レポート

TDB景気動向調査2025年10月(北海道ブロック:道東・日胆)

■北海道ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.4

-1.0

3カ月ぶりに悪化

・概況

『北海道』の景気DIは、3カ月ぶりに悪化した。企業からは「資材高騰で設備投資を先延ばしにしていた顧客の設備老朽化に伴い、更新工事の受注が増えてきている」(建設)といった声が聞かれる一方で、「新築需要の長引く低調」(同)といった声もあり、同じ業界内でも景況感に差がみられる。「物価高騰が続き節約志向が浸透していることにより、取引先である飲食業者の売り上げが伸び悩んでいる」(飲食料品卸売)という状況も聞かれるなか、北海道の景況感は今後も一進一退の推移が見込まれる。

・景気DI

『北海道』の景気DIは、前月比1.0pt減の43.4となり、3カ月ぶりに悪化した。全国(43.9)との格差(北海道-全国)は▲0.5で、6カ月ぶりに『北海道』が全国を下回った。道内では「道東」が前月比0.6pt減の40.7となった一方で、「日胆」は同2.2pt増の46.6となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比0.6pt増の44.0となり2カ月連続で改善。一方、「中小企業」は同1.3pt減の43.3で8カ月ぶりに悪化した。そのうち「小規模企業」は同0.9pt減の44.1となり、2カ月連続で悪化。規模間格差(大企業-中小企業)は0.7となり、3カ月ぶりに「中小企業」が「大企業」を下回った。

・業界別DI

『その他』を除く9業界中5業界が悪化した。『建設』は前月比0.4pt減の45.3となり4カ月連続で悪化。『卸売』は同3.0pt減の40.9で4カ月ぶりに悪化した。一方、『サービス』は同0.2pt増の44.7となり2カ月ぶりに改善した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」44.4(前月45.2)、「6カ月後」44.5(同44.1)、「1年後」44.5(同44.1)となり、「6カ月後」「1年後」の2指標で改善した。業界別では『農・林・水産』の「3カ月後」、『金融』の「6カ月後」、『不動産』の「6カ月後」「1年後」が景気判断の分かれ目となる50以上となった。

■道東版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.7

-0.6

前月より0.6ポイント悪化、一進一退が続く(道東)

・概況

企業からは「ふるさと納税が好調(製造)」、「前浜の水揚げが好調(建設)」「顧客の設備投資意欲は依然として強い(建設)」という声の一方で、「販売単価の上昇を喜ぶ反面、生産費用の高さと消費者の買い控えに悩んでいる」(農・林・水産)、「物が売れない」(卸売)、「値上げによる買い控え」(小売)といった価格高騰の影響から厳しい声が確認される。企業規模や業種による格差は依然としてみられており、道東の景況感は一進一退の足踏み状態が続くであろう。

・景気DI

2025年10月の「道東」の景気DIは40.7で前月比0.6ポイント悪化した。『北海道』(43.4)との格差は同▲2.7ポイントで同0.4ポイント縮まった。『全国』(43.9)との格差(道東-全国)は同▲3.2ポイントで同1.1ポイント広がった。

・規模別DI

「大企業」(38.1)は前月比0.8ポイント下落した。「中小企業」(41.1)も同0.6ポイント下落したが、「小規模企業」(42.5)は同0.5ポイント改善した。規模間格差(大企業-中小企業)は▲3.0ポイントと前月同様に中小企業が大企業を逆転した。

・業界別DI

9業界中、悪化は『小売』(41.2)が前月比▲3.7ポイント 、『農・林・水産』(45.8)など4業界。改善は3業界、横ばいは2業界。景気判断の分かれ目となる50を超えたのは『不動産』(61.1)のみであった 。

・先行き見通しDI

「3カ月後」40.9(前月41.5 )、「6カ月後」40.9 (同39.9)、「1年後」40.9 (同39.7)。「3カ月後」は悪化したが、「6カ月後」「1年後」 は改善に転じた。『北海道』『全国』との比較では「3カ月後」「6カ月後」「1年後」、いずれも下回った。

■日胆版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

46.6

2.2

2カ月ぶりに改善(日胆)

・概況

「日胆」の景気DIは2カ月ぶりに改善した。次世代半導体工場や大規模データセンターの進出など大規模なプロジェクトが進むなか、企業からは「新総理のもと、経済政策や物価高対策に期待」(家具類小売)といった声が聞かれる一方で、「冬の灯油代や電気代の高騰が景気の足を引っ張っている」という懸念も寄せられる。物価高や人手不足などへの警戒感は依然として高く、日胆の今後の景況感は一進一退の状況が続くとみられる。

・景気DI

2025年10月の「日胆」の景気DIは、前月比2.2pt増の46.6となり、2カ月ぶりに改善した。『全国』(43.9)との格差(日胆-全国)は2.7となり、5カ月連続で日胆が全国を上回り、『北海道』(43.4)も上回った。

・規模別DI

「大企業」は前月比4.2pt増の54.2となり、2カ月連続で景気判断の分かれ目となる50以上の水準となった。また、「中小企業」は同1.8pt増の45.6、そのうち「小規模企業」は同5.2pt増の48.8となり、ともに2カ月ぶりに改善した。

・業界別DI

前月と比較可能な7業界中5業界が改善した。『農・林・水産』と『金融』、『卸売』はいずれも前月から改善し、50以上の水準となった。一方で、『建設』は前月比1.4pt減の45.8となり、3カ月ぶりに悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」44.6(前月44.4)、「6カ月後」44.1(同42.1)、「1年後」42.2(同43.1)となり、「3カ月後」と「6カ月後」が改善した一方で、「1年後」は悪化した。業界別では『農・林・水産』の全ての指標と『卸売』の「3カ月後」が50以上の水準を示した。

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