レポート

TDB景気動向調査2026年1月(北陸ブロック:新潟・富山・石川・福井)

■北陸ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.3

-0.8

7カ月ぶりに悪化、全国10ブロック中第9位

・概況

『北陸』の景気DIは41.3(前月比0.8ポイント減)と7カ月ぶりに悪化した。『製造』からは「半導体業界の回復に期待」(化学)、「建設機械メーカーが増産を計画」(鉄鋼業)との声があり、『サービス』も明暗は分かれるものの、「能登災害復旧工事での公費解体は昨年末でほぼ完了。今後は本格的なインフラ整備事業が始まる」「自動車整備需要が増加」「商談は多数」と前向きな声が聞かれる。ただ、圧倒的に多いのは原材料高、人件費増、消費不振を指摘する声で、特に『建設』は年度末にかけての見通しを厳しくみている。

・景気DI

『北陸』の景気DIは41.3(前月比0.8ポイント減)と7カ月ぶりに悪化した。全国10ブロック中では第9位(前月8位)。1位は11カ月連続で『南関東』(46.8)、最下位は13カ月連続で『東北』(38.8)。北陸4県内では「石川」が7位、「富山」17位、「福井」37位、「新潟」39位。

・規模別DI

「大企業」が45.8(前月比0.3ポイント増)と2カ月ぶりに改善したものの、「中小企業」(40.4、同1.1ポイント減)、「うち小規模」(39.9、同1.2ポイント減)はともに2カ月ぶりに悪化した。大企業と中小企業の規模間格差は5.4(前月4.0)に拡大。

・業界別DI

『製造』が37.7(前月比0.1ポイント増)と4カ月連続で改善した。4カ月連続の改善は2021年8月以来で、低水準ながら底打ちの気配が強まっている。『建設』も46.0(同0.2ポイント増)と4カ月ぶりに改善し、『小売』も改善傾向。反面、『卸売』『運輸・倉庫』『サービス』が悪化。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が44.3(前月43.9)と前月比で改善したものの、「6カ月後」が44.6(同45.4)、「1年後」は45.4(同46.0)と悪化した。大企業、中小企業ともに概ね景況感が改善する見通しとなっている。業種別では、『製造』『卸売』『運輸・倉庫』などが先行きの改善傾向を示している。

■新潟県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.3

-0.1

1年8カ月ぶりに30位台に浮上

・概況

「新潟」の景気DIは39.3(前月比0.1ポイント減)と2カ月ぶりに悪化したが、全国順位は39位に浮上した。ただ、これは相対的なもので景況感は引き続き厳しい。好調業種はIT関係に限られ、「公共工事、民間投資、大型案件の減少」(建設)、「原料米価格が高止まり。在庫が積み上がっている」(食品製造)、「ニット製品が不振」(アパレル)、「住宅需要の低迷」(建材卸)、「金型業界は全く先が見通せない」(鉄鋼卸)、「世界情勢や政治、将来不安から消費者の購買意欲が著しく低下している」(家電小売)などの声が多い。

・景気DI

「新潟」の景気DIは39.3(前月比0.1ポイント減)と2カ月ぶりに悪化したが、全国順位は39位に浮上。30位台は2024年5月以来、1年8カ月ぶり。首位は「沖縄」の56.4、次いで「大分」の47.9、「東京」の47.7、最下位は「岩手」の37.1、次いで「宮城」「鳥取」「徳島」と続く。

・規模別DI

「大企業」が45.8(前月比3.9ポイント増)と2カ月連続の改善。「3カ月後」~「1年後」の先行きの見通しも前月比で一段と改善している。一方、「中小企業」は38.4(同0.6ポイント減)、「うち小規模企業」は35.3(同1.1ポイント減)と2カ月ぶりに悪化し、先行きの見通しも前月から悪化した。

・業界別DI

『製造』が34.8(前月比1.5ポイント増)と3カ月連続の改善。3カ月連続は2022年7月以来。『建設』(44.0、同0.9ポイント増)、『小売』(34.3、同0.2ポイント増)も2か月連続で改善。反面、『卸売』が33.9(同2.2ポイント減)、『サービス』が46.9(同1.3ポイント減)と悪化。

・先行き見通しDI

「3カ月後」が42.9(前月42.0)と改善したものの、中・長期の見通しは「6カ月後」が43.8(同44.6)、「1年後」が44.4(同45.6)と前月からやや悪化した。大企業の改善が著しいほか、『建設』『製造』などが好調。反面、『卸売』『サービス』などには前月比で弱含みの兆しもある。

■富山県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.4

-2.2

5ヵ月ぶりの悪化

・概況

「富山」の景気DIは前月比2.2ポイント減の43.4と悪化し、全国順位は前月の9位から17位に下落した。「北陸」DIは41.3、全国DIは43.8と、ともに数ヵ月ぶりの悪化となった。「半導体に復調の兆し」(化学品製造)、「インバウンドは堅調」(ホテル)などの声が聞かれた一方、「利益率低下」(機械製造)、「材料・人件費高騰」(飲食)などの声もあった。富山の景気DIは5ヵ月ぶりの悪化となり、今後も状況を注意深く見守って行く必要があろう。

