レポート

TDB景気動向調査2026年1月(南関東ブロック:埼玉・千葉・東京・神奈川)

■南関東ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

46.8

-0.4

8カ月ぶりに悪化、先行きにも不透明感

・概況

『南関東』の景気DIは全国順位でトップを維持したが、8カ月ぶりの悪化となった。業界別では「政策金利引き上げにより、利ざやが改善」との声がある『金融』以外で悪化した。「資材費の高騰と人員不足が深刻」という『建設』や『運輸・倉庫』での低下が目立ったほか、『製造』『卸売』では円安の影響を懸念する声が聞かれた。先行きとしては低迷が続く『製造』『卸売』で改善見通しが示されているが、「1年後」で50を超えるのは『建設』『サービス』の2業界のみで、不透明感は依然として残る。

・景気DI

『南関東』の景気DIは前月から0.4ポイント減の46.8となり、8カ月ぶりに悪化したものの、全国順位は11カ月連続でトップを維持した。都県別では、「千葉」が2カ月連続で改善した一方で、「埼玉」が3カ月ぶり、「東京」が7カ月ぶり、「神奈川」が8カ月ぶりに悪化した。

・規模別DI

「大企業」は50.6と3カ月連続で50を超えたが、全ての規模で悪化した。「大企業」は3カ月ぶり、「中小企業」は8カ月ぶりに悪化。「小規模企業」は0.9ポイント低下した。規模間格差は4.7ポイントと前月より0.1ポイント拡大し、格差は引き続き大きい。

・業界別DI

業界別では『金融』『その他』を除く8業界で悪化した。『農・林・水産』は4.2ポイント、『建設』『運輸・倉庫』はともに1.1ポイント低下し、特に『不動産』『製造』は3カ月連続の悪化となった。50以上となったのは5業界。『製造』『卸売』『小売』は、40台前半の低調な動きが続く。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は48.0(前月48.3)、「6カ月後」は48.2(同48.2)、「1年後」は48.6(同48.9)といずれも改善しなかった。『建設』『サービス』ではすべてで50を上回った一方で、『製造』『卸売』『小売』など5業界はすべてで50を下回った。

■埼玉県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.0

-1.0

4カ月ぶりに悪化

・概況

埼玉県の景気DIは前月比1.0ポイント減の43.0となり、4カ月ぶりに悪化した。企業からの声で目立ったのは「円安」と「物価高」。「原材料価格の高騰が桁外れに進んでいる」(製造)といった意見も聞かれ、かなり深刻に受け止めている企業は少なくない。このほか、「金利」や「中国動向」、「買い控え」といったキーワードも目立ち、懸念や警戒感が高まっている様子がうかがえる。政局が大きく動いている点については、期待と不安双方の見方があるなかで、とにかく円安を止めてほしいという切実な声が複数聞かれた。

・景気DI

景気DIは43.0となり、前月比1.0ポイント減で4カ月ぶりに悪化した。全国、『南関東』はともに微減。管内都県は「千葉」のみ改善して他は悪化。なかでも「埼玉」の悪化幅が最大で、1.0ポイントを超える悪化は2025年5月以来8カ月ぶり。「埼玉」の全国順位は21位で前月(19位)から2ランクダウン。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.4ポイント減の47.8、「中小企業」は同1.0ポイント減の42.4、「小規模企業」は同1.0ポイント減の41.9となり、8カ月ぶりに全ての規模で悪化した。「大企業」の悪化幅が「中小企業」のそれを上回り、規模間格差は前月より0.4ポイント縮小して5.4ポイントとなった。

・業界別DI

前月と比較可能な9業界中、前月比改善は4業界、悪化が5業界。サンプル数の少ない『農・林・水産』『金融』を除くと、比較的変動幅の大きかったのは改善が『不動産』で3.8ポイント増、悪化は『サービス』で4.9ポイント減。『製造』が再び30台に落ち込み、好調だった『サービス』が6カ月ぶりに40台に。

・先行き見通しDI

「3カ月後」44.4、「6カ月後」46.1、「1年後」46.9となり、前月(46.0、46.6、48.1)と比べ3指標ともに下回った。3指標とも下回るのは6カ月ぶり。先へ行くほど上昇していく傾向に変わりはなく、全国や『南関東』も同様。「埼玉」の「3カ月後」(44.4)は管内都県中最も低い。

■千葉県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

44.8

0.6

2カ月連続で改善

・概況

「千葉」の景気DIは44.8となり、2カ月連続で改善した。企業からは、「現時点の受注は堅調。ただし、来期は不透明である」(電気機械製造)、「顧客の属する業界によって二極化している」(化学品卸)などの声が聞かれ、企業の景況感にはばらつきがみられる。2月8日の衆院選の結果が注目されるなか、先行きについては、「3カ月後」「1年後」は前月比改善したが、不透明感は残る。また物価高や消費の停滞が懸念される国内にとどまらず、中国や米国など海外の政治情勢や経済動向を心配する声もあがっている。

・景気DI

「千葉」の景気DIは44.8となり、前月比0.6ポイント増加、2カ月連続で改善した。全国は前月から0.6ポイント減の43.8となり、「千葉」は全国を1.0ポイント上回り、全国順位は10位で前月(14位)から上昇した。

