小企業」(37.3)も同0.6ポイント減少した。その結果、「大企業」と「中小企業」の格差は3.4で同3.1ポイント縮小した。

・業界別DI

改善は『建設』『製造』の2業界、悪化は『運輸・倉庫』『農・林・水産』『サービス』などの5業界、横ばいは『金融』『不動産』などの3業界となった。『その他』を除く9業界では『金融』(50.0)が最も高く、『小売』(26.7)が最も低かった。『建設』は2024年11月以来、14カ月ぶりに40を上回った。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は40.3(当月比2.7ポイント増)、「6カ月後」は42.2(同4.6ポイント増)、「1年後」は43.1(同5.5ポイント増)となった。前月との比較では「1年後」を除く2指標で改善した。

■秋田県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

38.6

-0.9

2カ月連続で悪化

・概況

景気DIは、『東北』が前月比1.3ポイント、『全国』は同0.6ポイント悪化している。『東北』では、「青森」がやや改善したものの、本県を含む5県が悪化した。秋田県内では、物価高の影響で消費が伸び悩み、サービス業を中心に業況が厳しくなっている企業も少なくない。加えて日中関係の悪化や金利上昇基調から新たな設備投資に慎重な見方もある。このため、当面は一進一退の景気動向が続くと見込まれる。

・景気DI

「秋田」の景気DIは38.6と12月から0.9ポイントダウンした。それでも『東北』6県では前月の第5位から第3位にアップしたが、『東北』(38.8)を0.2ポイント下回った。また都道府県順位は前月の第43位から第41位にアップしたものの『全国』(43.8)を5.2ポイント下回った。

・規模別DI

規模別では、「大企業」(47.9)は前月から3.5ポイントアップしたものの、「中小企業」(37.7)は同1.3ポイントダウンした。中でも小規模企業が同2.8ポイント悪化した。また、「大企業」と「中小企業」の格差は拡がった。

・業界別DI

業界別では、『農・林・水産』『小売』『卸売』『製造』の4業界が前月比でやや改善したものの、『不動産』『その他』の2業界が横ばい、『サービス』『建設』の2業界が悪化した。悪化した中では『サービス』(37.3)の9.2ポイント減が目立った。

・先行き見通しDI

先行き見通しDIは、「3カ月後」42.6、「6カ月後」42.4、「1年後」41.2と現在よりは改善するとの見方だが依然として低位で推移する見通しとしている。

■山形県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

38.3

-1.7

2カ月ぶりに悪化

・概況

「米の価格を昨年対比1.5~1.6倍に設定しているが順調に販売できている」(農・林・水産、小規模企業)、「農業用機械は米価高騰で農家の方の購買意欲が高い状態が続いている」(製造、小規模企業)等、一部業界からは好調な声が聞かれる。しかし他業界では「建築鉄骨の需要が少なく工事用の稼働率が50%程度のところもあり、非常に深刻」(建設、中小企業)、「金型業界はかつてないくらい冷え込んでいる」(製造、小規模企業)など、厳しい状況を訴えるコメントも多く、各業界の動向を引き続き見守る必要があろう。

・景気DI

「山形」の景気DIは前月比1.7ポイント減の38.3となり、再び40を割り込んだ。『全国』のDIは43.8と同0.6ポイント悪化、『東北』のDIも同様に1.3ポイント悪化し38.8となった。「山形」の都道府県別順位は前月の40位から42位にダウンした。

・規模別DI

「大企業」は前月比2.1ポイント悪化し40.3を示した。「中小企業」も同1.6ポイント悪化の38.2となり、うち「小規模企業」は同1.1ポイント悪化して38.5となった。3指標ともに前月比悪化した。

・業界別DI

業界別DIは『金融』『不動産』が前月比横ばい、『農・林・水産』『建設』『卸売』『運輸・倉庫』『サービス』の5業界は悪化、改善したのは『製造』『小売』の2業界にとどまった。『小売』は2カ月連続、『製造』は3カ月連続の改善を示した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は前月比0.5ポイント改善の41.1となり2カ月連続の改善となった。「6カ月後」は同0.5ポイント悪化し43.9、「1年後」は同1.8ポイント悪化して44.0を示した。なかでも「6カ月後」「1年後」は3カ月ぶりの悪化を示し、中長期的に厳しい見通しを示す結果となった。

■福島県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.4

-2.1

5カ月ぶりに悪化

・概況

7業界が悪化して「福島」の景気DI(40.4)は前月比2.1ポイント低下、5カ月ぶりに悪化した。企業からは「多品種小ロットの案件が増加」(製造)、「自動車の販売台数が好調」(小売)との声がある一方、「案件が少ない」(建設)、「円安傾向による仕入れ価格への影響を懸念」(卸売)、「荷物の量が減り物流の動きも悪い」(運輸・倉庫)などの声が届いた。物価高による節約志向定着への懸念など厳しいコメントが多く、海外情勢にも注視が必要で、選挙後の景気動向にも大きな変化は期待しづらい状況が続く可能性が高い。

・景気DI

「福島」の景気DIは、40.4と12月を2.1ポイント下回って、5カ月ぶりに悪化した。『全国』の景気DIは、前月(44.4)を0.6ポイント下回り、43.8となった。「福島」の都道府県別順位は、前月の第30位から第35位となった。

・規模別DI

「大企業」(40.5)は前月比0.5ポイント上昇、「中小企業」(40.4)は同2.4ポイント低下、「小規模企業」(37.2)は同5.3ポイント低下した。格差(大企業-中小企業)は0.1となり、5カ月ぶりに「大企業」が「中小企業」を上回った。

・業界別DI

『サービス』は改善したが、『運輸・倉庫』『農・林・水産』『卸売』『不動産』『製造』『建設』『小売』の7業界が悪化した。『建設』は9カ月連続、『卸売』は5カ月連続で40台を維持したものの、『小売』は17カ月連続で30台にとどまったほか、『運輸・倉庫』は20台に悪化した。

・先行き見通しDI

「1年後」の先行き見通しDIは4業界が当月からの改善を見込んでいる。特に『運輸・倉庫』は当月(27.1)から18.7ポイント、『金融』は当月(38.9)から11.1ポイントの改善を見込んでいる。一方、業界比率の突出している『建設』の「1年後」が、同(40.7)から3.4ポイント悪化の37.3を見込んでおり、やや懸念される。

「東北ブロック(2026年1月)」の詳細(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)