レポート

TDB景気動向調査2026年1月(中国ブロック:鳥取・島根・岡山・広島・山口)

■中国ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.0

-1.5

7カ月ぶりに悪化

・概況

『中国』の景気DIは7カ月ぶりに悪化した。2025年7月の調査以降、改善ペースが続いていたが、規模別では3指標がそろって悪化。業界別でも、『不動産』『その他』を除き悪化した。山陰地方の観光需要が冬季に入ったことや地震の影響で『サービス』は47.3と悪化。食品関連で原材料高、それにともなう製品値上げによる買い控えの影響を受けた『製造』『卸売』『小売』もそれぞれ悪化した。先行きは高市政権の政策に対する期待がある一方で、選挙や消費税の行方など不透明感を訴える声、金利上昇を懸念する声などが挙がっている。

・景気DI

『中国』の景気DIは前月比1.5ポイント減の42.0で、7カ月ぶりに悪化した。5県すべてが悪化、なかでも「鳥取」が5.4ポイント、「島根」が2.5ポイント、「広島」が1.4ポイントそれぞれ悪化した。「島根」「岡山」「山口」は2カ月連続の悪化。「全国」(43.8)より1.8ポイント低く、14カ月連続で「全国」を下回った。全国10ブロック別の順位は、前月の4位から6位に後退した。5県すべてが悪化したのは、2024年2月以来。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.6ポイント減の45.6で、2カ月連続で悪化した。「中小企業」は1.5ポイント減の41.4で、7カ月ぶりの悪化。うち「小規模企業」は1.8ポイント減の39.6で、2カ月連続で悪化した。「大企業」と「中小企業」の格差は、2カ月連続で縮小した。

・業界別DI

1業界が改善、8業界が悪化した(その他を除く)。『不動産』(45.6)は1.5ポイント増で2カ月連続で改善した。一方、『建設』(40.8)、『卸売』(41.4)、『運輸・倉庫』(43.2)、『サービス』(47.3)はそれぞれ2カ月連続で悪化した。『製造』(39.9)、『小売』(38.6)はそれぞれ2カ月ぶりに悪化し、40を割り込んだ。『農・林・水産』(45.0)は、6カ月ぶりに50を割り込んだ。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は前月比0.4ポイント減の44.7で、3カ月ぶりに悪化した。「6カ月後」は0.3ポイント減の45.1で、2カ月連続で悪化した。「1年後」は0.5ポイント減の45.8で、8カ月ぶりに悪化した。3指標とも前月を下回った。前年同月比でも、3指標すべてが悪化した。「3カ月後」「6カ月後」は、ともに14カ月連続の悪化となった。

■広島県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.2

-1.4

2カ月ぶりに悪化

・概況

「広島」の景気DIは2カ月ぶりに悪化した。改善ペースが続いていたが、規模別では3指標ともに悪化。業界別でも6業界で悪化した。各業界まだら模様だが、『サービス』は人手不足が響き46.6と悪化。食品関連で原材料高、それにともなう製品値上げによる買い控えの影響を受けた『製造』『卸売』『小売』がそれぞれ悪化した。先行きは高市政権の政策に対する期待がある一方で、選挙や消費税の行方など不透明感を訴える声、金利上昇を懸念する声などが挙がっている。

・景気DI

「広島」の景気DIは前月比1.4ポイント減の43.2で、2カ月ぶりに悪化した。前年同月比では0.4ポイント高く、2カ月連続で改善した。「全国」(43.8)より0.6ポイント低く、2カ月ぶりに「全国」を下回った。中国5県では最も高かったが、都道府県別の順位では、前月の12位から19位に後退した。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.8ポイント減の47.7、「中小企業」は1.4ポイント減の42.4、うち「小規模企業」は1.7ポイント減の40.7で、3指標すべてが2カ月ぶりに悪化した。前年同月比では、3指標がそろって上回った。「大企業」と「中小企業」の格差は5.3で、4カ月ぶりに縮小した。