・規模別DI

「大企業」は45.6で前月比0.4ポイント増加し、2カ月ぶりに改善した。「中小企業」も0.6ポイント増の44.7となり、2カ月連続で上向いた。「大企業」と「中小企業」との規模間格差は0.9ポイント(前月1.1ポイント)へと0.2ポイント縮小した。

・業界別DI

『その他』を除く9業界のうち、『農・林・水産』『金融』『不動産』『卸売』『小売』の5業界は前月比悪化したが、『製造』『サービス』は横ばい、『建設』『運輸・倉庫』の2業界は改善した。『建設』は年度末工事に向けて堅調に推移しており、2カ月連続で50を超えた。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は46.2(前月45.8)、「6カ月後」は45.3(同45.9)、「1年後」は46.8(同46.7)となり、「3カ月後」「1年後」は前月比改善したが、「6カ月後」は悪化した。業界別で「1年後」が足元のDIを上回っているのは、『製造』『卸売』『運輸・倉庫』の3業界。

■東京都

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

47.7

-0.4

7カ月ぶりに悪化

・概況

「東京」の景気DIは47.7で、7カ月ぶりに悪化した。企業からは「労務費、資材費の高騰、作業員不足」(建設)、「為替の影響で買い控え」(卸売)、「日中関係の悪化が大きく影響」(サービス)など人手不足や価格高騰、外交問題を憂う声が引き続き聞かれた。「衆議院選挙により新年度予算が遅れる」(サービス)、「解散後の結果次第」(卸売)など、衆議院解散による先行きへの不透明感が浮き彫りとなった。好調だった建設・不動産が悪化に転じるなど、新政権の舵取り如何で景況感がどう上下するのか、動向を見守る必要があろう。

・景気DI

「東京」の景気DIは47.7(前月48.1、前月比0.4ポイント減)で、7カ月ぶりに悪化した。都道府県別順位は3位〈前月(2位)・前年同月(4位)〉となり、1位の沖縄(56.4、前月54.8)との差は2.0ポイント拡大した。

・規模別DI

「大企業」は51.1(前月比0.3ポイント減)と2カ月連続で、「中小企業」は46.8(同0.4ポイント減)は7カ月ぶりに悪化した。規模間格差は4.3ポイントと2カ月ぶりに拡大。なお、「小規模企業」は46.6(同1.1ポイント減)で、こちらは2カ月ぶりに悪化した。

・業界別DI

全10業界中3業界が改善、1業界が横ばい、6業界が悪化した。4カ月連続で改善した『建設』(53.5、前月比1.9ポイント減)が悪化に転じ、『農・林・水産』(44・4、同2.8ポイント減)、『不動産』(54.4、同1.1ポイント減)などが2カ月連続、『運輸・倉庫』(46.0、同0.8ポイント減)は3カ月連続で悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」(49.0、前月48.9)、「6カ月後」(49.0、同48.8)、「1年後」(49.2、同49.3)と、「1年後」以外は悪化した。小規模企業のみ、「3カ月後」「6カ月後」「1年後」が改善見通しとなっている。

■神奈川県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

47.3

-0.6

8カ月ぶりの前月比悪化

・概況

「神奈川」のDIは8カ月ぶりの前月比悪化となった。「運ぶ荷物はいくらでもある」(運輸・倉庫)、「デジタル広告やAIを活用した新テクノロジー領域での広告費増加」(その他サービス)など明るい材料が聞かれた。一方で、「人件費の高騰、資材の値上がりなどで利益が圧迫」(建設)など、経営環境の厳しさは変わらず、人手不足や建築基準法改正の影響、また、円安による材料高騰や衆議院選の結果次第といった声も複数聞かれるなど、先行きに警戒感を示す声も聞かれた。

・景気DI

「神奈川」の景気DIは47.3と前月(47.9)から0.6ポイント減少し、8カ月ぶりの前月比悪化となった。全国順位は5位で、前月の3位から下落したものの上位をキープ。2025年後半は持ち直し傾向が続いてきたが、改善に一服感があらわれる結果となった。

・規模別DI

「大企業」は51.8(前月比0.1ポイント減)、「中小企業」は46.6(同0.8ポイント減)、「小規模企業」は44.3(同1.2ポイント減)とすべてで悪化した。「大企業」は3カ月連続で50.0を上回り、「大企業」と「中小企業」の格差は5.2ポイントとなった。

・業界別DI

9業界中、5業界で前月比悪化となった。『建設』は7カ月連続で50.0を上回ったが、8カ月ぶりに悪化。『小売』は家電や自動車・同部品の悪化を背景に5カ月ぶりに悪化し40.0を下回った。一方で、『サービス』は2カ月ぶりの改善、『不動産』は3カ月連続の改善となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は48.5(前月49.1)、「6カ月後」は48.6(同48.9)、「1年後」は49.0(同49.2)となり、3指標とも前月から悪化した。『金融』『建設』は3指標ともに50.0を上回ったものの、「1年後」のDIが当月を上回ったのは3業界にとどまり、依然先行きへの警戒感は払拭されない状況となっている。

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