レポートTDB景気動向調査2025年08月(北海道ブロック:道東・日胆)

■北海道ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

43.9

0.2

2カ月ぶりに改善

・概況

『北海道』の景気DIは、2カ月ぶりに改善した。企業からは「北海道への観光旅行の人気が今のところ衰えていない」(飲食料品卸売)といった状況が聞かれる一方で、「北海道の建設業界では仕事量は市中に出回っているが、人手不足により電気や設備のサブコンが手配できず、受注まで至らない」(建設)、「住宅着工件数の低迷が続いている」(鉄鋼・非鉄・鉱業)といった声も寄せられる。トランプ関税への不安感や物価高による消費低迷への警戒感を示す企業もあるなかで、北海道の景況感は今後も一進一退で推移するとみられる。

・景気DI

『北海道』の景気DIは、前月比0.2pt増の43.9となり、2カ月ぶりに改善した。全国(43.3)との格差(北海道-全国)は0.6となった。『北海道』が全国を上回るのは4カ月連続。道内では「道東」が前月比0.6pt減の40.0、「日胆」が同1.7pt増の45.1となった。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.6pt減の42.8となり2カ月連続で悪化した。「中小企業」は同0.6pt増の44.1、そのうち「小規模企業」は同0.9pt増の45.4となり、ともに2カ月ぶりに改善した。規模間格差(大企業-中小企業)は▲1.3で、10カ月ぶりに「中小企業」が「大企業」を上回った。

・業界別DI

『その他』を除く9業界中5業界が改善した。『金融』と『不動産』は各50.0で景気判断の分かれ目となる50以上の水準を示した。『サービス』は45.7で2カ月連続の改善。一方、『小売』は40.1で3カ月ぶりに悪化した

・先行き見通しDI

「3カ月後」45.5(前月45.3)、「6カ月後」43.9(同44.2)、「1年後」44.3(同43.2)となり、「3カ月後」と「1年後」が前月から改善した。業界別(『その他』を除く)では、『不動産』の「3カ月後」と、『運輸・倉庫』の「1年後」が50以上の水準となった。

■道東版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

40.0

-0.6

2カ月連続の悪化(道東)

・概況

企業からは「乳価が上がって楽になりつつある」(農・林・水産)、「官民共に避難施設工事、改修工事、エアコン工事などが順調」(建設)といった前向きな材料は確認されるものの 「乳価が上がっても、資材や機械の高止まりで儲けを喰われる」(農・林・水産) 、「原材料、電力光熱費、人件費の高騰」(製造)と厳しい声も確認される。企業規模や業種による格差は依然みられることから、道東の景況感は一進一退の足踏み状態が続く可能性が高い。

・景気DI

2025年8月の「道東」の景気DIは40.0で前月比0.6ポイント後退した。『北海道』(43.9)との格差は同▲3.9ポイントで同0.8ポイント広がった。『全国』(43.3)との格差(道東ー全国)は▲3.3ポイントと同1.1ポイント広がった。

・規模別DI

いずれも悪化し、「大企業」(40.3)は前月比2.0ポイント下落、「中小企業」(40.0)は同0.3ポイント下落、うち「小規模企業」(40.7)も同1.0ポイント下落した。規模間格差(大企業-中小企業)は1.7ポイント縮小し0.3となった。

・業界別DI

9業界中、悪化は『サービス』(46.7)が前月比▲3.3ポイント、 『小売』(40.0)が同▲4.0ポイント、 『建設』(38.2)が同▲2.7ポイント、 『卸売』(36.9)が同▲0.6ポイントとなった。改善は2業界、横ばいは3業界。景気判断の分かれ目となる50を超えたのは『不動産』(54.2)のみであった 。

・先行き見通しDI

「3カ月後」40.8(前月41.2)、「6カ月後」39.7(同40.4)、「1年後」39.7(同39.6)。「3カ月後」「6カ月後」は悪化、「1年後」は改善した。『北海道』『全国』との比較では「3カ月後」「6カ月後」「1年後」、いずれも下回った。

■日胆版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

45.1

1.7

6カ月連続で改善(日胆)

・概況

次世代半導体工場の建設など大規模プロジェクトを抱える「日胆」の景気DIは6カ月連続で改善し、3カ月連続で全国を上回る水準となった。企業からは「乳価が上がって楽になりつつある」(農・林・水産)といった声や、「町発注の工事が多く、民間工事に手が回らないほど忙しい」(建設)といった状況がある一方で、「工事減少、労働力不足による受注機会減少、コスト高による利益減少」(同)との声も寄せられる。トランプ関税の影響などにも警戒感が高まるなか、日胆の景況感は緩やかな改善ペースが続くとみられる。

・景気DI

2025年8月の「日胆」の景気DIは、前月比1.7pt増の45.1となり、6カ月連続で改善した。『全国』(43.3)との格差(日胆-全国)は1.8となり、3カ月連続で日胆が全国を上回り、『北海道』(43.9)との比較においても「日胆」が上回った。

・規模別DI

「大企業」は前月比15.3pt減の45.8となり、5カ月ぶりに減少した。一方、「中小企業」は同3.3pt増の45.0で3カ月連続の改善。そのうち「小規模企業」は同8.3pt増の50.0となり、景気判断の分かれ目となる50以上の水準となった。規模間格差(大企業-中小企業)は0.8で、前月比18.6pt縮小した。

・業界別DI

6業界中3業界が改善した。『農・林・水産』は前月比16.7pt増の50.0、『小売』は同10.6pt増の46.7となりともに2カ月ぶりに改善した。『建設』は同1.4pt増の47.2で3カ月ぶりに改善。一方、『サービス』は同4.2pt減の37.5で2カ月ぶりに悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」46.1(前月46.0)、「6カ月後」43.1(同44.4)、「1年後」43.6(同43.4)となり、「6カ月後」が悪化し、他の2指標は改善した。業界別では『農・林・水産』の全ての指標と『建設』の「3カ月後」、『製造』の「3カ月後」が50以上の水準を示した。

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