・業界別DI

2業界が改善、6業界が悪化、1業界が横ばいとなった(その他を除く)。前月大幅に改善した『小売』(42.7)は前月比3.1ポイント減と最も大きな悪化幅となった。『サービス』(46.6)は2.3ポイント、『製造』(42.0)は1.2ポイント、『運輸・倉庫』(43.9)は1.0ポイントそれぞれ悪化した。『建設』(39.1)は1.5ポイント減で唯一40を割り込んだ。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は前月比0.4ポイント減の45.2、「6カ月後」は0.6ポイント減の45.3、「1年後」は0.1ポイント減の46.1でそれぞれ2カ月ぶりに悪化した。3指標がそろって悪化した。前年同月比では、「3カ月後」が12カ月連続で悪化。「6カ月後」は2カ月ぶりに悪化した。「1年後」は17カ月ぶりに改善した。

■鳥取県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

37.7

-5.4

前月から大きく悪化

・概況

「鳥取」の景気DIは前月から大きく悪化し37.7となった。これは、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた2021年5月以降で最低である。企業数の多い『建設』で厳しさがみられ、公共工事の減少や来年度の当初予算執行の遅れによる工事減少を懸念する声が聞かれた。また、財政出動による経済対策により消費動向の回復に期待する一方で、効果は限定的との見方もあり、先行きの安心感にはつながっていないようで、今後の景気動向も一進一退で推移するものとみられる。

・景気DI

「鳥取」は前月比5.4ポイント減の37.7となった。『中国』も2024年2月以来、5県全てで悪化し42.0となった。『全国』も前月比0.6ポイント減の43.8と全体的な悪化傾向となった。「鳥取」の全国順位は前月から20ランクダウンし44位となった。なお、『全国』を下回るのは49カ月連続。

・規模別DI

「大企業」は前月比8.3ポイント減の41.7となった。「中小企業」も前月比5.1ポイント減の37.4となったために、規模間格差は4.3に縮まった。「うち小規模」は前月比6.9ポイント減の38.9となり、規模を問わず前月から悪化となった。

・業界別DI

前月から改善した業界はなく、『農・林・水産』、『金融』、『建設』、『製造』、『卸売』、『小売』の6業界が前月から悪化した。前月から悪化した6業界はすべて30台となっており、厳しさがうかがえるほか、『建設』は4カ月連続の悪化となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は前月比0.3ポイント増の43.7、「6カ月後」は前月比0.8ポイント減の43.4、「1年後」は前月比3.4ポイント減の42.6となった。3カ月後のみ前月から若干改善した一方で、1年後は前月から大きく悪化となり、特に『小売』では先行き見通しに厳しさがうかがえる。

■島根県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.2

-2.5

2カ月連続で悪化

・概況

「島根」の景気DIは2カ月連続で悪化した。規模別では集計の大半を占める「中小企業」、「小規模企業」のほか、「大企業」でもDIが落ち込むなど、全規模でDIが30台まで低下した。業界別でも総体的に低下しており、全体を押し下げる結果となった。企業からの声では、「物価上昇に対して明らかに消費が控えられていると感じる」(小売)、「公共工事発注の見込みが立たない」(建設)、「資材高騰により受注が減少。円安、人件費高騰が原因」(製造)など、不安の声が多く聞かれる。

・景気DI

「島根」の景気DIは前月比2.5ポイント減の39.2となり2カ月連続で悪化した。DI30台は昨年8月以来5カ月ぶり。『中国』は5県ともに前月比で悪化し、DIは42.0と同1.5ポイント減となった。5県すべてが悪化したのは2024年2月以来。なお、都道府県順位は前年同月31位から40位に後退した。

・規模別DI

「中小企業」(39.4)は前月比1.9ポイント減、「小規模企業」(34.3)は同5.3ポイント減となりここ1年で最低水準となった。「大企業」(37.5)は前月比9.7ポイント減と大幅に落ち込み、全体を押し下げた。その結果、格差は▲1.9ポイントとなり、3カ月ぶりに中小企業DIが大企業を上回った。

・業界別DI

前月と比較可能な9業界中、6業界が悪化、改善は3業界となった。なお、3業界の改善は小幅にとどまった一方、悪化の4業界はDIが30台以下に低下。『製造』は17カ月連続でDIが30台となった。なお、全業界が50を割り込むのは、2022年5月以来3年8カ月ぶりであり、総体的に悪化が目立つ結果となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は43.4(前月44.4)、「6カ月後」は43.4(同44.3)、「1年後」は44.9(同45.3)となり、3指標すべてが悪化した。全国(45.8、46.2、46.8)との比較でみても3指標ともに下回っており、先行き不透明感が強まっている。