・景気DI

「富山」の景気DIは、43.4と前月比で2.2ポイント悪化した。新潟、石川、福井は何れも悪化し、「北陸」のDIは前月比0.8ポイント減の41.3と7ヵ月ぶりに悪化した。全国もDI43.8と8ヵ月ぶりに悪化した。「富山」の都道府県別順位は前月9位から17位に下落した。

・規模別DI

「大企業」(44.4)は前月比2.0ポイント増となったものの、「中小企業」(43.1)は同3.4ポイント減となり、「小規模企業」(42.8)も同1.0ポイント減となった。結果、「中小企業」の景況感悪化により「大企業」との規模間格差は1.3ポイント(前月▲4.1ポイント)と4ヵ月ぶりにプラスに転じた。

・業界別DI

10業界中、前月比改善は『サービス』『小売』などの3業界となった一方、同悪化は『製造』『卸売』『農・林・水産』『運輸・倉庫』の4業界となった。景気判断の分かれ目となるDI50以上となったのは前月同様4業界にとどまった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」(当月比1.6ポイント増)、「6カ月後」(同2.1ポイント増)、「1年後」(同3.5ポイント増)と、改善する見通しとなった。業界別では、『サービス』『運輸・倉庫』『製造』『卸売』などは先行きに対する期待感が窺えた一方、『建設』『小売』『不動産』などは不安感を払拭できない結果となった。

■石川県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

45.2

-2.0

4カ月ぶりに悪化

・概況

「石川」の景気DIは、前月比2.0ポイント悪化の45.2となった。昨年末にかけて改善基調で推移していた県内の景況感は、年末商戦後の閑散期に突入したこともあり、ブレーキがかかったとみられる。それでも前年同月比では上回っており、先行きも分水嶺に近い数値まで改善してきている。県内の景況感を牽引する『サービス』は前月比で悪化したものの、分水嶺を上回る状況は変わらず、また復興特需で堅調な『建設』は公費解体がほぼ終了しインフラ整備へシフトしてきていることを勘案すれば、当面の動向は注視が必要であろう。

・景気DI

「石川」の1月の景気DIは、前月比2.0ポイント悪化の45.2となった。2024年1月の能登半島地震発生時の▲5.8に次ぐ下落幅で、1月としては7年連続で前月を下回った。一方で、前年同月比では2カ月連続で上回った。都道府県別順位は前月より2ランクダウン、対前年比では横ばいの7位となった。

・規模別DI

「大企業」のDIは7カ月ぶりに悪化した。下落幅5.4は2024年1月の▲10.0に次ぐ水準。また全規模で前月より悪化したのは2024年8月以来。「大企業」が前月比5.4ポイントの悪化に対して「中小企業」は0.7ポイントの悪化にとどまったため、両者の格差は前月比4.7ポイント改善の8.0となった。

・業界別DI

8業界のうち2業界で改善、2業界で横ばい、4業界で悪化した。2カ月連続で改善した業種はなく、閑散期に入った『運輸・倉庫』では、1月下旬に記録的な降雪量となったことも受け、前月より22.2ポイント悪化となった。また『卸売』『サービス』では物価や人件費高騰、さらに大雪の影響で前月より悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は4カ月連続、「1年後」は3カ月連続で改善した一方、「6カ月後」は4カ月ぶりに悪化。「3カ月後」は直近1年間で最も高く、「6か月後」と「1年後」も2番目に高かったことから先行きへの期待感が表れる結果となった。「6カ月後」と「1年後」では分水嶺の50に迫る49.2まで改善してきている。

■福井県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.0

-0.3

2か月連続の悪化

・概況

「福井」の景気DIは、前月比・前年同月比ともに2か月連続で悪化した。『製造』では「小売業の大規模化で値下げ圧力が強い」、『運輸・倉庫』では「暫定税の廃止で燃料価格の低下が見込まれるが、再び価格競争が激化している」との声が聞かれた。また、『建設』では「公共工事が減少」「政府の経済対策が不明瞭」との声が聞かれるなど、取適法の浸透や景気刺激策、円安やインフレ、長期金利の上昇に向けた政策も重要となるだろう。

・景気DI

「福井」の1月景気DIは40.0となり、前月比0.3ポイント悪化、前年同月比も0.6ポイントの悪化となった。都道府県別順位は37位で、前月(39位)に比べて上昇したが、前年同月(34位)比では低下した。業界別では、『建設』や『小売』が低下した一方、『製造』や『卸売』、『サービス』が僅かに回復した。

・規模別DI

「大企業」の1月景気DIは40.7となり、前月比で1.0ポイントの低下、「中小企業」も39.8で0.2ポイント低下した。「うち小規模企業」は42.3で1.6ポイントの低下となり、大企業と中小企業の格差は0.9で、前月より0.8ポイント縮小した。

・業界別DI

比較可能な8業界のうち、前月比で改善を示した業界は4業界、悪化は2業界、横ばいは2業界となった。『小売』が3.3ポイントと大きく低下した一方、『製造』が0.6ポイント、『卸売』が0.9ポイント、『サービス』が1.9ポイントと改善を示した。

・先行き見通しDI

『3カ月後』は42.6、『6カ月後』は41.1、『1年後』も42.4と、先行きは一進一退ながら改善するとの見通しであった。業界別では、『運輸・倉庫』が厳しい見通しとなったものの、『製造』や『卸売』は1年後まで改善が続くとの見方が強かった。

「北陸ブロック(2026年1月)」の詳細(新潟・富山・石川・福井)