レポート

TDB景気動向調査2025年11月(北海道ブロック:道東・日胆)

■北海道ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

42.6

-0.8

2カ月連続で悪化

・概況

『北海道』の景気DIは、2カ月連続で悪化した。企業からは「住宅業界において建築基準法の改正により建築確認申請認可が大幅に遅れ、着工のめどが立たず、経営を圧迫する事態となっている」(建設)、「物価高騰が続き、節約志向が浸透している」(飲食料品卸売)といった状況が聞かれる。「近時、中国との関係悪化による悪影響が懸念される」(金融)という声もあり、人手不足や物価高などに加えて新たな不安要素も浮上するなか、北海道の景況感は今後も足踏み状態が続くとみられる。

・景気DI

『北海道』の景気DIは、前月比0.8pt減の42.6となり、2カ月連続で悪化した。全国(44.1)との格差(北海道-全国)は▲1.5で、前月から1.0pt拡大した。道内では「道東」が前月比1.6pt減の39.1となり、「日胆」は同2.7pt減の43.9となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.5pt減の42.5となり3カ月ぶりに悪化。「中小企業」は同0.7pt減の42.6となり2カ月連続で悪化した。そのうち「小規模企業」は同横ばいの44.1。規模間格差(大企業-中小企業)は▲0.1となり、2カ月ぶりに「大企業」が「中小企業」を下回った。

・業界別DI

『その他』を除く9業界中8業界が悪化した。『建設』は前月比0.3pt減の45.0となり5カ月連続で悪化。『製造』は同3.4pt減の39.1で3カ月連続の悪化となった。一方、『農・林・水産』は同横ばいの50.0となり、景気判断の分かれ目となる50以上となった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」43.2(前月44.4)、「6カ月後」44.2(同44.5)、「1年後」44.7(同44.5)となり、「3カ月後」「6カ月後」の2指標が悪化した。業界別では『農・林・水産』の「3カ月後」、『金融』の「3カ月後」「6カ月後」が50以上となった。

■道東版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.1

-1.6

2カ月連続悪化(道東)

・概況

企業からは「北見市の財政難による公共工事予算の縮小が影響」(建設)といった声や、「原料不足」(製造)、「物が売れない」(卸売)といった厳しい声が続く。サービス業では「ビジネス利用が多い」その一方で「国内需要の低迷、中国客の減少」、製造業では「ふるさと納税の好調、地域商店街疲弊のアンバランス」といった声も確認される。高市政権の経済政策に期待を持ちたいが、人材不足、物価高、利上げ局面、賃上げ圧力などを踏まえると先行きが見通せない状況で、道東の景況感は今しばらく同様の推移が続くものと推察される。

・景気DI

2025年11月の「道東」の景気DIは39.1で前月比1.6ポイント悪化した。『北海道』(42.6)との格差は同▲3.5ポイントで同0.8ポイント広がった。『全国』(44.1)との格差(道東-全国)は同▲5.0ポイントで同1.8ポイント広がった。

・規模別DI

「大企業」(41.0)は前月比2.9ポイント上昇した。一方で「中小企業」(38.8)は同2.3ポイント下落したほか、「小規模企業」(41.5)も同1.0ポイント下落した。規模間格差(大企業-中小企業)は2.2となった。

・業界別DI

9業界中、改善は『建設』(42.4)のみとなった。悪化は7業界、横ばいは1業界。景気判断の分かれ目となる50以上となったのは『不動産』(50.0)のみであった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」40.4(前月40.9)、「6カ月後」42.0(同40.9)、「1年後」40.7(同40.9)。「3カ月後」「1年後」 は悪化したが、「6カ月後」 は改善した。『北海道』『全国』との比較では「3カ月後」「6カ月後」「1年後」、いずれも下回った。

■日胆版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.9

-2.7

2カ月ぶりに悪化(日胆)

・概況

「日胆」の景気DIは2カ月ぶりに悪化した。企業からは「乳価が上がって周りでも改善していると聞いている」(農・林・水産)、「商品の価格が多少なりとも上昇気味である」(再生資源卸売)といった状況が聞かれる一方で、業界別では『製造』や『卸売』、『小売』などが悪化に転じた。物価高や人手不足など複合的な懸念材料が重なるなかで、日胆の景況感は今後も一進一退で推移するとみられる。

・景気DI

2025年11月の「日胆」の景気DIは、前月比2.7pt減の43.9となり、2カ月ぶりに悪化した。『全国』(44.1)との格差(日胆-全国)は▲0.2となり、6カ月ぶりに日胆が全国を下回った一方で、『北海道』(42.6)との比較では日胆が上回った。

・規模別DI

「大企業」は前月比4.2pt減の50.0となり悪化したものの、3カ月連続で景気判断の分かれ目となる50以上の水準となった。「中小企業」は同2.3pt減の43.3、そのうち「小規模企業」は同3.9pt減の44.9なり、全ての規模で悪化した。

・業界別DI

前月と比較可能な6業界中4業界が悪化した。『農・林・水産』は前月比8.3pt減の50.0となったが、4カ月連続で50以上の水準となった。『建設』は同4.2pt増の50.0で、5カ月ぶりに50以上の水準を示した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」44.4(前月44.6)、「6カ月後」46.0(同44.1)、「1年後」44.4(同42.2)となり、「6カ月後」と「1年後」が改善した一方で、「3カ月後」は悪化した。業界別では『農・林・水産』の「3カ月後」と「6カ月後」が60を超える高い水準を示した。

「北海道ブロック(2025年11月)」の詳細(北海道・道東・日胆)