■岡山県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.7

-0.1

2カ月連続で悪化

・概況

「岡山」の景気DIは、前月比0.1ポイント減の42.7と、2カ月連続で悪化した。業界別では『建設』『小売』など5業界が悪化した。先行き見通しは3指標そろって改善したが、物価高や人件費など、多くの中小企業がコスト上昇の影響から避けられない状況にある中、1月22日に発表した『金利上昇による企業への影響調査』では、「マイナス影響の方が大きい」と回答した企業が4割を超え、金利上昇による支払利息の増加で利益が圧迫され、経営環境は一層厳しさを増すことが懸念される。景気回復には今しばらく時間を要するであろう。

・景気DI

「岡山」の景気DIは、前月比0.1ポイント減の42.7となり、2カ月連続で悪化した。前年同月と比べても1.5ポイント低く、2カ月連続で前年同月を下回った。『全国』(43.8)を1.1ポイント下回ったが、悪化幅は小さく、47都道府県別順位は前月の27位から25位へ、中国5県では4位から3位へ上昇した。

・規模別DI

「大企業」は前月比0.5ポイント増の45.1となり、2カ月ぶりに改善した。「中小企業」は同0.2ポイント減の42.2となり、2カ月連続で悪化した。うち「小規模企業」は同0.4ポイント増の40.2となり、2カ月ぶりに改善した。8カ月連続で「大企業」が「中小企業」を上回り、格差は2.2から2.9に拡大。

・業界別DI

9業界中、「悪化」が5業界、「改善」が3業界、「横ばい」が1業界だった。『不動産』は2カ月連続で改善、『製造』『卸売』は2カ月ぶりに改善した。一方、『建設』は2カ月連続、『小売』は3カ月ぶりに悪化して40を下回った。また、全体を下支えしている『サービス』は2カ月連続で悪化したが、唯一50台を維持。

・先行き見通しDI

「3カ月後」は前月比0.3ポイント増の45.0、「6カ月後」は同0.7ポイント増の45.7、「1年後」は同0.3ポイント増の46.7となり、3指標がそろって2カ月ぶりに改善した。前年同月比では、「3カ月後」は14カ月連続で悪化したが、「6カ月後」は2カ月ぶりに改善、「1年後」は3カ月連続で改善した。

■山口県

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.0

-0.8

2カ月連続で悪化

・概況

「山口」の景気DIは43.0と前月より0.8ポイント低下し、2カ月連続で悪化し、前年同月との比較でも悪化している。都道府県順位は21位と前月から1ランク低下し、『全国』との比較では0.8ポイント下回った。2カ月連続で前月を下回った『小売』では物価高による買い控えや少子高齢化の影響との声が聞かれ、原料価格上昇にともなう価格改定が消費者の節約意識を強めている。また、貸出金利の上昇懸念や人手不足による機会損失、閉塞感の高まりもあり、今後の景気は足踏み状態が続くとみられる。

・景気DI

「山口」の景気DIは、前月比0.8ポイント低下の43.0と2カ月連続で前月を下回った。都道府県順位は21位(前月は20位)と低下し、『全国』43.8との比較では0.8ポイント下回った。なお、前年同月(44.4)との比較では1.4ポイント下回り、2カ月振りの悪化となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比0.2ポイント低下の46.3と3カ月連続で、「中小企業」も前月比0.9ポイント低下の42.5と2カ月連続で悪化した。「小規模企業」は同0.2ポイント上昇の41.9と2カ月ぶりに改善した。「大企業」と「中小企業」の差は3.8で9カ月連続で「大企業」が上回り、格差も0.7ポイント広がった。

・業界別DI

『小売』は2カ月連続、『農・林・水産』『卸売』は2カ月ぶりに悪化した。一方『製造』は2カ月連続、『運輸・倉庫』は4カ月ぶり、『サービス』は2カ月ぶりに改善した。特に『小売』は前月より大きく悪化し、30台まで低下、『製造』も改善ながら30台にとどまっている。前月より改善した業界数は横ばいであった。

・先行き見通しDI

3カ月後が45.0(前月46.0)、6カ月後は46.0(同46.3)、1年後も46.4(同47.6)と各期間で前月より悪化したが、現状より改善に期待する見通しが続いている。業界別では『農・林・水産』が先行き悪化の見通しを示す一方で、その他の業界では全ての期間で横ばいまたは改善の見通しを示している。

「中国ブロック(2026年1月)」の詳細(中国ブロック:鳥取・島根・岡山・広島・山口)